スペインに勝利!

ドイツに勝つのは絶対無理。
スペインに勝つのは絶対無理。

いつも思うのだが、どうして「絶対」という言葉を使うのだろう。
確かに、勝つ可能性は低かった。
しかし、絶対無理という表現はありえない。

おそらく、文系脳と理系脳の違いだと思うのだが、基本的に理系脳、とりわけ数学では、証明されたこと以外に「絶対」という言葉を使うことは基本的にない。
例えば、「10秒後に日本からカタールに移動する。」これは「絶対」に無理。証明されたことではないが、少なくとも現在の技術においては不可能と言える。将来的にはわからない。だから、条件付きの「絶対」ということになる(例えがあまりよくない・・・)。

そういうわけで、個人的には今回のスペイン戦の勝利も、ドイツ戦の勝利にも驚いていない。もちろん勝ったことはうれしい。ただ、その喜びには驚きが入っていないということである。

さて、ここからは素人目線で内容に関して思ったことを書いてみる。

まずは、采配。
ドイツ戦とスペイン戦の采配はすごかったというのをよく見る。しかし、個人的にはそう思っていない。メンバーやコンディション状況を見たとき、どうしてこういう采配が今までできなかったのかと思うくらいである。

むしろ、すごいのはコスタリカ戦の采配だろう。あの状況でコスタリカ戦の采配は驚きしかなかった。このコスタリカ戦があったからスペイン戦に勝てたという人もいるかもしれないが、それはわからない。ローテーションをしなくても勝てた可能性は十分あるわけで、それを検証することは不可能。
そもそもコスタリカ戦に勝っていれば、スペイン戦でローテーションできたわけで、日程的にはその方がよかったわけである。
ただ、展開的にはドラマチックで、まさに一喜一憂したのではないだろうか。

次に、なぜドイツ・スペインに勝って、コスタリカに負けたのか。
これもそんなに難しい話ではないと思っている。日本がドイツ・スペイン戦でやったことをコスタリカにやられたというだけのこと。

具体的に言うと、実力が上のチームはポゼッションをしてくるわけだが、それに対して下位のチームは組織的に守備をしてカウンターを狙う。

今のサッカーの技術を考えると、守備をがちがちにした場合、相当な実力差がない限り点を取ることが困難になる。一方、カウンターは守備が整っていない状態になるので得点しやすい状況と言える。アジア予選等で日本が負けるときの状況がまさにこれである。

そういう意味では、日本はまだ強豪国とは言えないのだろう。ただ、実力がなければ、引いて守ってカウンターでも勝つことはできない。だから、日本は強豪国の一歩手前まで来たと言えるのではないだろうか。

今回の戦いぶりを見る限り、優勝の可能性だってあるわけだ。もちろん可能性は低い。しかし、ゼロではない。「絶対に無理」ということはない。


個々の選手を見てみる。敬称略にて失礼する。

権田はよく守ってくれてはいるのだが、やっぱり何かやらかすのではないかとドキドキしてしまう。あとはキックの精度がいまいちな感じがある。

吉田、谷口、板倉はよく守ってくれたと思う。特に谷口は初出場で良いプレーだったと思う。ただ、板倉の次戦出場停止が痛い。

伊東は本当によく走っていたし、攻撃面ではポジション的にもなかなか自分の強みを発揮できる展開ではなかったが、貢献度はかなり高いのではないだろうか。
長友は良くも悪くも及第点といったところだろうか。

守田・田中はポジション的にもかなり苦しんだと思うが、終わりよければすべて良し。田中の得点がなければ勝つことはできなかったことを考えると良く詰めていた。

鎌田は対策される筆頭の選手であるわけだが、調子が悪いのかやっぱりボランチ辺りで受けて前を向いてプレーできた方が良いような気がする。
久保は守備のセンスも良く、前半ボールを持った時、唯一勝負できる選手だったと思う。それだけに前半だけで交代はもったいなかった。

前田のプレスはすさまじいの一言。
FWだから本人としては得点が欲しいだろうけど、プレスだけで先発する価値がある稀有な選手だと思う。交代時に汗一つかいてなかったのでもうちょっと出てもよかったと思うが、スプリントが62回だったし、次のクロアチア戦にも期待。

三笘と堂安は途中出場で点に絡める素晴らしい選手。堂安のゴールはロッベンばりの一撃必殺。三笘のドリブルからのチャンスメイクは言わずもがな、ディフェンスも上手かった。強度の面ではやや不安を感じたものの、サッカーIQが高いのか、相手の一歩先を読んだディフェンスだったと思う。

浅野は三笘からのボールをせめて枠に飛ばして欲しかった。遠藤はよく出てきたなと。あまり無理をして欲しくないが、試合に出られるくらいの状況であることは朗報。

冨安は壁。
冨安が出てきてから、スペインは日本の右サイドで何もできていなかった。けがさえしなければ世界最高に到達できる選手。


長くなった・・・。

次はクロアチア戦。
「絶対に勝てない」ということはない。
どこまで行けるか。

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