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スキルなしの24歳が、プロのライターとしてデビューするまでの話

ライターとして活動を始めてからもうすぐ3年。結婚・転職・妊娠・出産とライフイベントが凝縮した3年間の中で、紆余曲折ありながらも粛々とライターの活動を続けてきた。

現在は0歳児の子育てをしながら、複数のメディアで記事を書かせてもらっている。最近は記名記事を書く機会も増えたので、ライターとしてのやりがいを感じているし、何よりもたのしい。

自分の名前で書いた記事が世に出るのは正直こわいし、背筋をぴしっと伸ばさなきゃという気持ちにもなる。それでも、それ以上に実績としてアプローチできるチャンスでもあるので、これからもどんどん書きたい。

そんな私だが、3年前は人材業界をすこし経験しただけのスキルも何もないただの24歳だった。そこからなぜライターになったのか、未経験からどのようにしてライターになったのかを書いていこうと思う。

振り返ってみると「あのときあの決断をしていなければ、今こうしてライターとして活動していなかったな」と思うできごとが多々あった。今回3年前のできごとを振り返る中で、改めて人とのつながりの大切さに気づくことができた。

今回のnoteはあくまで私の一例。参考になる部分・ならない部分があるかもしれないが、「ライター」という職業に興味がある人や、これからライターになりたいと考えている人の参考になったらうれしい。

スカウトメールを送る日々の中で文章を書く楽しさを覚える

「文章を書くのがたのしい」と思うきっかけになったのは、2020年のコロナ禍真っ只中。当時の私は、勤めていた人材会社で来る日も来る日もスカウトメールを送っていた。

スカウトメールとは、求職者が登録している転職サイトのデータベースからユーザーを見つけて、自社のサービスを利用してもらうためにアプローチする方法のひとつ。

ユーザーから返ってきたスカウトメールの返信数や返信率が成績に大きく影響してくるのだが、当時の私は送っても送っても返信が来ず、自分のポンコツ具合に落ち込んでいた。営業成績が悪かった私は、コロナ禍ということもあり「このまま結果が出せなかったら解雇されるのでは……」と不安を覚えていた。

焦った私は、どうすればスカウトメールの返信が来るのか原因を考えた。

「何時に送れば開封されるのか」
「どんなタイトルだったら開封されるのか」
「どんな情報が書いてあればサービスを利用してもらえるのか」

ときには返信率が高い人に頼みこんでスカウトメールの内容を教えてもらい、Googleスプレッドシートにまとめて分析した。また、読んでもらえるようなタイトルを知るために、コピーライティングの本を買って文章に取り入れることもした。

「どんな文章を書けば画面の向こう側にいる人の心に届くのか」

見えない読者を相手に、どうすれば読んでもらえるのかをただひたすらに考えた。

こうした試行錯誤を続けてから半年後、ある日を境に返信数と返信率が上がった。スカウトメールの返信が来るようになったことで成績も徐々に良くなり、ついには社内で賞をもらうところまでたどり着いた。

「自分が書いた文章で人に影響を与えることができた」

当時の上司からは「愛のある文章を書くよね」と褒められた。文章を書くのが苦手だと思っていた私が、スカウトメールを通じて人の行動に影響を与えられたのがうれしかった。

「文章を考えるのってたのしいかも」

たった1,000文字の文章を考えたにすぎないが、このできごとがきっかけで「もっと良い文章を書いて、読者に影響を与える人になりたいな」と思い始めた。

オウンドメディアを作りたくてSHElikesに入会


社内の賞をもらい達成感を得られてうれしかった一方で、私は仕事のやり方に悩んでいた。

当時の仕事のやり方は朝5時に起きてパソコンを開き、会社に行くまでスカウトメールを送信。会社に行ってからも送信。帰ってきてからも23時まで送信。ひたすらスカウトメールを手作業で送り続けていた。当時の会社のスタイルでは、効率が悪く、どうしても長時間労働になりがちになっていた。

「スカウトメール以外に求職者を集客できる方法ってないのかな」

事例を探しながらネットで検索していたときに、マーケティング手法のひとつに「オウンドメディア」があることを知った。

オウンドメディアとは、企業が自社で保有するメディアのこと。主に自社の公式ホームページやブログ、SNSの公式アカウントがオウンドメディアにあたる。

調べていくと、オウンドメディアを活用すれば、より自社に利用してほしいユーザーを獲得できることがわかった。

「オウンドメディアで集客できるようになれば、こんなに朝早く起きて遅くまで仕事する必要なくない???」

早速私は検索魔のごとくオウンドメディアの作り方を調べた。が、専門用語がとても多く、書かれている単語が何を意味しているのかさっぱりわからなかった。

「これ、まずマーケティングの知識を身につけた方が良いのでは……?」

再び私は検索しはじめた。すると、マーケティングが学べるスクールのひとつに、女性向けキャリアスクールのSHElikesがあるとのこと。どうやらマーケティング以外にもいろいろ学べるらしい。

「オウンドメディアを作るのに必要なスキルが学べそうだし、とりあえず入会してみようかな」

ノリと勢いで説明会に申し込み、即日で入会を決めた。こうして私はオウンドメディアを作るスキルを身につけるために、SHElikesで勉強を始めた。

引っ越しがきっかけでライターの勉強を始める


SHElikesを受講してから2ヶ月。SHElikesのおかげでマーケティングの知識を増やすことができた。受講前には知らなかった「4P」や「CV」などの意味もわかるようになった。

だが結果から言うと、オウンドメディアを作ることはできなかった。

会社にオウンドメディアの有効性をプレゼンして上司に「おもしろい試みだね!」と言っていただけたものの、予算の関係で実現が難しいという回答が返ってきた。

正直悔しかった。「私にもっと実力があって、権力のある立場だったらそんなこと言われなかったのだろうか」「今のポジションではなく、自社のちゃんとしたマーケターだったら実現できたのだろうか」と悶々としていた。

一方で、ちょうどこの時期、私はパートナーと同棲をするか否かも考えていた。元々パートナーとは1年間遠距離恋愛を続けていた。結婚を視野に入れていたので、付き合って2年目のタイミングで同棲を考えていたのだが、当時パートナーが住んでいたのは山梨。

東京にいて人事異動でマーケターになれるまで今の会社に残るか、パートナーがいる山梨に引っ越すか。究極の決断が迫られていた。悩んだ結果、私は東京を離れ、パートナーがいる山梨に引っ越す決断をした。それが2021年の4月だった。

退職を覚悟していたものの、幸い会社は
数ヶ月に1回出社のほぼフルリモート勤務を認めていたので、仕事はやめずに留まることになった。

山梨での暮らしはとても充実しており、自然に囲まれた家から富士山が見える経験はとても貴重なものだったと思う。

だけど、なぜかモヤモヤした気持ちが晴れなかった。

「オウンドメディア作ってみたかったな……」
「でも会社をやめずに済んだのだからこれ以上何か言うのはわがままだよな……」

自分の意思で引っ越すと決めたのに、「オウンドメディアを作りたい」という気持ちが心の奥にまだ残っていた。

同時にキャリアにも不安を感じていた。キャリアアドバイザーとして働いていたとき、「年齢オーバーだから」「時短希望だから」「地方に住んでいるから」という理由でお見送りになってしまう人たちを多く見かけた。年齢や環境が理由で、キャリアが閉ざされてしまうのを見るのが苦しかった。

「このままだと社会から必要とされなくなるのでは」

当時24歳の私ができることといえば、人材業界でのすこしの営業経験と、スカウトメールを送れることくらい。キャリアを築くために活かせそうな武器があまりにも少なかった。

このまま歳を重ねるにつれて、人から必要とされなくなることに恐怖を感じた。

「引っ越してもキャリアを途絶えさせたくない」
「転勤についていきながらでもキャリアを続けられる方法はないのか?」

「転勤族の妻 キャリア」と検索しては自分に合いそうな生き方を探していた。

そんなとき、SHElikesでライティング講座があることを思い出した。マーケティング講座を受講してからもSHElikesは続けていたものの、引っ越しでバタバタしていたこともあり、他の講座には全然手をつけていなかった。

「ライターならどこにいてもキャリアを途絶えられず続けられるのかな」
「今後オウンドメディアを作れる機会があったとき、基本的なライティングスキルは必要だよな」

マーケターのキャリアを築くことももちろん考えた。でも「転勤族で転々としながらでも着々とキャリアを築くためには、私の場合ライターの方が合っているのでは?」と当時の私は考えていた。

我ながら浅はかだったと思う。それでも、当時の私はとにかく自分の手札を増やしたかった。自分が必要とされる武器をひとつでも多くほしかった。

スカウトメールを考える中で、私は

「読まれる文章を書きたい」
「表現力を増やしたい」
「もっと良い文章が書けるようになりたい」

と思うようになった。そんな背景もあり、ライティングならたとえ苦しくても頑張れそうかもと思った。

自信がない自分を変えたい一心で、ライティング講座を受け始めた。

SNS経由でライターの仕事を始める

社会人になってから改めて文章を学ぶ機会なんてなかったので、SHElikesのライティング講座はどんな内容も私にとっては新鮮だった。

「Webに掲載する記事ってこうやって書くのか!」
「インタビュー記事の書き方って奥が深いんだな〜」

文章や記事の書き方をひとつ知るごとに、自分のレベルが1あがるような気がした。

初めてライターとして仕事をすることになったのは、SHElikesを受講し始めてから4ヶ月後。何気なくXをスクロールしていたときに、キャリア系のSEO記事が書けるライターを募集している投稿を見つけた。

当時の私はスカウトメールで文章を考えたことはあったものの、SEO記事を書いた経験はなかった。でも募集されている内容を見て、今までの仕事との関連性が高い内容だったことから「この記事なら書けそう」と直感で思った。

SHElikesの課題で書いた1本の記事とともに、思い切ってDMを送ってみた。その後返事がきて、人材会社での経験との親和性が高いことから、一緒にお仕事をさせていただくことになった。

返事をもらった瞬間、心の中でガッツポーズをしながら「よっしゃーーーー!」と叫んだ。拙い文章でも認められたような気がして、とてもうれしかった。

初めてのSEO記事は、リサーチにとても時間がかかってしまった。「この内容なら書けそう」と思ったものの、ヒィヒィ言いながらパソコンに文字を打ち込んでいった。

何度か修正や編集を繰り返し、数日後、初めてインターネット上に自分が書いた記事がアップされた。

初めて書いた記事は無記名だったので、読者からしたら誰が書いたかわからない。それでも、

「初めて自分が書いた記事が公開された」

インターネット上に自分の記事があるという事実そのものがうれしかった。もっといろいろな記事を書きたい、有名なメディアで自分の記事が載るようになりたいと思った。

ライターとしての現在とこれからのこと


前職での経験がきっかけで、未経験の私でもライターとしての一歩を踏み出すことができた。

あのときSHElikesに入会していなければ、あのときDMを送っていなければ今の私はいないだろう。ライターになったことがきっかけで、たとえ自信がなくても、ほんのすこしの勇気があればやりたいことに近づけるんだと学べた。

現在はありがたいことに、SEO記事だけではなく取材記事や採用広報など、さまざまなジャンルで執筆する機会をいただけている。まだまだやってみたいことはたくさんある中で、特にやってみたいことは2つ。

ひとつは、生き方に悩む読者の気持ちに寄り添ったメディアを作ること。

もともとやりたかった「オウンドメディアを作る」という夢はまだ諦めていない。ただ、当時と比べてより一層「生き方に悩む読者に向けたメディアを作りたい」と思うようになった。

キャリアは仕事だけを表すものではない。自分自身が結婚や出産を経験したことで、世の中にはさまざまな生き方があることを知った。

「仕事」にフォーカスした記事を書きたいと思うのと同時に、仕事ではない「なにか」で充実した人生を送る人たちにも焦点を当てた記事を書きたいと思うようになった。

「多様な生き方があることを伝えれば、生き方に悩む読者にほんのすこしでも勇気を与えられるかもしれない」そう思った。

読まれるオウンドメディアを作るためにも、今後はライティングだけではなく、編集やメディアの運営方法も勉強する必要がある。「読者の気持ちに寄り添うメディア」を作るためにも、メディアにまつわる幅広い業務に挑戦したい。

もうひとつは、進学や就職など、夢や進路に悩む学生に向けたコンテンツを作ること。

余談だが、学生時代、私は進路を決めるのにめちゃくちゃ悩んでいた。

「文系理系どっちを選択しよう」
「得意なのは文系だけど、就職先が多そうなのは理系なんだよな」
「そもそも世の中にどんな仕事があるのかわからない」

得意不得意や好き嫌いを考えず、「金銭的に親の負担にならない進路」を選ぶことばかりを考え、自分が本当にやりたいことは後回しにしていた。家庭環境はどうあれ、個人的には同じように考える学生が進路を狭めることなく、やりたいことを選択できる世の中になってほしいと思っている。

そもそも、学生時代にキャリアの大きな選択をする割に、学生の段階で思い浮かべられる職業が少ない。実際私も、教師や医者など普段目にしやすい仕事しか知らなかった。

納得のいく進路を決断するためにも、学生時代にもっと多くの仕事を知る必要がある。そのためにも、進路に悩む学生が「こんな仕事や進路があったんだ!」と気づけるようなメディアを作りたい。

✳︎ ✳︎ ✳︎

3年経とうとしている今でも「自分、文章書くのうまいわ〜」なんて思えないし、「この人の書く文章いいな〜」と思う人はたくさんいる。SNSを見れば3年経たずとも有名な媒体で活躍している人はゴロゴロいる。そんなすごい人たちと比べると「私はスローペースな方だなあ」と落ち込むこともある。

それでも、私はこれからもコンテンツを作りたい。自分に仕事をお願いしてくれる人がいる限り、全力を尽くしたい。読者が「読んでよかったな〜」と思える文章を書きたい。画面の向こうにいる読者の気持ちに寄り添い、読んでもらえる文章を届けたいと改めて思った。

ゆっくりでも着々と、自分のペースでライターの活動を続けたい。


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