読書感想文⑧「ルポ西成」國友公司
西成には1週間ほど格安ホテルに泊まってブラブラ周辺を散策をしたことがある。強烈に印象に残ってるのはおしっこのようなアンモニア臭と動物園前のガード下のところでアコーディオンの弾き語りしてる女性の曲に合わせて正面に座っているホームレスが手拍子をして盛り上がっていたことや薄着の外国人観光客の後ろを歩いていたら前から歩いてくるおっさんたちがその外国人をガン見していたことや警察と揉めてる男女とか朝からずっと立ち飲み屋で呑んでる奴とかなんか欲望剥きだしの街というイメージだった。最近は西成も観光客が増えて行くあてのない人間が行きついた場所というよりどちらかというと好奇心で心霊スポットに行くような感覚で来るような人が増えているようなので今更西成に行ってもさほど珍しくないし狙ってる感じがするからちょっと行きづらい感じがする。ただこの本は2018年ごろの話なので今よりもヤバい頃の西成でそこの飯場で働いた話やドヤの格安ホテルで働いた話などが書かれていて十分好奇心をそそられる内容である。飯場で働いてる人は元犯罪者か薬物中毒者か精神異常者とかそういう連中がゴロゴロいるらしくあの殺人犯の市橋達也もあいりんセンターで仕事を探し働いていたみたいなので正直どんな人間が潜んでるか分からないから恐ろしい。それに資格も何も持ってない人間が解体現場で働くとなると土工(一番下っ端)をやらされることになるみたいでそういう土工はいわゆる雑用役みたいなもんで気性の荒い運転手が小型のユンボでつまみ上げた廃材をトン袋に入れる作業やトン袋を目いっぱい広げてユンボが廃材を入れやすいようにする作業などをさせられ、とにかくせかされて怒鳴られるらしく肉体的にも精神的にもとてもハードな仕事みたいだ。それで日給1万円らしいので普通の感覚なら割に合わないだろう。しかも顔の目の前でユンボの先がガチャガチャと動き廃材を落としていくのでとても危険でゴーグルもしてないので失明の危険もあると書かれている。もしそれで怪我をしたところで労災もでないだろう。本当に使い捨て要員だと考えると悲惨だ。自分は絶対こんな場所では働きたくない。いつ怪我するか事故に巻き込まれるか分からないし。でもここでしか働けない人もいるわけだからそう考えるとこういう現場はあったほうがマシなのだろうか。他には西成のドヤの格安ホテルのスタッフでも働いたと書いてあり客は生活保護受給者や日雇い労働者ばかりで国の金で生活してたりその日暮らしのくせに上から目線であれこれ指示してきて作者がイラついてる様子が書かれていた。ただそもそも生活保護を受給してそのお金を浪費して平然としていられる人達に他人への気遣いや思いやりを求めることがおかしい気がするが、読み終えた感想としてやっぱり西成では働きたくないなというのが正直な気持ちだ
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