海外大学院・専攻選び…の前の「探し方」③基本情報の探し方

こんにちは。

少し忙しかったので間が空いてしまいましたが、今回はどんな・どのプログラムに行くか…の前の「各国大学/大学院の制度+留学」についての情報のある場所をいくつか。

今回も「淡々と粛々と、制度に則ってやっていく」「エージェントや商用サイト、個人の感想・お気持ちブログよりも公的情報源!(各国大使館、教育交流組織、その国の大学関係組織が主催する"Study in ○○")」をモットーにやっていきます。

公的情報を自力で読むのは少し難しいですが、ここで敢えてそれを勧めるする理由として、
・エージェントや商用サイトは利益優先で情報が本人都合よりもエージェント・会社都合かもしれない
・お気持ちブログは書き手の自己満足優先且つ、本人の体験だけに基づき、制度自体やその比較という意味で情報が制限されている
のが準備の内容に関わる二点と、加えて渡航後により重要な事として「制度を理解出来ない程度の読解力、問い合わせが出来ない程度のコミュニケーション能力で、現地の学習、生活と制度の情報が上手く回せるか?」という懸念があります。

大学での留学支援の仕事と自分の留学(3回目)の両面を経てきた私としては、行ってから本当に必要なのは本人が現場の情報を得て、窓口に相談する対応力なので、情報を読んで理解し、必要があれば問い合わせる能力というのは準備時点から積み上げていくに越した事がない、と考えます。言い換えれば「準備時点でその練習をしておかないと、現地行ってからあなた一人でどうすんのよ…。」という。送るだけが仕事のエージェント、お気持ちを語る個人は、ある人の現地での対応に何ら責任を負わないですし…。

加えて、特にこのCOVID-19で情勢とそれに伴う規制が変化する状況において、政府関係/公的機関は、そこをソースとして発信する第三者のサービスに対して、最新且つ精確な情報を持っているので正しい判断材料になります。(特に個人ブログは当人が行った時点での状況と、そこに居合わせた個人の感想でしかないので…。)

…と、言うわけで「制度を理解して行き先を探す」をテーマに色々とサイトや例を挙げていきます。

1)大学改革支援・学位授与機構の「各国・地域の質保証の基本情報
・質保証の話がメインですが、日本語でヨーロッパ(イギリス、オランダ、フランス、ドイツ他)、アメリカ、オーストラリア、アジア(中国、台湾、香港、韓国他)と主要な留学先の高等教育制度についてもまとまっており、出願前でも合格後でも、その国のシステムについて知るために便利。

2)EUの「Study in Europe」と駐日EU代表部の「日本からEUへの渡航
・前者はEUの圏外からの外国人向けガイド、各国制度の概要やヨーロッパでの一般論が載っている。
・後者は日本国内で欧州留学フェアを主催しているが、その情報もここと、各国の教育交流組織(ドイツのDAADや、フランスのCampus France、イギリスのBritish Council等)が発信している。
・EUのErasmus Mundusのジョイントディグリープログラムという手もあります。

3)各国大使館や在日の各国政府機関
アメリカ大使館
カナダ大使館
オーストラリア大使館
の様に、受入を積極的に行っている国の大使館には現地留学関係の情報や、イベント案内の専用ページがあります。また台湾の様に現地の教育省が日本語版の留学情報ページを持っている場合もあります。

小国であってもまずはダメ元で大使館のページは見に行くと良いでしょう。(どのみちビザ/就学許可で見に行く事にはなるので…。)

4)日本の大学の学内向け留学情報ページ
敢えてリンク載せませんが、主要大学の国際系部署が作っている留学情報ページは、当然その大学の在学生向けであっても一般的な情報も載っているので参考にはなりますし、場合によっては現地の大学に直で行くよりも有利な制度(ダブルやジョイントディグリー)の情報も載っているので、見ておくと有益です。

5)個別の大学のページ
大学のページは情報量が多く、いきなり行くと圧倒されるので、1〜4の関わる所を一通り読んでから行くぐらいで良いかと思います。前回の記事の通りにトップ→Future/Prospective Students→Programs/Graduate Admissions→…と降りていくのが混乱しづらいかと思います。

また、大きい大学(例:University of Toronto )で研究科が個別のページを持っている(例:OISE)ならそちらの方で独自の受験生向けページを持っているかもしれません(例:OISEのリクルートページ)ので、そちらも合わせてみておきましょう。サイトにAdmission系のSNSアカウントのリンクがあればそこからフォローしておくと、オンラインでのイベント情報は大体そっちに出ますので見逃しません。

6)…で、最後に個人ブログやエージェントの公開情報
今までは仕組みについての情報でしたが「で、実際行ってみてどうなの?」という話は個々人を通してしか分からないものなので、個人の感想やお気持ちも参考情報として(ここに来て初めて)ある程度の足しにはなります。同様にビジネスとしてのエージェントが出している情報も致命的に間違ってはいないので、公式情報を持った上でそれを読みやすくした物としては使えるかもしれません。いずれにせよ制度面を理解していれば「個人の感想・ビジネス上のバイアスから割引いて考える為の情報」を持っている事になるので上手く利用する事が出来ます。つまり大事な事は「情報探しの"入り口"を間違えない」(個人、個別業者というミクロは最後、制度や公式情報というマクロが先)という事です。

以下ちょっとしたQA

Q:読んで分からない事が出てきたらどうすんの?
A:調べて理解するのも準備です。サイトの情報なら情報出してる団体に、フェア(オンラインでも対人でも)で聞く、大学レベルの情報で確認した方が良さそうな話はAdmissionに聞くのが正攻法。(それが出来ん人が現地で生き延びられるのか、という話ですよ…。)

Q:情報の少ない国/大学に行きたい場合は?
A:行ってからの事を考えると、準備時点で「どうやって情報を探せば良いか」困ってる様な人が生き延びられると思えないんですが…。
(ただ、基本的なパターンは変わらないので、制度情報を英語や現地語で探して、あとは大使館や大学への個別の問い合わせで。)

Q:ランキングってどうなの?
A:…長い話になるので次回!

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