見出し画像

Good night ~ 7夜:第1回寝床会議~

これまでのGood night

ーーーーーーーーーーー

《昨晩のこと》

 全てはひとつの曲から始まった……。曲の名は『Good night』。噂によるとその曲を聴くと眠気が無くなるという。そう……睡眠を取る必要がなくなるというのだ。

 僕は半信半疑でテスト期間中に「Good night」を聴いた。結果、僕はテスト期間中に一睡もしなかった。問題はその後。テストを終えて「Good night」を聴かなくなった僕を待っていたのは……

 明けることのない夜だった。 

 その日から僕は一睡もできなくなった。睡眠薬まで服用したがまったく効果がない。我慢の限界が訪れ、僕は大量の睡眠薬を口にしようとした。その時……。影から手が伸びてきて掌いっぱいの睡眠薬を握りしめるの僕の手を止めた。

 はじめは驚いたが、影は言葉を話し、会話もできた。どうやらこの影は僕に危害を加えるものではないようだった。

 影に驚いた音を聞きつけ、母が僕の部屋へとやってきた。母から逃げるために、僕は影の力を借りて窓から飛び出した。手と足を覆うようにして、僕にとりついた影はまさに漫画の世界の様な力を僕に与えた。

 僕は影の力を借りその晩、日が昇るまで街中の建物の屋根から屋根へと跳び回って超能力を楽しんだ。一晩中街を跳び回った僕は最後に自宅があるマンションの屋上から日の出を見ることにした。日の出が訪れたその時、僕の目から涙が溢れてきた……。

 影いわく「先ほど自ら命を絶とうとしたのに平気でいられるわけがない。アドレナリンで誤魔化していた緊張が一気に現れたのでしょ」ということだった。僕は日が昇ってくる間ずっと涙を流し続けた。

 涙が治まった時に僕はあることを提案する。それは影に名前を付けるトいったものだった。影は大喜び。僕は真剣に影の名を考えそしてこう名付けた……。「カゲロウ」と!

 そして僕は日の出を見終えて、カゲロウの力を借りまた自室の窓へと跳んでいった。

《現在》

 部屋に戻った僕は取り敢えずベットの上で横になっていた。やはり、眠ることはできなかった……。「それでも! 横になるべきです‼」とカゲロウが強く指示したので仕方なくそうしていた。

 その間に気付いたことがあった。どうやらカゲロウとは言葉を交わさずとも会話ができるようだった。つまり、心の中で会話ができるのだ! 『こ、こんなこともできるとは……! やはり、明さまと私は深いところで繋がっているのですね‼』とカゲロウがあまりに激しく感動していたので、軽くひいてしまった。

 布団の中でカゲロウと作戦会議を開いた。まず何をやるべきなのかを2人で話し合った。その結果。まずは原因を探ろうということで話がまとまった。

 『Good night』の謎を解く

 第1回寝床会議がまとまったところでちょうど、学校へ行く時間になっていた。

 そして僕は無駄に温まった布団を蹴り上げ。学校へと向かう準備を始めたのだった。


【続く】⇒2章へ

読んでいただいてありがとうございます。面白い作品を作ってお返ししていきたいと考えています。それまで応援していただけると嬉しいです。