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うつ病だったときの話でも聞くー?

23歳のときにうつ病を患って半年ほど寝込んでたんだよねえ。

ひとりでいるとものすごい恐怖に襲われるので人の声が聞きたくて、ドラマとか落ち着いたナレーションのテレビ番組とか点けて、見るでもなくずっとテレビの前でうずくまっていたなー。夜はひとりでは寝られなくて、母親と一緒に寝てもらって、生活音のある実家で朝から晩までずーっと寝てた。
父親にはタダ飯喰らいと怒鳴られたり殴られたりもしたけど何も感じないし、母親がずっと献身的に付き添ってくれたので居心地は悪くなかったよ。

寝込んでいる間は心が空っぽになっているのが恐ろしかったな。普段はいろんな興味関心で心がいっぱいになっているし、頭の中で考えた言葉も胸に貯まっていくのに、底が抜けたみたいに心を素通りしてどこか暗闇へ落っこちていくのよ。井戸に小石を投げ込んだはずなのに何の音も返ってこない時のような不気味な空虚感がずっと心にあった。

言葉や感情が心に貯まらないから何を感じたかも覚えていられなくて、でもこの恐怖だけは忘れずに持っていようと思って、何度も何度も「底が抜けたみたいだ」「空っぽだ」と心のなかで呟いたり、真っ暗闇の井戸に小石を投げるイメージを描いたりした。


起き上がれるようになってからはずっとワンピースを読んでたな。理由はよく覚えていないけど、たぶん感情を心に貯めたかったんだと思う。おかげで既刊すべて読み終わった頃にはまあまあ元気になれたので、ワンピは命の恩人だと思ってる。

早く社会復帰したかったので半年ぐらいでアルバイトを始めたけど、顔色悪いから採用もなかなか決まらないし、受け答えは普通にできるようになったのに人前で文字を書こうとすると手が震える現象がしばらく続いたので、領収証書くのに苦労した。

うつ病から復活したときに強く決めた事があるんだ。
「もう我慢はやめよう。どっちのケーキを買うか迷ったら両方買おう」
いっぱい自分を甘やかして我が儘に振る舞うんだ。

うつ病の特徴で今まで興味があったものに関心が持てなくなるというのがある。全国ツアー追っかけたり考察したりコスプレしたり皆で歌ったりファンレター送ったりした、大好きなあのグループのことも憑き物が落ちたように関心が持てなくなってしまった。とはいえ今でも第二の故郷だと思っているし曲を聞けばハマり直せる気がするけど、そういう気にもなれなくって。とゆか、ファン活動に空白があるせいで出戻りしづらいんだよな…。

自分に素直に甘やかすことを信条に据えたことや推しから卒業した以外にも色々と変わって、なんだか急に俯瞰で世界を見られるようになった気がするな。自分への執着も手放しちゃったんだと思う。だいぶ自分に無頓着になったけど、理想の自分に向かって進めているからヨシ。

うつ病を患った経緯や傷病中は大変だったけど、壊れて消えるシャボン玉メンタルと引き換えに強大な闇のパワーを手に入れたのだから、今から思えばうつ病も必要なイベントだったと思っているよ。


ここから先は余談だよー。
私も冗談半分で話しているからね、ネタだと思って聞いてね。

23歳のときに住んでいた部屋、当時はまったく気にしてなかったけどヤバかったんだよ。たとえば部屋の中、天井のほうから「おい」と男性の声がしたのを当時の彼氏も一緒に聞いていたり。寝ているときに耳元で「起きろ」と起こされたり。浴室にやたら虫が湧くのでめっちゃ掃除したらバスタブの下から絨毯みたいになった長い髪の毛の塊がごっそり出てきたり。ご近所で全国ニュースになった殺人事件(未解決)が起こったり。

その前は同じ町の別の場所に住んでいたけど、そこもそこでゴキブリよく出たし、しょっちゅう規制線くくって帰宅してたし(なにがあった)、家の前で発砲事件起こったし(窓開けてたら死んでたかもな)、そもそも大家一家が発狂して怒鳴り込んでくるぐらいにはイカれてたし(チェーン掛けずにドア開けてたら死んでたかもな)。

いつだったかSNSで「ヤバイ部屋に住んだ」「声がする」「大病した」という話を読んだので、既視感あるなーと思ったんだよ。
たまたま一番ひどい生活を過ごした時に住んでいた部屋だと思っていたけど、もしや、その部屋その町に住んでいたからひどい生活だった説もあるのかな。

今は別の町に住んでいるし、引っ越してからはめっちゃ元気だし変な人も居ないので平和だよー。だから余計に「あの町何だったんだよ…」とは思う。

ま、信じるか信じないかはあなた次第!

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