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専門調査員という仕事の紹介

 個人的には、貴重な体験をさせてもらったけど、あまり認知されていない職業だと思うので、後輩の方々の参考になればと思っています。



2018年の選挙監視に帯同した際に撮影

専門調査員の仕事と待遇

どんな仕事(概要)

 日本の外務省の在外公館(大使館や領事館)で、外交官の補佐をしながら調査を行うポジションで、任期は2年となっている。正式には外交官ではないので、外交官の上司の補佐として資料を作ったり、会議の議事録作ったりする裏方的な仕事が多い。だけど、外交官的な仕事もあって、現地政府の担当官といろいろなこと(ここには書けない)の調整を行ったりもする(どうも配属先の公館の規模によるようだ)。私の派遣された公館は、私を含む館員の総数が少ないこともあり、みんなでいろいろな業務に従事するという感じだった。アットホームで私は好きだったな。(上の写真は選挙監視団に帯同した時の写真です。)
 配属される班によって、担当する職務は異なるけど、私の場合は経済・開発協力班に配属されたので、GPDなどのマクロ経済指標の収集業務といわゆるODA案件の形成や進捗管理に関連する業務に従事することになった。政務班に配属されると現地の政情に関する情報収集を行うと思う(多分)。広報・文化に配属されると日本を知ってもらうためのイベントの補佐や、広報資料の作成などがメインになるのだと思う(多分)。

待遇(給与面)

 給与についての詳細はここには書けないけど、基本給は結構控えめだが、派遣される任地によっては手当がつくので、この手当次第で手取りの金額が大きく異なる。住居手当もあるが、手当の上限が決まっている。また、上限内に家賃が収まっていれば全額手当で負担してもらえるのかというと、そうではなくて、たしか、2割くらいは自己負担が発生する。
 読んでいる人は、「じゃあ合計手取りはいくらだよ」と気になると思うが、家族3名が何不自由なく、かつ、若干の贅沢をしながら暮らせる金額を私はいただいていた。
 ただ、私の同期でアメリカに派遣されたやつがいたが、アメリカでは結構カツカツだったみたいだ。多分、日本の生活水準から下振れすればするほどに手当は上がると思われる。

待遇(休暇など)

 記憶があいまいだが、年間30日の年休と7月~9月の間に3日間の夏休みがあったと思う。休暇は1時間単位で取得ができた。
 休暇中は日本に一時帰国してもいいし、別の国に遊びにいってもよかったが、当然、旅費などは自腹になる。ただ、任地によもるけど、私の任地の場合は6か月に1回(うろ覚えだけど)「健康管理休暇」という制度があって、これを使うと航空賃の負担なしで日本に帰ることができたが、当然健康診断などは受けないといけなかったと思う。
 これを書いていて、年休30日あって、夏休みもあるし、費用負担なしで帰ることもできるって素晴らしいなって思ったのを思い出した。




日々の業務としての経済と開発協力

経済業務

 1つ目は、マクロ経済指標についての情報収集でした。情報をネット上で集めたり(世界銀行のウェブサイトとか)、ネットでない情報は、現地政府の関係部署に電話したり訪問したりして情報収集をする感じかな。集めだすときりがないけど、GDP、物価上昇率、失業率は必須だったかな。
 2つ目は、年度ごとの現地政府の国家予算の総額や何にいくら使われるのかを把握することだったと思う。現地政府が国家予算の内訳が書かれた資料を公表するので、それをひたすら読むという感じだった。
 3つ目は、日本企業にとって有益な情報の収集です。例えば、現地の社会保障制度、税制、法人登記の方法なんかの情報収集をしておいて、日本企業の方々が訪ねてきた際には情報提供をしていました。

開発協力業務

 1つめは、相手政府との調整業務だと思う。詳しくは書けないのだけど、ODAの事業が始まる前には色々な書面の手続きがあったのでそれを送ったりもらったりしていた。また、大きなプロジェクトが始まるとき、そして終わるときには、必ず式典が開催されるのでJICAと協力しながら、式典開催に向けての調整をしていた。前職の時ではまったくやったことがなかったので、結構大変だった。
 2つ目は、日本のNGOが行う案件形成のお手伝いをしていた。日本のNGOはすごくて、世界のいろいろな地域で現地の人々に役立つ案件を実施している。その一部には在外公館が資金を提供しているものもあって、案件をつくる時には、結構何回も打ち合わせをして、公館としての立場を伝えたりってことがほとんどだったと思う。私は、前職がNGO勤務だったこともあり、こっちの業務では面食らうことはほとんどなかったが、できるだけNGOや現地のためになるコメントをしてきたつもりではいるが、正直、私のコメントがどれくらい役に立ったかはわからないけど、、、、

業務については、細かく書こうとするとまだまだあるけど、もし読者がいて要望があれば書きたいと思います。


最後に

 公の組織で働いて、最初の半年くらいは慣れないことも多くて怒られたこともあったけど、なんやかんや言われても愛のある鞭を打ってくれた上司、同僚の皆さんには感謝している。また、あのメンバーで働けるなら働きたいなとも思っている。
 ちなみに、専門調査委員になるには試験を受けないといけないので、以下のリンクから見てみてはいかがだろうか?まだ見ぬ後輩の皆さんの活躍を期待しています。


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