【薬学部卒のキャリアについて#2】薬剤師
CRO(医薬品開発業務受託機関)をやめる決意をしてからは、すぐ転職エージェントに登録。
業界はどうする?
「他社CROか、他の業界に冒険か。」
全く新しいことに飛び込むということは、0からのスタートになります。しかし、「0から」というものは、自分が「0」の状態だとレバレッジがなかなか効かないのです。(自分の特性上、ガツガツしないので、何もない状態を20代後半から始める元気がなかったのもあります。)
だから私には「0」の状態でないことを示す、「経歴」という証明書が必要。
結局前職を1年弱でやめてしまった。経歴がない。
いや、それでも薬剤師免許は手元にある。そう、薬学部を出て国家試験に受かっている時点で「薬剤師という経歴」はすでにスタートしていると気づきました。
結局は薬剤師
OLしていた時、他業界の友達から薬のことで頼られる機会が多くありました。現場にいたのは実務実習の期間だけだったので、必ずしっかり調べてから答えないといけません。その中で、もっと現実的なアドバイスができたらなぁという葛藤が生まれます。
仕事とは、他者に貢献する行為。この意識はいつかの本で読み、常にありました。前職では貢献できているのか?と悶々していたので、自分の求められている役割はやはり薬剤師なのでは?と、薬剤師になることを決意します。
薬局薬剤師
それからは中小の薬局中心に転職活動をしました。
薬局にした理由は、至ってシンプル。学術的向上心よりは、人と関わりたかった。そして中小に絞った理由は、色んな店舗に飛ばされたくない、一か所で患者さんと向き合いたいという思いががあったためです。(あとは、お金!笑)
未経験薬剤師ということで、まずは外来。
何社か受け、「給料がいい」、「2.5日休み」、「雰囲気がいい」、「慢性疾患の門前」を条件に今の薬局を選びました。
(転職活動については、また次回書いてみようと思います。)
地域密着の薬局で、逆に患者さんに助けられることが多く、「笑いながら助け合って働く」という願いも叶い、楽しく仕事しています。
Ⅰ.薬剤師として良い点
Ⅰ−Ⅰ.患者さんとの関わり
この仕事で一番大きい部分です。そしてすごく患者さんから感謝される。
OLの時は「ありがとう」なんて言われることはほとんどないのに、こんなにも毎日「ありがとう」「お世話様」といってくれる。感動して涙が出そうでした。笑だから、もっと患者さんのために頑張ろうと思えて、自分へのポジティブなフィードバックとなっています。あと、お菓子もくれる!><
慢性疾患の門前なので、毎月来局される患者さんが大半です。検査の結果で一緒に頭抱えたり、または安堵したり。薬のことだけでなく健康全般のアドバイスもします。たまには、悩みを聞くことも。その患者さんの救いになれることはとても嬉しいですし、自分自身健康への意識も高まりました。薬だけでなく、治療や、その経過、運動、栄養学、心理学など。幅広い分野の知識が必要だなと痛感し、少しずつ勉強しています。
あと一つ、だんだん衰えていく患者さんにもお会いすることが多いですが、最後までしっかりお付き合いしたいなという気持ちになります。
実習時はサラリーマンが多いビルの薬局だったので「薬を早く、そして正確に渡す」だけの仕事というイメージでしたが、ここで働いてガラリと変わりました。
薬局って、場所によるんだなぁと。
Ⅰ−Ⅱ.再現性の高い仕事
この仕事、急に休んでしまっても困ることはほぼない。他の薬剤師が代わりをいくらでもできる。だから派遣の仕事もたくさんあって、職に困ることって本当にないんだなと感じました。最近は転職しにくいといいますが、私の体感では一般企業より断然転職しやすいです。そしてどこも人手不足であることは変わりません。給料を気にしなければ、いくらでも職はあるお仕事です。
Ⅰ−Ⅲ.残業がほぼない
基本営業時間内の業務なので、残業は多くても1日に1時間。
(薬局によっては3時間も残業するらしいので、薬局選びは要注意!)
そして、翌日に持ち越す仕事というのは薬歴以外は特にないので、自由な夜のある平日を過ごせています。
薬局に転職し、立ち仕事なので肉体的に疲弊はしますが心のゆとりができました。
Ⅰ−Ⅳ.その他
勉強会でお弁当もらえる、新商品のサンプルもらえる、卸と仲良くするといいことたくさんあるなど。笑
また、友達からお薬のことで相談を受けると、薬についてわかることってある意味特権なんだなぁとも気づきます。
ネットで見ると色んなネガキャンが飛び交いますが、商売相手は結局「人」。ビジネスパートナーの医師や事務さんも、優しい方が大半。
仕事なので嫌な思いすることもありますが、なんだかんだ「お互い様」なんですよね。そう思えば、気が楽になることも多いです!
Ⅱ.薬剤師の残念な点
Ⅱ-Ⅰ.店舗勤務
子育て中のママさん薬剤師が子供の熱でよく休むのですが、その分欠勤扱いになります。給料も減ってしまうので、もし自分が結婚したら…と考えるとちょっと怖い。おうちで仕事できる術を身につけておきたくなります。
Ⅱ-Ⅱ.給料に天井がある
6年制になったのに、天が800万かい!コスパ悪い!とよく言われますね。今の薬局は労働者にたんまりお金を渡せるほど稼げる構造ではないのです。1日に捌ける処方箋枚数は決められていて、プラスアルファのことをしても雀の涙ほど。医療費の削減や、IT企業参入によりパイはどんどん狭くなっている。
これは正直保険診療のクリニックも同じ。医療業界自体がそこまで儲からなくなっている、だけなんじゃないかな。
Ⅱ-Ⅲ.ステップアップがあまりない
大手の場合、本社勤務というステップアップはありますが、ほんの一握り。
薬局薬剤師は結構特殊な職業で、社員同士横並びなので縦のつながりという意識が薄いですね。だからいちいちステップアップするような仕事でもない。
新人とベテランの差は、薬や仕事の知識くらい。
Ⅱ-Ⅳ.人によっては合わない仕事
ゴリゴリの接客業寄りの仕事で、その上に下手したら自分のミスで患者さん亡くなるので、神経も使う。時には冷や汗もかくし、ダブルチェックにトリプルチェック。テキトーに仕事すると絶対何かが起こる。消費エネルギーが半端ない。前職が在宅ワークでほとんどご飯食べず仕事していたせいか、こんなにカロリー使うんだと驚く毎日です。これで、毎日残業までしてたら辞めてたかもしれない。笑
どんな仕事も、いい面あれば悪い面もありますね!
少し話が逸れますが、現代人の問題になっている、デスクワークの不健康について。1日に座って仕事する時間が長いと、心疾患になる確率が高いのだそう。
薬剤師は基本立ち仕事。だからマジョリティの不健康問題とは少し乖離があり、この仕事をしてるとなんだか長生きしそうだなという印象があります。笑
薬剤師やろうかな?と迷っている薬学生、他業界の方へ
私の性質を盛り込んだかなり主観的視点で薬剤師の仕事について書いてみました。
伝えたいことは、薬剤師って、意外といい仕事だぞ、色んな働き方ができるぞ、ということ。
でも、やはり自分の特性というものはあるから、無理して働くものではないぞ。
あと、薬局によって千差万別だぞ...転職先は気をつけろ!笑
こういう考え方もあるんだと、ためになったら嬉しいです!
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