見出し画像

今月の1枚 October, 2020〜この感覚の名前、誰か教えて〜

コスモスを見に、大学時代の友人と出かけた先、千葉市美浜区。

海が近くにあるらしい。せっかくだから行ってみよう!と思い向かった砂浜。お互いおしゃれな靴を履いていたので、砂浜を歩くのは少し骨が折れたけど、波打ち際まで足を向け、遠くを眺めた。

ねえ、あれ、もしかして富士山じゃない?

夕暮れ時。海に差し込む光のカーテン。(Angels Ladderって呼ぶんだって。初耳学。)マジックアワーかと見まがう空に、影を映す山。

あんなに綺麗な山、あっただろうか。周りに見える山々よりも、ひときわ大きい。あの方角は、西南西?静岡?山梨?え、ねえ、あれ、もしかして富士山じゃない?

私が富士山について知っていることは、富士五湖に反射することがあることと、東海道新幹線のE席から見えること、そして、立川方面に向かう中央線の車内から覗ける瞬間があること、くらいである。

千葉県から海越しに富士山が見える。富士山が新たな一面を見せてくれている、それをどことなく嬉しく思うのと同時に、あれが本当に富士山なのかどうか不安になり、google mapで検索。

…合っていた。

心臓がバクバクした。

これまでの知見から推理したことが、合っていた。それはまるで、正解を知らなかったクイズに推測で正解できた時のような快感だった。

憶測ができる程度には知識があった。その憶測が、事実と相違ないことを確かめることができた。この感覚には、なんと名前をつけようか。

うまく言葉を紡げない。

沢山の糸がたぐり寄せられ絡まっていたものが、するんとほどけたような。名前だけしか知らなかった果物を、初めて実食したような。訪れた旅先で歴史のワンシーンが垣間見えたような。スケートでふと思い通りに滑れるようになったような。

そんな「あぁ、これか!」という感覚。

爽快感も高揚感も、近いけれどピンとこない。

この感覚の名前、誰か教えて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?