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超短編小説「高田の場合5」

高田は銭湯で近くにヤクザがきてもあえてどかずにビビってないアピールをしてドヤ顔をしていた

高田はサウナに入ると途中から隣に座ってきた奴より先に出たくないというカッコつけの負けず嫌いがいつのまにか発動していた

高田はジョギングしてるとき たまに止まってシャドーボクシングのような動作をしていたが格闘技経験がないので 周りに誰もいないときだけを見計らっていた

高田は風呂入ったあとバスタオルで肛門を奥まで拭くとたまにうんこ臭い時があった。

高田は小学生の頃白ブリーフを履いていたが かなりの確率でウンスジがついていた

高田はサッカーでゴールするといまだにカズダンスを踊っていた

高田は格ゲーで負けた時コントローラーを投げるタイプの子供だった

高田は素人もののAVをみて好みの女優を見つけるとその女優が誰なのか時間をかけて徹底的に調べていた

高田は若い頃 友達とレンタルビデオ屋の18禁コーナーに入るとグロい熟女ものの作品を手に取って「おまえの母さん出てるぞ」と友達に向かってくだらないことを言っていた

高田はセルフサービスの飲み物とか食べ物を取りに行くとき少し緊張していた

高田はゲームセンターで両替するときメダル交換する機械じゃないかいつも気にしていた

高田はゲーセンで格ゲーをやってる時誰かが挑戦してきて負けたらむかついてソッとそいつの顔を見に行っていた 

高田は女優や女子アナが社長と結婚するニュースを見るとこの女性は最大限自分の価値を高く売ろうとして画策してたんだなと思っていた。

高田はスーパーのアイスクリームを入れている冷凍ケースの空気の匂いを嗅いでスーハーするのが好きだった

高田はワールドカップに対してコメントするキャスターやタレントがやたらにわかアピールするのを見て守りに入ってんなと思っていた

高田は北朝鮮のドキュメンタリーを見て
日本に産まれただけ勝ち組とかコメントしてる連中 来世北朝鮮に産まれればいいのにと思っていた

高田は星空をみるたびに 星座をもっと覚えようと思っていたがいつまでも覚えられないでいた

高田は図書館にいくたびに 図書館にずっと居座って新聞読んでるじいさんみたくはなりたくないなと思っていた

高田は路上に痰を吐くおっさんみるたびに気分が悪くなっていた

高田は写真を撮るとき 口を右に上げる奴は絶対ブルーハーツのヒロト好きだなと思っていた

高田は特技ものまねという俳優やアイドルがMCにふられてものまねを披露するとき なぜか自分も恥ずかしくなっていた

高田はヒゲが伸びた時 アゴヒゲだけ残してオシャレ感を出そうと思ったが毎日整えるのがめんどくさくなってやっぱり全部剃ってしまっていた

高田は2月14日になると バレンタインなんて企業戦略ですよと昔言ってきた年下のヤツを思い出して笑いそうになっていた

高田はヒガシマルうどんスープのCMの歌が流れると一緒に歌っていた

高田は食べる直前に入れてくださいと書かれているスープの素を先に入れてしまうことがしばしばあった

高田は世の中で本当に良い人間も悪い人間も1割ぐらいの割合じゃないかなと思っていた

高田は美人の芸能人は一度結婚失敗しても金持ちのファンが再婚してくれるから得だなと思っていた

高田は電車の中で大声でしゃべってる奴の話ってなんでつまんないんだろうと不思議に思っていた

高田はいじられてる芸人をTVで見て笑っていたが でもこいつ俺より金持ってて女にモテるし有名で仲間もいるんだよなと思ったら自分が惨めに感じて疎外感を感じていた

高田はきれいごとを歌ってたミュージシャンや芸能人が美人と結婚すると結局なんだかんだ言って顔やないかとイラっとしていた



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