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幸せになるには

幸せになるにはどうしたら良いか。

様々な方法論が巷には溢れていますが、いつの時代も同じテーマの書籍等が売られ続けているということは、結局それらでは幸せになりきれないという事なのでしょう。

私は中学生の頃、「幸せになれる幸福のペンダント・ラピスラズリ」を通信販売で買ったことがあります。

たしか「りぼん」や「なかよし」という少女漫画雑誌などの裏表紙に広告が載っていて、そこには「こんなに幸せになりました!」という顔写真付きの体験談がこれでもかというほど載っており、「もし私がこのペンダントを手にしたら、あんなこともこんなことも叶うのか…!」とゾクゾクしながら期待に胸を高鳴らせた記憶があります。

お値段は約7千円だったかな。でも今なら特別に指輪もプレゼントとかでお得に買えたような…。

ただ、当時中学生だった私にはとにかく高価で、幸せにはなりたいけどもしこれが嘘だったら…と思うととてもそんな大勝負には出られない!と授業中だろうと食事中だろうと、とにかくラピスペンダントの事ばかり考えていました。

でも!もしもたった7千円で幸せが買えるなら安いものだな、というセコいソロバンが頭の中ではじかれ、清水の舞台から飛び降りる思いで購入したのです!!お年玉をはたいて。

いざペンダントが届くと武者震いがし、「これで私も幸せになれる!!」と生まれ変わったような思いがしたものです。なんて不幸な中学生だったのだろうと思いますが、本当に毎日鬱々としていたんですよ。思春期はいろんなことがありますからね。

ペンダントをつけて1日、2日、1週間、1か月…。なんとなく嫌な予感。

何も変化なし。

そんなある日、プツン!とペンダントの鎖が切れたのです! こ、これは体験談にあった、「持ち主の不幸の身代わりになって鎖が切れた」という事か!!と、いよいよやって来るであろう幸せなドラマに思いを馳せ、1日、2日、1週間、1か月と過ごしたのですが…

結局何もありませんでした…。

そんな…。

でも何となく、そうだろうなあとは思っていたんですよ。

ペンダント一つで全てが思いのままになるはずなんかない…と…。

しかし7千円もしたし!もしかしたら突然幸せが訪れるかもしれないし!というセコい発想を捨て切れず、とりあえずお財布の中に忍ばせておくことにしました。鎖切れちゃいましたからね。

そうこうしているうちに中学を卒業。

晴れてキリスト教系の高校に入学したのですが、ある時お財布を盗まれてしまったのです。それも礼拝の時間にですよ。しかもバイト代が出たばかりでそれなりにお金も入っていたのに…。

幸せを呼ぶペンダントのはずが7千円もして何も起こさず、バイト代まで連れて私の元から去るなんて…!しかも神聖な礼拝中にですよ!もう、裏切られた思いでいっぱいになりました。

まあこれは幸せグッズを買っても全く幸せになれなかった残念なケースです。

でも今にして思うと幸せになれなくて良かった。全く効果のないペンダントで良かった、と思います。負け惜しみではなく。

といいますのは、幸せになるためには功徳というものが必要になります。

功徳というのは、善い行いを成すことで潜在意識に蓄えられるエネルギーを指します。

例えば生き物に優しくしたり、食べられなくて困っている人に食べ物を与えたり、真理の法則を伝えることで蓄えられます。細かくいうと色々あるのですが、つまりは他者に安らぎや幸せを与える事です。そうしてコツコツ功徳を積む事で、自分の願望が叶ったり幸せになれたりします。

功徳を積むとは、内側に貯金をする事です。功徳があればあるほど貯金が増えて、今まで得られなかった幸福が得られたり、功徳の量に見合った願望を叶える事ができます。

私が購入した幸福を呼び寄せるグッズというのは、内側に蓄えた貯金を無理やりかき集めて願望を叶えるものなので、ある意味とても危険です。それで願いを叶えてしまうと、貯金がすっからかんになり、その後は大きな不幸がやってきます。例えば20万の貯金があり、毎月そこから家賃やら食費、光熱費などを払い、残った5万円のお小遣いで欲しい物を買ったり友人と遊ぶなどの平穏な生活をしていましたと。しかしグッズを使って貯金をフル活用してしまうと、今まで5万円分の楽しみしか味わえなかったのが、一気に20万円分、あるいはヘソクリの10万円分も楽しめてしまうのです。そこで「すごいぞ、こんなに楽しみや喜びを味わえて!」と思うのも束の間、それは日々の生活費を使い果たして味わった喜びのため、翌月からは今まで味わえていた普通の生活、普通の幸せすら味わえなくなってしまう…という落とし穴があります。

おまじないとか、願望叶える系の方法などもこのタイプになります。効果のないインチキであればそんな事はありませんが、効果があるものはとても危険ですね。また、効果がないインチキであっても、いつどういう形で何が起こるかわからないので、そういうものには手を出さない事です。

あ、あと、そもそも功徳がない場合はいくらグッズ等を使っても何も叶いません。引き出せる貯金がなければ何も買えないという事です。

功徳が蓄えられてくると、何もしなくても願望が叶ったり幸せになれたりします。でも、内側の貯金が使われている事には変わりないので、その幸せに溺れることなく、コツコツ功徳を積み続ける事が大切です。

そして功徳を積むと心が明るく、強くなります。これは誰しも体験的にわかることかと思いますが、良い事をしたり他者に喜びを与えると、自分の心も明るくなりませんか? 

逆に人に悲しみや苦しみを与えると心は暗くなったり緊張したりします。それは功徳ではなく悪業を積んでいるケースです。

心が明るくなると、なぜ心が強くなるのか。

それは良い事をしていると自信がつき堂々と振る舞えるからです。また、心が明るくなる事で現象を映し出す力が強まり、今まで見えなかった事が見えるようになります。そこで正しい判断や成すべき事がわかってくる。それにより成功を手にできます。

また明るいという事は、光を発する事でもあるので、その人の魅力を高めることにもなりますね。例えば同じ茶色でも、光を発すれば美しい宝石のような輝きを発します。

例えばあまり美しくない顔立ちなのに、なぜか魅力的な人っていますよね。それは功徳の有無、光の有無によるともいえます。

幸せになるには、それは功徳を積む事。

自分の幸せを求めて行動するのではなく、他者に幸せや安らぎを与えるために行動すること。

奪い、貪るのではなく、与え、手放すこと。

これが幸せになる秘法です。












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