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【エッセイ】愛情を注いだニワトリを絞めた話

以前投稿した漫画のエッセイ版です。漫画よりも出来事を詳細に書いています。もし読んでくださる方が一人でもいたら、今後も書き続けます。

5月13日

お寿司を食べながら、ご近所さんが飼っているオスのニワトリ2匹をそろそろ絞めようかという話になった。
性別がオスだとわかって数週間。
ヒヨコが生まれた時からオスなら絞めると飼い主は決めていた。
もともと卵を食べる目的で育てていたのだ。オスは卵を産んでくれない。
だから愛着をもたないように、最初から名前をつけていなかった。

だけど。3ヶ月も、それも卵の時から育てていたら、どうしても可愛く思えてしまう。

エサ欲しさに飼い主の後ろをついてまわったり。雨の日は軒先で雨宿りしたり。犬や猫とも違う、人に媚びない素直な可愛さがニワトリにはあった。

毎朝4時になると2匹は鳴き出す。まだ生まれて3ヶ月しか経ってないからなのか、「ほへほっほ〜」と変な声で鳴く。私は布団の中でいつも「がんばれ、がんばれ、あ、昨日より上手に鳴いてる!」と思いながら2匹の鳴き声を聞くのが好きだった。

鳴き声が変でも、立派なオスで、メスの鶏に交尾をしかける。
交尾のストレスなのか、定かではないが、メスのニワトリはある時から卵を産まなくなった。

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