並の高校生が海外進学を考えるのを助けるために 〜はじめに

私は入試/Admissionでも、高大接続でもなく、高等教育制度とその国際化の専門家、「主要国の高等教育がどういう歴史的経緯や目的を持って今の制度の在り方に至り、それが現在どの様に国内外の制度的に維持・運用され、また他国からの学生が留学するにあたってどういう意味を持つのか」を日々考える人です。

その制度の専門家として
・情報をどう探し
・それをどう「上手に」読み(そこからどういう所に注意して、どういう情報を得るのか)
・それを元に「正しい」判断をどうするか(正しさの根拠の置き方は何か)
という、「海外進学を考えるにあたっての、ものの見方と考え方」を身につける事については助けられますが、
・どうやって英語を伸ばすか
・志望動機はどう書くか
・何をどう勉強すれば良いのか
という作戦レベルについては助けられません。

(更にいうと、一番大事なこと「あなたは何がしたいのか」を決めるのも(当然)助けられません。そこはまず色んな人と話し、本を読み、体験して自分で「自分はこういう事が大事で気にしてて勉強したいと思うのだ」と気付いていってください。※ただし、それが半分ぐらい言語化されている場合には、「あなたがしたそうな事は、こういう所でこうすれば出来そう」と制度的な理解をもって情報提供し、考える手助けは出来ます。)

そもそも「目標が決まってから、そこまでどうやって行くか」という作戦レベルの話も、
・持っている情報、
・その情報の理解、
・目標設定の方法、
・設定した目標の妥当性
が間違っていたら全く意味がありません。

…余程恵まれた/特殊な環境にない限り、高校生に「海外進学したいって言ってるんだから自分でやれ!」といきなりいうのは、高等教育の制度寄りの専門家も周りに(普通は)居ないし、その情報がどこかにまとまってるわけでも無いのではっきり言って難しい。ただ、だからといってTwitterやYoutube、Note等々インターネット各所に蔓延する「個人のお気持ち体験談」や、情弱をカモにすることで成り立つ業者の話に触れていては、自分で正しい判断をするために必要な「個人の感想を越えた中立的な制度の理解」には至らないので、「これは…自分が書くしかないか…。お気持ちも業者も精神論も嫌いだし、その筋の仕事してたし、学位(M.Ed. (Higher Education))あるし…。」と思い、始めた次第です。

想定する読者は「何となく海外進学したいけどどうしていいかわからない」人、「家が無茶苦茶太く海外直で行く人が多い私立に通う帰国子女」ではなく、「国内の大学もまあ真面目にやってればそこそこの所に入れそう、でも海外いけたら良いなあ」と夢見て、「多少動き出してはみたけれど焦ってばっかり、自分もわかってないから親や先生に話すと反対される」というような人を想定しています。 …昔の私よりももう少し不器用な人…と言えるかもしれません。

また、立場としては海外進学原理主義ではなく現実主義なので「それだったら国内の大学は入って留学した方が良いんじゃない?」「それが出来ない人は、お金と労力とストレス考えるとあんまり意味無いと思いますよ…。」という事も躊躇無く書きます。みんながみんな得をするわけではなく費用と労力をかけても、準備が出来てない人、タイミングの悪い人はフツーに苦しむ世界なので…。

専門家とは言え、というか専門家だからこそ「知らない事は知らない」と認めるので、適宜ツッコミ所あればお知らせください。


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