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FAUSTが作ったNIKE SB DUNK HIGHとスケボーがアートな理由の話。

NIKE SBから、ニューヨークのグラフィティアーティスト FAUST(ファウスト)とのコラボレーションDUNK HIGHが出る。

FAUSTのことは、詳しくは知らないのだけど、作品は、グラフィティの写真集やネットで見たことがあった。グラフィティアートの世界では、めちゃくちゃ有名な人だ。これまで、NIKEやTiffany & Coとも仕事をしたりしている。

個人的には、FAUSTのタグのシアー(かたむき)加減がカッコ良くて好きだ。きっと膨大な実践と研究から見つけ出した角度に違いない。じゃないと、単色で描かれた文字が、こんなにカッコよく感じられるわけがない。FAUSTいわく、「the devil is in the details.(悪魔は細部に宿る)」だ。

the devil is in the details.は、スケートボードにも通じることだと思う。同じトリックでも、人それぞれに違いがある。特に、スケボーで飯を食っているスケーターは、トリックの細部にまでこだわっている。人によっては、手の指の形まで気にすると聞いたことがある。俺が、大会での一発勝負的なスケートより、フルパートビデオが好きなのは、その細部へのこだわりを感じられるからだ。何度も同じトリックを撮影し、何度もプレビューをチェックして、納得行くまでトライする。ただ単にメイクしているだけでは、一流になれないのがスケートボード。これが、スケボーがアートだと言われる最大の理由だと思う。

街で生まれ、はみ出しものたちが磨き上げてきたという点では、グラフィティもスケートボードも、とても似ている。ただ生きているだけなら、こだわる必要がないことにこだわるところも似ている。大きくて有名な企業やブランドが、はみ出しもので、犯罪者かもしれない彼らを広告に使う理由はなんだろうって考えてみたら、やっぱり、どちらも「カッコ良いから」なのかなと思う。それじゃあ、カッコ良さってどこにあるんだろうなと考えてみたら、細部へのこだわりと書いたばかりだった。

FAUSTがNIKE SBの20周年を祝う特別なDUNK HIGH。大きなゴールドとブラックのタグが特徴的だけど、実は、見えない所にもFAUSTのアートが描かれている。小さなドリップひとつも刺繍で仕上げるこだわりよう。

高級なブラックレザーとベルベットの履き口も相まって、本当に悪魔が宿ったようなDUNK HIGHになった。8月27日発売。


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