活字中毒な小学生のその後

会社でなにかおもしろいことをやろうとポッドキャストの配信をはじめた。最初は試験的に自宅で収録。長女をゲストに迎えてトークをする。その中で読書の話題になり、どれくらい本を読むのかという質問に対して「1日に30冊」と長女。家ではもちろん学校でも暇さえあれば本を読んでいると聞いていたが、こんなに読んでいるとは思っていなかった。もちろん低学年向けの短いものも入れての冊数なのだろうけど、それにしても予想以上の多さに驚く。

僕も小学生のころは大量に本を読んでいた。図書館で昼休みに借りて読んで、放課後に別の本に借りかえて読む。1日に最低2冊。友達と外で遊んでいた記憶もありいつ読んでいたのか不思議なのだけど、ひとりだけ図書の貸し出しカードが大量にたまっていたのを覚えている。推理小説、SF、動物記、歴史、サイエンス、伝記などを読んでいたと思う。

その読書のおかげなのだと信じているのだけど、中学生から大学受験まで現代文は一切勉強していなにもかかわらず常にほぼ満点を取っていた。ちなみに大学受験の古文は覚えることが少ない。少し勉強するだけですぐに得点に結びつく。どちらかというと理系だったのだけど、どの試験でも国語は安定してほぼ満点を取り続けていた。繰り返しになるが、これは小学生時代の読書のおかげだと確信している。

自分の体験から、子どもたちにも本をたくさん読んで欲しいと思っている。そこで三姉妹にひとり1台ずつAmazonの電子書籍リーダーであるKindleを持たせることにした。その端末に子どもたちの欲しがっている本にくわえて、僕が選んだ本を入れていく。Amazonのプライム会員になっているとKindleは安く手に入るし、書籍も紙の本よりも安い。電子ペーパーなのでおそらく目にやさしいので、紙の本と同じように好きなだけ読ませている。

読書はマンガでもいいと考えている。毎月子どもたちの好きなマンガを買って入れている。もちろん文章も読ませたいので、人気のある児童書や僕のおすすめの本を不定期で買う。江戸川乱歩の少年探偵団シリーズなど自分が小学生のころに読んでいた本を読ませたところ、おもしろがって読んでいる。ただしKindleの児童書は少ないように思う。青空文庫が無料で読めるのだけど、ふりがながふられていないのでまだハードルが高いようだ。

僕自身はできるだけ電子書籍で読みたいと思っているのだけど、子どもたちは電子書籍も紙の本も区別していないように見える。つい紙の本をフリップしてしまうとは言っていたのだが。頻繁に図書館に通っては大量の本を借りてきて読んでいる。最近は書店にも本を読めるスペースが増えていて、図書館に置いていない本を多く取りそろえてある。買い物のついでに書店に寄るというとよろこんで付いてくる。

なぜこんなにも本が好きになったのかと考える。わが家にはテレビがない。少し前まではゲームをする環境もなかった。ようするに本を読む以外の娯楽が少ないのだ。そう考えると、必ずしもいいことではなかったのかもと複雑な心境になる。もっと読書以外の刺激を与えたほうがいいんじゃないか。そんな気もしている。

子どもたちにひきかえ僕はというと、最近は本を買っては積んでいてほとんど読む時間を取ることができていない。小学生のころの貯金で大学受験まで乗り越えたと考えると、ほとんど積み立てられていない今の状態で将来は乗り越えられるのだろうか。もちろん将来のために本を読むというのは僕の流儀に反していて、ただ楽しく読書ができればそれでいいのだけれど。

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