ミッドサマー
今日はついに念願の「ミッドサマー」を観に行きました。
いやぁ、とんでもなかったです。
想像してたよりも遥かに物凄いエネルギーを持った映画でした。
(※以下、ミッドサマーのネタバレを極力避けた感想が続きます。情報ゼロで映画を観たいタイプの方には地雷でしかないですので、ご注意ください。)
家族を亡くして悲しみに暮れる主人公ダニーが、彼氏クリスチャンやその友人グループが企画したスウェーデンのある村で行われる夏至祭の見学に同行する。日の沈まないその村では予想もつかない未知の風習が根付いており、主人公たちはやがてその祭事に巻き込まれていく…というお話。
文章にするとちゃちになってしまうんですが、その全てが見たこともない演出と見たこともない美術、体験したことのないエネルギーによって描かれています。
僕が観る前に1番懸念していたのが、日本公開前からも話題になっていた容赦のないそのゴア描写なのですが、これはグロ耐性の低い僕でもなんとか見ていられました。
いや、確かにめちゃくちゃグロいですし観る人によってはかなりショッキングだと思うんですけど、あまりにも振り切れているのでファーストインパクトで割と慣れてしまう。
ただ映画自体がゴア描写に頼りきったものではないので、慣れていながらも後半はしっかりと楽しめます。
また特筆すべきは映像の綺麗さです。
明るい太陽の下で輝く緑豊かな大地、色とりどりの花々、白く輝く眩い民族衣装。
観る前からの情報でこれからとんでもない惨劇が起こると分かっていながらも、また惨劇が起こっている途中ですら、その村の装飾や彩りに目を奪われてしまう。
あの日光の下では血ですら鮮やかでした。
Twitterなどで、「この映画を観ると昼間と花が怖くなる!」なんて感想を見たこともありますがそんな事は全然なくて、むしろ改めてそれらの美しさを再認識させられたように感じます。
アリ・アスター監督はこの映画をホラーというよりおとぎ話であると話していたそうですが、確かに恐怖を感じているのは外部の者たちだけで、目線を変えてしまえばただ村の住人が伝統に沿って儀式をこなしているだけという。
その儀式に巻き込まれる主人公からして見れば、確かにおとぎ話のようなものなのかもしれません。
ただそのホラーおとぎ話に、先述したゴア描写や何が起こるか分からない緊迫感、そしてアリ・アスター監督が重要視したという失恋映画の要素も入り込むことで、物語は淡々と進んでいくながらも繰り返し観たくなる味わい深さが出ています。
また、さらっと映る壁の絵や風景に様々な伏線があったりメタファーがあったりするので、観賞後の考察が捗りこちらもまた繰り返し観たくなる要素となります。
またTwitterなどで、この映画には浄化作用があるだとか、セラピー的な役割があるという感想もよく見かけます。
これに関しては、めちゃくちゃよく分かります。
具体的には言えないのですが、主人公たちが向かった先の村の住人たちは、他人の気持ちを自分のことのようにとてもよく"共感"してくれるんです。
僕たちも悩みを抱えながら観れば、村人たちが寄り添って一緒に悲しんでくれているように感じるかもしれません。
また、太陽の下で画面いっぱいに自然が映るので視覚的にも癒しの作用があると思いますし、純粋に人の身体がぶっ壊れるところってなんかすっきりしますよね。
映画の中でないとできない体験です。
とにかく、こんな1人の日記では書ききれないくらい様々な要素が複合して出来た作品だと思うので、ホラー映画が好きな方、何か大きい悩みがある方、そしてどちらもゴア描写に耐性のある方には、とても強くオススメします。
また現在、いくつかの劇場で「ミッドサマー ディレクターズカット版」が公開されています。
そちらは本編未収録シーンに加え、とあるシーンのモザイクを外したR18+バージョンとなっています。
興味のある方は是非劇場へ足をお運びください。
ふぅ…。
もう語られ尽くした作品のレポートってすごい難しいですね。
また内容が内容なだけに自分の語彙力では表しきれないシーンや感情があるのでそこもまた難しかったです。本を読め本を。
今日もたくさん悩んだけど面白い映画が観れたし、いい1日だったということにしよう。
明日はもっと幸せだといいなぁ。(切実)
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
おわり
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