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キンモクセイ ト カオリ③


僕が初めて
カオリと会った日の事は
断片的にしか覚えていない。


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バス停の横にあった
金木犀の香りと
そこに立っていた
初めて会った女性。


僕は唐突に

「金木犀の香り好きですか?」

と聞き
自分の乗るバスが来て


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「明日ここで、この時間に持っています。
 もう一度あなたに会いたいです」



そう言ってバスに乗り込んだ。
今考えると、とんでもない話だと思う。

僕は初めて会った彼女に
20年間生きてきて感じたことのない

初めて

が何か分からずパニックになっていた。
例えるなら
頭の中が

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子供の頃好きだった
口の中でパチパチはじける
飴のような感じになっていた。


その後の事は
記憶があやふやなので
カオリが後になって教えてくれた
内容と合わせて
話したいと思う。



これが僕とカオリの出会いだ。





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