読書メモ 思い出のマーニー(1967年 イギリス)

※特装版はもう新品では入手できない様子
「きのうは、もうすんでしまったわ。おとといもよ。そんなこと、ごちゃごちゃいい合ってて、きょうという日をむだにするのはやめましょうよ」
「長い目で見てみると、ものごとは、そうはっきりと黒白のつけられるものじゃないわね。責任はどこにでもあったと思うわ。それとも、どこにも、だれにもなかったのかもしれない。不幸が、いつ、どこではじまるかなんて、だれにいえますか?


(以下、河合隼雄 解説)
「われわれは意図的に他人のたましいに手をとどかせることはできないが、自然に発生したことは、時にそれに成功するのだ。」
「一見恵まれている人が、その恵まれていることに安住したり、一見恵まれていない人が、その恵まれていないことを嘆いてばかりいたりすると、この全体の構図が読みとれず、せっかくのめぐり合わせを生かすことができないのである。」
「大人たちは『子どもためを思いすぎて』、いつも真実を隠そうとする」
「秘密はそれを打ち明けるのにふさわしい『とき』があるのだ」


(コメント)
ジブリで映画化された作品の原作。9年前に購入した本を今になって読んでみた。Amazonを見ると、特装版は新品ではもう入手できないもよう。臨床心理学者の河合隼雄先生の解説もとてもよかった。イギリスの作品だが、映画では日本が舞台となっているようで、また雰囲気がぜんぜん違うんだろうなと(まだ観ていないが)。
よその家庭に引き取られる出だしが、赤毛のアンを思わせた。

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