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自己に内在する”不安”との向き合い方

こんにちは。RELATIONS代表の長谷川です。

今日は、”不安”との向き合い方について話をしてみたいと思います。

最近、社内の1on1で話を聞いたり、顧客や友人と話したりするなかで、漠然とした将来への不安を耳にする機会が増えています。

不安の種類は実にさまざまです。
例えば、40~50歳くらいで大企業に所属している方だと、会社の先行き不安に加え、のしかかってくる子どもたちの受験や学費、そして住宅ローン。「その中で自分のキャリアはどう描いていったらいいものか」という不安があるようです。
20~30歳のメンバーだと、自分は何を突き詰めていったらいいのか、果たして今の選択が自分にとって最適なのか。「働く環境は悪くないけど、そこに甘えている感覚もある。でも本気で何かにチャレンジしようとしても、なんだか燃え上がる情熱が湧いてこなくて・・・」などという不安があるようです。

意識的、無意識的にを問わず、不安は将来への何かしらの期待だったり、自分が大切にしている何かが脅かされそうになっているサインだったりします。

もちろん、不安はいつの時代も存在するものだとは思うのですが、最近は外部環境の変化に応じて期待や価値観の変容が起こっているので、そこから個人への変容を促す圧力が大きくなり、社会全般的に不安が増してきているのかもしれないな、と感じています。

私はその要因は大きく3つあるのではないかと考えています。

① 成長神話の終焉
② 計画的な世界観から、偶発的な世界観へのシフト
③ 答えを外側に求めるか、内側に求めるかのバランス

これら3つが相互に影響し合い、将来への不安が高まっていると見立てています。

1. 成長神話の終焉

数十年前の経済的に右肩上がりだった”成長神話の時代”から軟着陸し、現在は横ばいになっています。企業文脈ではまだまだ経済成長や利益追求は重要視されているものの、思ったように結果が出ないケースも見受けられます。

かつては企業が個人を養う構造が主でしたが、成長が確約できない今、企業への期待も薄れ、何を頼れば良いのか彷徨っている状態にも見えています。これまでまかり通っていた常識が通用しない未知の時代ーーー。そこに不安の根源があるのではないでしょうか。

2. 計画的な世界観から偶発的な世界観へのシフト

いまは5年先を予測するのも難しい状況ですよね。新型コロナウイルスをはじめとして、世の中を一変していくような出来事が次から次へと発生します。今後も続いていくことを前提に考えると、何に力を注ぐと自分の安定はあるのか?将来への約束がされるのか?という問いを立てたところで、有効な答えは見いだせません。
成長神話がある時代は、何かしらの答えを享受できていたようにも感じますが、今は雲を掴むような感覚があるのかもしれません。

3. 答えを外側に求めるか、内側に求めるかのバランス

冒頭に挙げた例のようなさまざまな”不安”が起こる背景には、「外側に答えを求めているから」という理由が隠れているように感じます。私の見解としては、すべての答えは内側にあると捉えています。外側に答えを求めはじめた段階で、本質的な答えからは少しずつズレていくのです。
内側の声に耳を澄まし、本当は何をしたいのかを深く深く問いつづけていくことで、自分が何者であって、何をするときが一番心が落ち着くのかが見えてきます。そして、本質的な自己認知をもとに一歩踏み出すアクションが蓄積されることで、やがて外側にじわじわと影響を及ぼし、自然と結果が生まれていくーーー。
内側と外側のバランスシフトできているこの状態こそが、期待と結果が一致した状態と言えるのではないでしょうか。

まとめ

ここまで書いてみて、茹でガエル理論がふと頭に浮かびました。日々環境は変化するものの、その環境下にいると変化を敏感に捉えていくことは非常に難しい。ただ、なんとなく身体的な居心地の悪さが増すのを感じている方は多いと思います。
不安というのはその意味では健全なシグナルかもしれませんね。なんとか温度を下げてその場に居ようとしても、鍋の下に火が焚かれているとどうしようもありません。むしろ自分の内側にきちんと目を向けて、なぜその鍋に居続けているのか、なぜ自らジャンプして脱しないのか。その理由の奥底に何か答えがあるのかもしれませんね。

このカエルのメタファーは、人の可能性そのものを表現しているように見えます。内側にきちんと目を向けて自分を理解していくこと、そして、不安や恐れの根源を理解していくことで、自ずと一歩踏み出していけるーーー。

RELATIONS社内でも漠然とした不安の声は浮かび上がってきておりますが、自律度の高い組織であること、かつ、今の売上状況や環境への不安という要素が作用し合い、これまで内在化していた不安がより強く立ち上がっている感覚があります。その不安を自分を知るためのシグナルだと捉え、しっかりとそこに目を向けて自己理解を深めていくことで、次に進む方向が見え、自ずと可能性が開いていくのだと考えます。

ただ、一足飛びに何かが見いだせる訳はなくて、全社合宿、全社会議、コーチング、1on1などを活用して何度も対話したり、内省を繰り返すことでゆっくりと自分の声が聴こえ始めていくのではないかと思います。

短期間ではなく、長期スパンで一歩ずつ、というくらいの気持ちでゆったりと深く向き合っていくのが良いんだろうな。そんなことをふと思いました。

今日もええ一日にしていきましょう。

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