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ありたい自分であるために。6回転職を経験しただーやまさんが辿り着いた働き方とは
今回インタビューしたのは、産業カウンセラーや国家資格キャリアコンサルタントの資格を持ち、『じぶん会議サポーター』として活躍するだーやまさん。なぜ産業カウンセラーやキャリアコンサルタントを取得しようと思ったのか。さまざまな雇用形態を経験しただーやまさんが働くなかで学んだこと、『じぶん会議サポーター』をはじめた理由を伺いました。
1981年生まれ。香川県出身。正社員・派遣・バイト・パート・ニート・専業主婦・フリーランスと多種多様な働き方を経験。産業カウンセラー、国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ。独自のサービスとして『じぶん会議サポーター』をはじめる。
Twitter:@Da_yama_Da33
MOSH:https://mosh.jp/da-yama33/home
心理学とキャリアに対する興味
ーーまずは簡単に、自己紹介をお願いします。
うどん県に生まれて18歳までそこで住みました。香川県にいた当時はうどんが嫌いでした(笑)。冗談みたいに食べるから食べあきて。うどんが嫌いだった10代を過ごしました。
大学から大阪に出ました。16年くらいいたので第二の故郷です。文学部に進学しました。進学するのに心理学部と文学部でそれぞれ第一志望と滑り止めを受けましたが、心理学部の第一志望に落ちたので。
卒業してからは1年間営業の仕事につきます。カタカナで通称「エウリアン」と呼ばれている仕事なんですけど、絵を売る仕事です。絵画販売。言い方が合っているかわからないんですけど「デート商法」なんです(笑)。
大きい会場で展示会をやるんですけど、街角に出て交差点に立っている若い男性に声をかけて「一緒に展示会いきませんか?」と誘導して絵を売りつける仕事でした。
ほとんど家に帰れないくらい全国ずっと転々としているんですよ。ずっとホテル暮らしで。新卒でそんなところに入ったので、家に帰りたくて帰りたくてしょうがなかったんですよね。「結婚するんで辞めます。」と言って1年で辞めました。
次の職場では、営業を回避するために事務職につきました。15年以上事務職です。転職回数が多くて、全部で6社くらい変わっています。1番長いところは8年いました。
8年勤めるなかで主人の転勤があり、私が勤めていた会社もちょうど神奈川に本社があったので2人で関東に移住しました。それが6年前の話です。
6年の間でも3つくらい仕事が変わっていますね。転職だらけの人生を歩んでまいりました。今は、巡り巡って業務委託で営業の仕事をしています。副業として趣味の延長で「じぶん会議サポーター」の活動をやっています。
ーー産業カウンセラー、キャリアコンサルタント両方の資格を取得されていらっしゃいますが、取得しようと思った理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?
産業カウンセラーを先に取得しました。産業カウンセラーの資格を取ろうと思ったときにいた職場が神奈川に転勤してきてすぐの本社の部署でした。
異動先にちょうど空きがあってラッキー!と思っていましたが、蓋をあけてみたら自分にとっては地獄みたいな日々だったんです。
異動先のことをよく知らなかったことが1番大きいミスでした。ミスとあえて言ってしまうんですけど。定時で帰れて有休はちゃんととれて条件はものすごくホワイトなんですよ。
でもあまりにも毎日に変化がないし、お昼ごはんはみんなで一緒に食べなきゃいけないし、休まる場所がないというか。牧場のなかに犬一匹みたいな、別の生き物が入っていったみたいなアウェイな感覚でした。
異動じゃなくて転職活動をしていたら違う人生になっていた可能性があるよな、キャリアについてもう少しちゃんと考えないといけないなと思ったんです。自分の可能性を探そう、資格を取ろうと思ったんです。そしてここから抜け出そうと。
そこで産業カウンセラーの資格に出会いました。キャリアや生きるについて正しい知識を得たかったんです。自分がキャリアに悩んだ経験と心理学の分野でカウンセラーをやってみたい思いがあったので、産業カウンセラーを取得しました。
ーー心理学にも興味があったんですね。
ミーハーな理由なんですけど、学生の頃に「FBI心理分析官」という本が流行ったんです。「プロファイリング」って言葉が刑事ドラマでもでてくるんですけど、プロファイラーがいてFBIの心理分析官が有名な連続殺人犯の心理を分析するんです。
実際に会いに行ってインタビューをして、なぜ連続殺人が起きるのかを探っていくんですけど、それを興味をもって見ていました。
人間の心理ってすごい奥が深いんだなと思ったんですよね。解明も全然されていないだろうし、話していてもお互いの心理って全くわからないじゃないですか。話している言葉や表情はわかりますけど。心理に浮かんでいるものが見えないところに興味をもったんです。
もう1つは物語を書くのが好きだったんです。書くときに1番重視しているのが登場人物の心の動きなんですよね。たとえば角で女の子と男の子がぶつかって恋が生まれる……みたいなのあるじゃないですか。そのときに「恋がはじまる心理ってどういうことなんだろうか?」と考えるんです。
ぶつかったときにふわっと香ってきた香水の香りや髪のふわふわ揺れる感じが印象に残ったところから恋が始まると考えたときに、最初は揉めていたけれども好きと自覚していく過程で香りやふわふわの印象が出てくるんじゃないかとか。
当時から心の動きに興味があったんですよね。緻密に書くことで読み手からしても登場人物に感情移入できるし、読み応えがあるものができるんじゃないかと感じていて。犯罪心理学と物語の2つに興味をもったからですかね。
ーー資格を取得したことで変化はありましたか?
産業カウンセラーの試験勉強したのが人生で1番勉強したと思っているんですけど、キャリアに対する見方が変わりましたね。主体的に選ばないといけないこともそうですし「自分はどういうことをやりたいんだろうか」と深堀りをして自己理解が始まったんですよね。
そして産業カウンセラーがきっかけで知識をもっと得たいと思い、キャリアコンサルタントを取得しました。
ーー産業カウンセラーの資格取得は人生のターニングポイントだったんですね。
座学で学んだんですけど、グループで助け合って勉強し合う空間もありましたし、そのときの人たちは今でもつながっているので大きかったですね。
文学部にいきましたけど心理学への興味はずっと根底に流れていて。地下水脈みたいに。支流が本流にぶつかった感じですかね。ようやくここにつながってきたんだなと。
仕事に対する価値観の変化
ーーだーやまさんは様々な雇用形態で働かれていましたが、そのなかで感じたことはありますか?
2つ目の会社をやめたあとに旦那さんの収入で100%生活していた時期があって。ようするにしばらくニート期間があるんですけどニートは忍耐力がいると思いました。
3年くらいニートしていたんですけどだんだん旦那さんから無言のプレッシャーが出てきて(笑)。ニートを続けるにしても忍耐力がいるんだなとやむをえず働きはじめました。
まずは徐々に慣らすためにパートの仕事をはじめました。昼の3時に出勤して8時までの5時間で働いていました。朝が苦手で起きるのが嫌だったんです(笑)。
休憩なしで5時間電話をかけ続ける仕事だったんですけどだんだん「5時間働けるなら8時間働けるんじゃないか?」と思いはじめました。
扶養に入っていたので上限があり、それ以上収入が得られない自分に疑問を抱きはじめたんです。頑張ってもこれだけしかもらえないのかと給料明細をみたときに、「もうちょっと頑張れるのかもしれない」と思いました。
次に派遣を経験するんですけど、最初に入った会社は楽だけど暇だったんですよ。正社員は忙しそうなのに。「やることないんですけど……。」と1日に3回くらい聞いていました。結局5ヶ月くらいで辞めました。
そのときに、雇用形態によって仕事の線引きがあり仕事の振り方が違うんだと経験しました。もっとやりたい人にとっては物足りない職場があるんだな、あまりにも暇だと死にかけるんだなと(笑)。
でもその後また派遣を経験するのですが、そこは「派遣さんは派遣さん」と悪い意味ではなく「あとは社員がやりますんで。」と責任の所在をはっきりさせるところでした。
そういう働き方ができるなら派遣も決して悪くはないんだなと思いました。昔ほど「正社員になれないから派遣」ではなく「派遣を目指していく」というか。「派遣がちょうどいい」働き方もできるんだなと感じました。
そのときに必要な働き方で良いんじゃないかなと思います。「今の私は派遣の働き方でちょうどいい」「もうちょっと正社員で働いてお金貯めようかな」と選べるようになってきているなとは感じています。
ーー今は働き方も多様化されてきていますしね。現在は本業では営業をされているとのことですが、再び営業にたどり着いた経緯は?
今年の5月に前の職場の事務職を辞めたんですけど、辞める少し前の2月から副業で営業の仕事をはじめました。きっかけはTwitterで見つけた勉強会に参加しているんですけど、主催者の1人に営業職の方がいたので「営業職」について理解を深める機会があったんです。
そのときの勉強会で目から鱗が落ちました。ずっと最初の1年間の営業の記憶があまりにも鮮明で、嫌で、営業は私の人生で今後一切無いだろうと思っていました。いろんな人から「営業に向いている」と言われてきましたが、自分のなかで蓋をしていたんです。
でも、営業職ってそんなに苦手意識がないかもなと思いはじめたんですね。営業職っていろんな種類があって実はちょっとおもしろい職種なのかもしれないと。
いろいろつながってきたときに声をかけてもらいました。Facebookで。「『セミナーや研修をやりませんか?』と声をかける仕事なんだけどよかったらこない?」と言われ「ちょっと試しにやってみようか。」と思ってはじまったんですね。
だから意識改革があって営業に戻ってきたんです。この意識の変化は自分でもおもしろいかなと思っています。
ーー営業に対するイメージはどんなところで意識改革があったのですか?
1番変わったのは、追いかけるだけが営業じゃないんだとわかったのが大きいですね。
新卒で入った会社はゴリゴリの営業で数字目標があって、絶対達成みたいな。
ノルマを達成するのが当たり前だと思っていたんですけど、勉強会で聞いた話では営業は新規営業や飛び込み営業だけではなく、お問い合わせがあったお客さんを対応するのも営業なんです。
もう1つ自分のなかでおもしろい、合うかもしれないなと思ったのが提案営業で。
お客さんの困り事やご要望をお伺いして「こういう商品はどうですか?」と提案してすり合わせをしながらその人にとって本当に必要なもの、1番最初に言われた商品だけじゃなくて「もしかしたらこういうものもあったほうがこの人にとっていいかもしれない」と提案をよりよいところに持っていける営業のかたちがあることがわかったんです。
キャリアコンサルティングに共通するところがあるんですよね。ニーズを探ってどういうところが課題でつまっていて、何が必要かを一緒に探していく作業になる。それが直接的に自分の利益にもなるところなんですよ。
営業ってそういうところがあるんだと気づけたのが1番大きいところでしたね。昔のガチガチの営業だけではないと気づけたところが良かったです。
「ちょっと相談」で利用する「じぶん会議サポーター」
ーー現在仕事と並行して取り組まれている「じぶん会議サポーター」はどんな活動なのでしょうか?
このご時世オンラインになってコミュニケーションをとることが少なくなっているなと思うんですよね。1人で考えているとけっこうもやもやぐるぐるすると思うんです。
イメージとしてはアイディアの壁打ちが近くて。整理をつけたいことってけっこうあるじゃないですか。そういうものをぶわーって並べてみましょうよと言って「私はその人がサポートしてほしいことをサポートします」と伝えます。
「お話を聞きますか?それともなにかアドバイスしましょうか?」とまずは選んでもらいます。話したいことを話してもらって、私が聞いて感じたことを「外側のあたま」としてフィードバックしていくやり方です。
1人でもやもやぐるぐるしていることを外から見てつっつきにいく感じですね。「そこどうなんですか?」「そういう考えさっき出てきましたけど違いますか?」とか。
ーーたしかに思考を整理したい内容ってありますね。需要があるように感じます。
資格もあるし研鑽もしているので「安心して話してもらっていいですよ」のところを今後は作っていきたいと思います。まだ本サービスではないので余地がたくさんあるんですけど。そんな感じでサポートさせてもらっています。
ーーじぶん会議サポーターをはじめた理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?
キャリコンを今年の1月に取得したけどどうしよう……と思っていたときに、スモールビジネスを作る会に参加しました。そのときに「自分がやりたいことや商品化したいことはなんですか?」と言われて。
自分がほしかったサービスなんですよね。自分が1番誰かに相談したくて、どう思う?と聞きたいことがあって。そういう人がいてくれたらいいなと思うじゃないですか。
ガチガチにこの日にキャリアコンサルティングを受けたい、面談を受けたいじゃなくてちょっと相談したいときに「だーやまさんがいるじゃん!」と使ってもらえたら良いなと思うんです。
私のなかでは「誰にきけばいいんだろう?」「とりあえずどうしていいのかわからない」方が来てもらえるんじゃないかなってイメージです。「どうぞ、私でよければ」って感じです。
ーー専門家にきく前に整理する場みたいなイメージでしょうか?
そうですね。整理をするのも答えを出すのも自分だし。私は前に一歩進んでもらえるように「これいいんじゃないですか?」「あれいいんじゃないですか?」という人。
「こんないいところありますよ」といいところを絶対1つ持って帰ってもらうのがお約束なので、プラスのフィードバックを必ずしますし、自分が悩んでいてうーんってなっていたことが「はっ!なるほど!その手が合ったか。できそう!」と思えるようになって帰ってもらう感じですね。
ーーなるほど。ぜひ本サービスになってほしいです!
ありがとうございます!技術があるキャリコンさんなんて山ほどいますし、レベルが高いキャリコンさんはもっといると思います。その人たちのほうが当然専門性のあることもお伝えできると思います。
でもそうじゃなくて、私のところにわざわざ来ていただくためにはもっと自分の世界観のプロデュースやちゃんと自己紹介をしていかないといけないと思っています。それが今の課題ですね。
1つじゃない肩書きで仕事をする
ーー最後に、今後の目標を教えて下さい!
あんまりかっこいいことは言えないんですけど、肩書きを1個にしたくないんです。
自己紹介をするときに「◯◯会社にいて◯◯をやっています」と紹介するじゃないですか。
私は自分を肩書から語るのがすごく嫌で。会社名から言うのってなんでだろうと思っていました。わたしはわたし、「だーやま」という人間で仕事ができるようになりたいですね。
気に入って自己紹介に使ってる言葉で「マルチポテンシャライト」があって。いろんなものに興味をもってそれまで培ってきたものを応用していくと可能性は無限大、可能性しかないみたいな。
実績が必ずしもつくわけではないんだけども何でもやってみたい、1つのところにとどまりたくない自分がいます。いろんなやっていること全部でご飯が食べれるようになったらいいなというのが理想です。
楽しみながらやっていることがそれぞれ飯のタネになっている状態が1番理想だなと思っています。
ーー応援しております。本日はありがとうございました!
今回だーやまさんの話を伺い、過去の興味や自分が感じた心の声に耳を傾けることで自分らしい働き方を見つけることができると学びました。
どんな経験でも自己実現を叶えるためのヒントは眠っています。自分らしい働き方を模索している方はまず「自分がどんなことに興味を持っているのか」「自分にとって何が大事なのか」を洗い出すことによって働き方の選択肢が広がるのかもしれません。
現在なにかもやもやを抱えている方は、ぜひだーやまさんの「じぶん会議サポーター」を利用してみてください。
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