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【問い: 先生を批判せよ!?】阪大教職・授業紹介「生徒指導・進路指導論」(前編)

こんばんは。
阪大を含め、国公立の二次試験(前期)が終わりました。受験生のみなさん、本当におつかれさまです。
阪大を受けた方は、なるべく気持ちを楽に過ごしてくださいね。ことしの春、教職課程で会えるのを楽しみにしています!

さて、きょうは授業紹介などをしてみようと思います。阪大教職の魅力、その柱の1つはやはり授業なので、ここを書かないといけないなーとは思っていました。
受験生や高校生の方には、ダイガクの授業の雰囲気を感じていただければと思います。

(教員名は記しません。同一科目でも担当教員によって内容や重点のおき方は異なることをご了承ください。)

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中山池にHANDAIレリーフが。きっとあのゼミの仕業でしょう

きょう取り上げるのは「生徒指導・進路指導論」です。

名前の通り、生徒指導と進路指導の仕方について学びます。私が昨年度に履修したのは、楽して単位をとりたい人には徹底的に向かない授業(対面)でした。ただし終わったあとの感想としては、「一言で言えば圧巻、もう震えるほどおもしろい」

受講生が「やること」はめちゃくちゃ多いです。本当に手間がかかります。しかし、それを埋め合わせるように、友達ができたり、直接のコミュニケーションを通して深いところまで学べたりといった対面授業の魅力を味わえるようになっていったのです。

この授業では、「生徒指導提要」を参考資料とします。生徒指導提要とは、文科省が出している教員向け「オフィシャル生徒指導ガイドライン」です。先生は、これを金科玉条のように扱うのではなくむしろ批判的に読んでほしいと言います。

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生徒指導提要

なんとなく想像できるかもしれませんが、こういう公的な指針は、理論的にはしっかりしていても、実地には即しにくい面があるわけです。その隠れたギャップを読み解けるだけの批判力をつけてほしい、それが先生のねらいです。

先生は、このような「批判力」を一貫して大事にされます。批判といっても、やみくもに的外れな文句を言うのでは何も生まれないので、物事の良い面と悪い面を多角的に明らかにできるような力が求められます。

先生は現役の高校教員でいらっしゃいます。そして授業では、先生の書いた実践記録をもとに授業が展開されます。実践記録とは、実際に行った指導の様子を教員自身が具体的に綴ったエスノグラフィのようなものです。

先生みずからが学校で行った指導を綴った実践記録を読んだ受講生に対して、先生は何と言ったでしょうか?もうわかった方もいると思いますが、「さあ僕の指導を批判しなさい」とおっしゃるのです。

普通、40年以上のキャリアがある高校の先生の指導を、教職課程履修のひよっこ大学生が批判するなんてできません。抵抗があるという意味でも、有効に批判するスキルがないという意味でも。でも先生は常にそれを求めていました。

僕らもだんだんと先生の要求に応じられるようになり、目の前の先生に「この指導のここはこういう点でよくないかもしれません」と言えるようになっていきます。先生はそういうとき、いつも満足そうに目を細め、そして指導の意図や反省点を口にされていました。それにまた私たちが答えます。教員と学生という固定された立場をこえて、疑問を投げかけ、応答し合うーーー知的な磁場が活性化される、スリリングな時間でした。

あの場で行われていることこそ、文科省のいう「主体的・対話的で深い学び」の具現化ではないかと思うほどです。

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石橋暮色


この授業についてはまだまだ書くことがあるので、つづきは後編へ!↓


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