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東京大空襲の悲劇、生存者の最後の言葉を語り継ぐ/映画『ペーパーシティ 東京大空襲の記憶』

東京大空襲の悲劇、生存者の最後の言葉を語り継ぐ/映画『ペーパーシティ 東京大空襲の記憶』予告編-Adrian Francis 2:09min 2023 その悲劇は紙や木で作られた街を襲った──十万人を超える犠牲者を出した東京大空襲の生存者の最後の言葉をオーストラリア人のドキュメンタリー映画監督がいま語り継ぐ『ペーパーシティ 東京大空襲の記憶』 1945年3月10日午前0時過ぎ 1945年3月10日午前0時過ぎ、アメリカ軍の爆撃機が東京を襲撃し、木造の家屋や多くの紙材

ジャン=リュック・ゴダール監督-逝去される

ゴダール監督の残したものは、大きい・・ 1960年公開の初期の代表作でもある「勝手にしやがれ」でフランス映画界にヌーベルバーグ(新たな波)を起こし、長年にわたり異端的な革命児であり続けた映画監督ジャン=リュック・ゴダール監督は13日、スイス西部の自宅で逝去された。91歳だった。フランス紙リベラシオンによると、スイスで認められている、死を選んだ人が医師処方の薬物を自ら使用する「自殺ほう助」により亡くなったと言うことだ。一部の関係者は「病気ではなく、疲れ切っていた」と述べた。

「欲望のあいまいな対象」-ブニュエル最後の作品

「欲望のあいまいな対象」-ブニュエル最後の作品CET OBSCUR OBJET DU DESIR(欲望のあいまいな対象)- ルイス・ブニュエル(Luis Buñue) それは、ルイス・ブニュエル(Luis Buñuel, 1900-1983/ 映画監督)の遺作でもある作品だ。 概略 - CET OBSCUR OBJET DU DESIR正体不明のテロ事件が頻発するセビリアの町から、パリ行きの列車に乗り込んだのは、初老のブルジョワ紳士マチュー。追いすがる女にバケツの水を掛け

『パラサイト 半地下の家族』の元ネタ、レア映画2作品をご紹介!

アジア映画としても初のアカデミー賞で作品賞を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』。 今観ても良くできてて面白いです。 どんな映画にも参考にされている過去の作品があったりしますが、パラサイトの元ネタと言われている作品はかなりレアな作品なので観たことある方は少ないと思います。 そんなレア映画を今回は2本、ご紹介したいと思います! 『パラサイト 半地下の家族』とは韓国の至宝とも言えるポン・ジュノ監督によるオリジナル脚本の映画です。 とある貧乏家族が、お金持ちの一家に取り

ブシュラ・ハリーリの映画「テンペスト・ソサエティ」

ブシュラ・ハリーリの映画「テンペスト・ソサエティ」ブシュラ・ハリーリ(Bouchra Khalili,1975- /モロッコとフランスのビジュアルアーティスト) アートが、社会変革(分断と共生)に関わる、それが、21stのポスト現代アートとなって行くのだろうか・・・ ブシュラ・ハリーリのアートワークは、映画、ビデオ、インスタレーション、写真、版画、出版を含み多様化されている。 そこには、現代の違法な移住と反植民地闘争と国際連帯の政治に象徴されるように、ある意味現在の帝国と植民

新作映画『カモン カモン』と『パリ13区』の共通点がおもしろい!

楽しみにしていた映画が2本、同日公開となりました。 マイク・ミルズの新作『カモン カモン』とジャック・オーディアールの新作『パリ13区』。どちらも素晴らしく心に染みる作品でそして偶然にも共通点の多い作品でしたので2作品あわせて共通点とともに紹介していきたいと思います。 『カモン カモン』(4/22公開)ひょんなことから甥っ子のジェシーを預かることになったジョニーは、風変わりな少年ジェシーと時間を過ごすうちに心を通わせていく… という話なんですが、いやーしみじみ良かった。 大

「残像」(Powidoki)ワイダ監督の遺作…

「残像」(Powidoki) それは、アンジェイ・ワイダ監督の遺作… 残像(Powidoki)「残像」(Powidoki)-2016年(ポーランド映画)99min 監督:アンジェイ・ワイダ(Andrzej Wajda,1926 - 2016/ポーランドの映画監督)  脚本:アンジェイ・ムラルチク アンジェイ・ワイダ キャスト:ボグスワフ・リンダ、ゾフィア・ヴィフワチ 巨匠アンジェイ・ワイダ監督の遺作ワイダ監督作品、世代(1954)、地下水道(1956)、灰とダイヤモンド(

解釈:地下水道 - Kanał - ワイダ監督

解釈:地下水道 - Kanał -地下水道(Kanał)は、1956年/ポーランド-96min 監督:アンジェイ・ワイダ(Andrzej Wajda,1926 - 2016/ポーランドの映画監督)  脚本:イェジ・ステファン・スタヴィンスキー キャスト: ザドラ中尉:ヴィンチスワフ・グリンスキー コラブ:タデウシュ・ヤンチャル デイジー:テレサ・イジェフスカ 抵抗三部作の2作目アンジェイ・ワイダ監督を著名にした、抵抗三部作の2作目だ。それら、抵抗三部作は、ドイツ軍支配化のポ

世代(Pokolenie)解釈:アンジェイ・ワイダ監督

世代(Pokolenie)解釈:アンジェイ・ワイダ監督世代(Pokolenie/ A Generation) 監督:アンジェイ・ワイダ(Andrzej Wajda,1954年公開 -ポーランド映画)-83min 脚本/原作:ボフダン・チェシコ キャスト:スタフ:タデウシュ・ウォムニツキ、ドロタ:ウルシュラ・モドジニスカ、ヤショ:タデウシュ・ヤンチャル、ヤヌシュ・パルシュキェヴィッ、ロマン・ポランスキー 抵抗三部作巨匠アンジェイ・ワイダ監督デビュー作で、地下水道、灰とダイ

解釈: 鉄の男 -Człowiek z żelaza-

解釈: 鉄の男 -Człowiek z żelaza-鉄の男(Człowiek z żelaza)1981-ポーランドの映画-152min      アンジェイ・ワイダ監督(Andrzej Wajda,1926 - 2016/ポーランドの映画監督) 脚本:アレクサンドル・シチボル=ルィルスキ(Aleksander Scibor-Rylski) キャスト: ヴィンケル(グダニスク放送局):マリアン・オパニア マチェック/ビルクート(かつての労働英雄):イェジー・ラジヴィオヴィッ

「灰とダイヤモンド」解釈-アンジェイ・ワイダ監督

「灰とダイヤモンド」解釈 原題:POPIOL I DIAMENT(ASHES AND DIAMONDS)-Andrzej Wajda 監督:アンジェイ・ワイダ(Andrzej Wajda,1958年公開 -ポーランド) 原作は灰とダイヤモンド(Popiół i diament/ASHES AND DIAMONDS)、 その原作は、イェジ・アンジェイエフスキ(Jerzy Andrzejewski,1909-1983/ポーランドの作家)の同名の小説。1948年刊。

【まとめ】アカデミー賞の結果について

アカデミー賞の発表から1週間経っちゃいました。 すごい楽しみにしていて当日も生放送見てました。 ちょっと時間あきましたが今回の受賞結果についてまとめてみたいと思います。 アカデミー賞はいろいろな問題を抱えながらもここ数年は、人種や性別などが偏らないよう多様性を意識してきました。 その辺りも受賞結果のポイントとなってますので、そこを意識して見てました。 <主要部門>◎作品賞:『コーダ あいのうた』 メインの作品賞。大本命は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でしたが、『コーダ あ

映画『愛なのに』&『猫は逃げた』、城定秀夫監督×今泉力哉監督のコラボ2作がおもしろい。

これはおもしろい企画でした。 人気監督2人がそれぞれ監督・脚本でタッグを組んで一つは監督を、もう一作品では脚本を担当するという組み方で、2作品を制作するというものです。 企画としてもおもしろいし、作品としてもおもしろかったので今回この2作品を紹介してみたいと思います! 城定秀夫監督、今泉力哉監督とは?城定秀夫監督は、Vシネマやピンク映画を多く手がけてきた監督です。 なので濡れ場などセクシーな演出には定評のある方です。 『性の劇薬』、『恋の豚』などとにかく作品を量産していて

【ネタバレ考察】アカデミー賞最多ノミネート作品『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

日本時間で3月28日(月)に発表されるアカデミー賞。 本年度のアカデミー賞で最多ノミネートとなっているのが、ジェーン・カンピオン監督による『パワー・オブ・ザ・ドッグ』です。 ネットフリックスオリジナル作品として配信され一部映画館でも限定公開されていました。 ボクは、自宅のネットフリックスで鑑賞してたんですが正直あまりピンときていなくて、なんかモヤモヤしていたので映画館で再鑑賞したんですが、とんでもない傑作でした笑 初見では分からなかったことを調べたりもしたのですが、作品