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「株主視点だけに立つ」という縛りで、合宿をやってみました。そこから得られた気づきとは?

こんにちは。RELATIONS代表の長谷川です。
少し秋も深まってきた金沢へ行き、おそらく創業以来初の株主視点縛りの合宿を実施してきました。今日はそのことについて綴っていきたいと思います。

合宿の概要

まずは、今回の合宿のテーマはこちら。

「普段の業務からは完全に離れて、株主視点にどっぷりと浸かりきる。
 そして、そこから何が見えるか?」

参加者は、株主である社内メンバー5名。ホラクラシーにおいて株主は「シェアホルダーロール」として役割を定義されています。

株主と通常業務の両方を担っており、境界線が存在しない状態になっていることが、今回の合宿開催に至った大きな要因だと思います。社内の対話のなかで浮かび上がっていた「本当の意味での株主視点に、誰が立てているのだろうか?」という問いがメンバーの中でグサッと刺さりました。ならば、やってみよう。ということで企画されたのが今回のテーマと場ということになります。

メンバーたちのスケジュールが中々合わず、ちょうどスケジュールを確認すると、株主メンバーも参加するRELATIONSの公式バンドのポワソンズが金沢のjazzフェスに出演決定しているとのこと。そのメンバーも含めて全員が金沢なら集まれるということで、その場で盛り上がり、石川県の加賀温泉にて合宿を開催することになりました。

株主視点にどっぷり浸かろう。そして、温泉にもどっぷり浸かろう。
韻もうまく踏まれていますね。(笑)


ライブ中のポワソンズ。以前より数段レベルアップしていてビビりました。
ポワソンズの熱気が伝播してか、秋なのに真夏の気温(笑)

そんな合宿で扱った主なトピックは3つ。

①  RELATIONSにおける株主とは何か?
②  RELATIONSにおける、株主と経営の違いは?
③  株主視点から、いまのRELATIONSへ伝えたいことは?

各テーマが中々カロリー高めではあるのですが、1つずつ時間をかけて対話を進めていきました。それぞれについて少し説明をしていきます。

① RELATIONSにおける株主とは何か?

対話を進めるにあたり、まず私たちはある定義を決めました。

RELATIONSが考える株主は、「パーパスを深く探求し、現実社会でありありとそれが表現できるよう、火を見守っていく存在ファイヤーキーパー
として位置づけよう、と。

通常、法的な概念として、株主の権利は配当・解散・M&Aなどの決定権や、代表取締役の指名権などが想起されると思います。
それらの機能ももちろん担うのですが、「株主として1番大切なものは何か?」と問われると、前述した、”ファイヤーキーパー”のような想いが根底に流れていることなのではないか、と私たちは考えました。

パーパスの探求は株主にとって、なくてはならない要素です。
なぜならば会社の存在意義とは、究極的にはパーパスに宿ると思うからです。
そのパーパスこそがRELATIONSという場においてもっとも根源にあるものですし、そこに集う人たちが日々探求し、少しずつ内在化されていることが大切だと思います。

② RELATIONSにおける、株主と経営の違いは何か?

これは当たり前の話なのですが、日々のオペレーション上の意思決定や投資に、株主は具体的な影響を与えることはできません。決定するのは、経営を担っているメンバーです。

では、株主はどのような役割を果たすといいのでしょうか?

一つヒントになったのは、川のメタファーです。川には源泉があり、そこから源流が生まれ、上流・中流・下流へと流れが続いていきます。

仮に、「上流・中流・下流全体を、バランスよくメンバーたちが役割分担をしながら担っているのが経営である」と考えてみましょう。
すると、株主は源泉に立つ役割であるということになります。源泉に立ち、そこにある大切なもの(パーパス)を見つめた上で、「いまの川の流れ全体はどう見えるのか?」。しっかりと声を出して、上流・中流・下流の各メンバーへ伝えていくことが最大の役割なのかなと思います。

今回の合宿で痛感したことは、意図的にでも”源泉に立つ”という感覚を味わうと、自分たちがやっていることのズレが不思議と見えてくるということです。設定をしっかりと決めた上で、その視点にどっぷり浸かりきることの重要性を体感することができました。

③ 株主視点から、いまのRELATIONSへ伝えたいことは?

①、②の対話を経て、RELATIONSへ伝えたいことはなにか?それを明確にするために、”源泉に立っていると想像したときに感じる違和感”を一人ひとりが口にしていきました。

意外や意外、対話のなかで浮かび上がってきたのは、「ぬか床」というキーワードでした。(笑)

株主にとって、会社という場所そのものが「ぬか床」として位置づけられるのではないだろうか。

ぬか床の中に存在する目には見えない微生物たちは、野菜がぬか床に加えられると発酵作用を生み出し、それにより良い漬物が出来上がっていく。その繰り返しによって、ぬかの状態も変化していく。
オリジナルのぬかが生成されていくその様は、組織開発や企業文化の醸成のように見えます。そして良い文化が構築されていけば、顧客と従業員とがオープンに響き合い、自然とそれぞれ「らしく」なっていく。

株主視点からすると、RELATIONSはパーパスを軸にしたぬか床。まさにそんな感じなのかも!という、ひらめきのような盛り上がりがありました。
極めつけは、漫画『美味しんぼ』の話が出たときです。(笑) 「山岡士郎がぬか床の状態を判別するために、漬物を味わうのではなく、ぬか床の味見をしているシーンがあったよね。それが株主なんじゃない!?出来上がった漬物に目を向けるのではなく、ぬか床そのものに意識を向けていくと良さそうだね!」

という気づきが生まれ、場全体が活性化しました。(笑)

コンサルタントとしての伴走支援や、RELATIONS社内の会議・合宿へのお誘いを通じて、RELATIONSの顧客にも”ぬか床そのもののおすそ分け”をしていくことができるのも魅力的です。おすそ分けしたぬか床が、顧客が元々持っていたぬか床に混ざり合うことで、顧客の会社の土壌も良くなり、良い漬物が育っていくようになる。そんなイメージ。お互いに影響を受け合い、より良いものが生み出されるような感覚です。

良いぬか床を作っていく、という発想はRELATIONSらしさがあるなと思いました。

また、「ぬか床にどのような色合いを今後加えていきたいか?」というテーマで話を進めていったところ、”機会を生み出す文化”、”組織と個人のパーパスを重ね合わせていく文化”などのワードが挙がりました。

これらの対話内容をもとに、RELATIONSへの提言として議事録そのものを全社へオープンにしました。
以下、議事録の一部を切り取って公開します。

これからの新しい試み

今回は株主視点にどっぷりと浸かることで、いろんな物事への見え方が変わるという体験をし、非常に示唆の多い、気付きに満ちた合宿となりました。

上記の議事録でも少し触れていますが、RELATIONSでは今後、株式において新しい試みをする予定です。これまでは、ホラクラシーという仕組みや全社合宿などで新しい会社の運営形態を模索してきましたが、これからは株主の視点にも「自律分散と共感の仕組み」を導入していければと考えております。その1つとして、従業員持株会に注目して設計を進めている最中です。

このあたりも今後、noteで発信をしていきたいと思います。

今日はこんなところで。
ええ一日にしていきましょう。


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