強い女性になりたい。祖母と母から影響を受けた月島雫さんが目指す道
今回インタビューしたのは、喫茶店で働きながらライティングを中心にマルチスキルを身につけるため勉強をする月島雫さん。雫さんが強い女性を目指すようになった理由、過去の経験から見つけた生き方をについて伺いました。
祖母が営む喫茶店で働く日々
ーーまずは簡単に、自己紹介をお願いします。
今年で27歳になります。生まれも育ちも関西です。今までちゃんとした正社員になったことはなく、フリーターとして転々といろんな職種を経験しました。今は実家に住んでいて、祖母の喫茶店のお手伝いをしながらSHEを受講しています。
ーー喫茶店で働かれていらっしゃるのですね。
朝8時から出勤しています。モーニングが破格のお店だと思っていて、コーヒーや紅茶などの選べる飲み物、約10種類の野菜とフルーツが入っているサラダ、ゆでたまご、焼いたトーストをつけて全部合わせて400円なんです。
ーー400円はたしかに破格ですね!
食べ終わった方には昆布茶もお出ししています。基本土日は満席ですね。夜は宴会もやっているので、常に満席になることが多いです。常連さんが多いのですが楽しく働いています。
ーー楽しそうな雰囲気を感じます。
私の受け答えも雑というか関西特有の返し方なんですけど、常連さんは昔話やお孫さんの話しをよく聞かせてくださります。旦那さんが亡くなられた方や独り身の方、私が産まれる前からの祖母の知り合いばかりなんですよね。
本名の「ゆうちゃん、ゆうちゃん」と呼んで近況を話してくれます。
ーーどんなところにやりがいを感じていらっしゃるのですか?
祖母の笑顔のためですかね。散々迷惑をかけているので。祖母の笑顔と45年続けてきたこのお店を守りたい一心で働いています。
理想の女性は祖母と母
ーー雫さんは「強い女性になりたい」と聞きましたが、その背景を伺ってもよろしいでしょうか?
祖母と母がめちゃくちゃ強いんですよ。
特に祖母。なにがあっても仕事を休まない人で。もともと大分県出身で、祖父と結婚して大阪に引っ越してきました。当時人に雇われたくないと思っていた祖母は自分でスナックをはじめたんです。まだ昭和初期ですよ(笑)。
でも祖母の母に「スナックなんて恥ずかしい、女がやる仕事じゃない。」と言われたそうで。スナックから喫茶店として経営をはじめました。今も現役で働き、45年間ずっと喫茶店を経営しています。
ーー45年間も……!ずっと経営を続けていてすごいですね。
水曜日しか定休日がないのですが、宴会の予約があると午後はお店をあけるんです。週1の定休日でも休まないんですよ。来てくれるだけありがたいと言いながら働くので。仕事に生きている人なんですよね。
母も自己肯定感が高い人なんですよ。自分のできるできないをはっきりわかっているのですが、他の人にできて私にできないわけはないと思っている人なんです。できないことでも挑戦して、やらない後悔よりもやる後悔みたいな。我が道を行くスタイルなんです。
そのなかで生きてきたので「すごい人たちに囲まれているな」って感覚はありますね。私の家族の女性たちはマインドが強いんです(笑)。
ーーたしかにお話を伺っていてみなさん強いマインドを持つ印象を受けました。
今ってお金がほしいより、帰りたいから残業したくないと思う人も多いじゃないですか。でも母は「お金を稼げるから残業しよう」とそもそもの基準が違うんです。そのマインドは見習いたいと思いますね。凝縮された強さみたいな。
芯があるからこその強さを持った人たちだなと思っています。祖母や母のように強い女性になりたいです。
使命感に駆られていた学生時代
ーー学生時代はどのように過ごされていたのですか?
小学2年生になる前に親が離婚して母子家庭になりました。祖父母がいたので授業参観に祖母が来ることもありましたが、まわりは母親が来ているのになんで?と当時は思っていました。母親のために頑張らないといけないなと子供のころから思っていましたね。
弟が1人いるので「長女だから」「お姉ちゃんだから」と、母親を支えていかなければいけない使命感に駆られていました。
働いている母親をずっとみてきましたが、泣いているところをほとんど見たことがないんです。母親を楽にさせるためにいい学校や会社に入らないといけないと小学3年生から思っていました。
ーー正義感が強かったんですね。
でも高校生になる前に新しい父親ができて。高校に入学してからは新しい兄もできました。その瞬間、「今までなんのために勉強してきたんだろう?もうなにもしなくていいや。」とぷつんと糸が切れてしまったんですよね。堕落した生活を送るようになり、高校も行かなくなって中退しました。そこからフリーター生活を送っています。
ーーなるほど。書くことに興味を持ったきっかけは学生時代でしょうか?
高校生のときですかね。ブログやホームページが流行っていて誰もがひとつは持っていた時代だったので、そこでつらつらと文字を書いていました。当時、家庭環境も荒れていて学校にも居場所がなかったのでインターネットが拠り所でした。
そのときに、とある人とインターネット越しに出会い、その人の書く文章に惚れたんですよ。もちろん、その人のことも好きになって、今では10年も初恋で片思いしています。
そこで、その人みたいに誰かを救えるような文章を書きたいと思ったのがきっかけかもしれませんね。
喫茶店で働いているときにSHEと出会う
ーー現在は喫茶店で働きながらSHEで勉強をされているとのことですが、どのような経緯で入会されたのですか?
実は前職のベンチャー企業でアルバイトとしてコンテンツディレクター補助を担当していました。このタイトルや見出しで内容を書いてくださいとライターさんにお願いする仕事です。執筆の手が回らないときは写真選定やSEO対策、キーワード選定もやっていました。
本当はその会社で正社員になりたかったのですが、ヘルニアになり辞めざるを得ない状況になったので退職しました。
アルバイトを辞めて喫茶店で働いていたある日、SHEのインスタ広告でライティングを学べるという文字を見つけたんですね。
私のなかでは「ライティングが学べるってどういうこと?」「ライティングって学ぶものなのか?」と正直思っていたんです。
でも読み進めていくなかで、ライティング以外にもWebデザインやカメラも学ぶことができると書いてありました。興味あるものが全部あって「これは入れということなのか?」と感じました。
早速入会しようと思ったのですが、貯金がなかったので祖母や母に相談しました。交渉を重ねていくうちに「月々返してくれるなら」の条件でなんとか入会できました。だから借金をしながらの入会なんです。
ーー実際SHEに入会して新たな発見はありましたか?
ただ自分で文字を書くだけではだめなんだなと思いました。ペルソナもそうですしインタビュー記事なら誰に届けたいのか。なにを届けたいのか。どうすれば届くのか。明確なゴールを決めるのが難しかったです。
今まではエッセイが多く、感情の赴くままに書いていました。こう感じたからこう書くみたいな。書いた文章を誰かが共感してくれたらラッキー!と。今まで考えなかったことを考えて書くことが私にとってはすごく難しいと感じたんです。
そこで、シーメイトさんに取材やインタビュー、執筆、編集などいろいろ手掛けている方がいたので「私の書いた文章を校閲してくれませんか?」「構成をみていただけませんか?」とお願いしました。
ーーどんな記事を添削してもらったのですか?
現在noteで企画している「羽を持ったわたしたち」の記事です。シーメイトさんたちの今を記録するインタビューマガジンで、シーメイトさんに届けたいと書いているマガジンになります。
前職では誰よりも記事の質がよかったと言われていたんです。編集、執筆、企画案に対して社員さんが評価をつける制度があったのですが、全部100点だったんですよね。何ヶ月か連続で。
社員さんに記事の質について相談したこともあったのですが「なんの問題もないですよ。今のまま続けて。」と言われました。
でもSHEに入り文章を添削していただくと、赤がついて返却されました。会社のなかでよくても一歩外に出ると話が違うんだなと。上には上がいるんだなと知ることができたので、下を向いている暇はないなと思いましたね。
ーー実際に添削してもらったり下を向いている暇はないなと思ったり、雫さんはとても前向きに行動に移されていますよね。
Twitterもやっているんですけど、たまに自分の投稿は誰も見ていないんじゃないかと思うことがあるんです。でも、シーメイトさんにリプライをしたときに「雫さんの言葉届いていますよ。」「雫さんっていつもシーメイトさんに愛あふれる言葉を送っていますよね。」と言われるとああ、ちゃんと届いているんだ、よかったと。
正直、マガジンをはじめたときも「私なんかが恐縮で申し訳ないんですが……。」と泣きそうだったんです。でも行動しなければなにも変わらないじゃないですか。口だけじゃ意味ないなと思って。行動に移さなければフィードバックもいただけないですし、なにもできないなと思ったのではじめました。
書くことで人を助けたい
ーー最後に、今後の目標を教えて下さい!
マルチなスキルを身に付けたいです。とにかくSHEのコースを網羅したいですね。ライティングだけではなくマーケティングやブランディングも学びたいですし、Webデザインも卒業製作まで進めたいです。
他のキャリアスクールに見学にいったことがあるんですけど、Webデザインだけでも35万円するところがあるんですよね。SHEは他と比較すると安いですが、金額だけでみると決して安くはないじゃないですか。お金分を吸収したいというか。しっかり握りしめたいというか。今後の人生生きていくために、ちゃんと回収して稼ぎたい思いはあります。
あとは書くことで人を助けたいです。友達や恋人にも言われるのですが、自然と困っている人を助けることが多いんです。でも私にとって人を助けることは当たり前のことで。私も困っていたら助けてもらいたいですし。
以前目が見えない人に声をかけたのですが、「貴方は今までの誰よりもわかりやすいし優しい人だ。」と言われました。仲がいいシーメイトさんがいるんですけどその方にも「雫さんって本当に優しいですよね、それを想像できる人ってなかなかいないですよ。」と言われたことがありました。
優しさって想像力だと思うんです。想像できなければ優しくできないよなと。想像できる人が少ないから世間は優しくない人が多いんだと言われたことがあり
「想像できる雫さんはすごいですよ」と言われ、今は「それが自分の長所なのかな?」とちゃんと自分を認めてあげるようにしています。
私も小中高といじめられずっと境界性人格障害を患ってきました。生きるって疲れるなあと日々思っています。でも、今後は自分と同じような人を助けていきたいと思っています。
今は別の方向性でマガジンを書いていますが、いずれは人を助けられる文章を書いていけたら良いなと思っています。
ーー応援しております!本日はありがとうございました!
今回雫さんの話を伺い、家族との関わり方や相手を思いやることの大切さを改めて考えさせられました。自分が「こうしたい!」と思ったことに対して行動していく姿勢に対しても非常に勉強になりました。
また、インタビューをしていて印象的だったのが雫さんの話し方。優しさを持ち合わせながらも内に秘めた強い意志を感じました。
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