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最近、twitterやうつ病関連の記事でも「自己虐待」という言葉を目にすることが多くなってきたかと思います。
 では自己虐待という言葉はどういう意味なのでしょうか。
 自己虐待とはセラピー業界などでよく使われる用語です。簡単に言うと、自分にダメ出しをしたり、自分の物理的な環境や感情をなおざりにすることを指します。
 心の底では「気持ちいい環境で暮らしたい」と思っているのに、面倒だからと部屋を片付けない、退屈であるのに自分に楽しいことや充実することを与えないことも一種の自己虐待であると私は考えています。そうです、自分を大事にすることは結構大変なのです。自分の心身の健康に気をかけ、自分に投げかけている言葉に気をつけ、自分を肯定し、安心させ、自分の興味や関心も満たしてあげる行動を取り続け、時間とお金も使う(高級な住宅に住んだり、高級品を購入したり、高級料理を食べるという意味ではありません。自分の興味や関心、やりたいことに必要な経費を払うということです)。大変です。

自己虐待をやめるには?


1  まずは自己虐待していることに気づく
 自己虐待という言葉はそれほど世間に浸透している言葉ではありません。セルフネグレクトの方が浸透しているでしょうか。
多くの人が気づきやすい簡単な事例で言いますと「自分はダメだ!」と頭の中で考えることはありませんか?友人や家族、他人に向かって「お前はダメだ!」と言ったらどうでしょうか?酷い暴言ですよね?これを何度も何度も言うとなると、それは虐待です。いじめることです。
 そういったことは他人にはしてはいけないと思っていても、自分にしている人は多いのではないでしょうか。漫画やドラマなどの場面でも「こんなんじゃダメだ」というセリフは多く見聞きしますし、学校、学習塾、スポーツの場面では「そんなんじゃダメだ!」などという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。スポーツや何らかの分野で指導するにあたり、そういった行動を否定することは多くあるかもしれませんが、自尊心や自己効力感といった点から考えますと非常に良くないことです。

2 自己虐待をやめる方法
 自己虐待にいくつか気がついたあとは、それを違う言葉で考え直して置き換えていく段階です。あなたが考えたこと全てを肯定して大丈夫だ、OKだという風に言っていきましょう。人間は1日だけでかなり膨大なことを考えているので、これらを肯定し続けるのは大変です。しかし、肯定しましょう。肯定する習慣を身に着け、また新たに自己虐待している項目について発見してくでしょう。それをまた肯定しましょう。まずは3日行うことを目指しましょう。次は2週間。途中、期間が相手も改めて肯定することを再開しましょう。
 次は1か月、その次は2か月、3か月。3か月自分を肯定し続けたら、一生肯定していくことを決意してください。あなたはあなた自身を肯定し幸福にする義務があります。


 3   自分が望ましくないと思っている思考や行動をとったことも肯定しよう
「自分は大丈夫。」と自分を肯定することに抵抗がない人でも、自分の嫌な面については肯定できないという風に考える人は多いのではないでしょうか。
  例えば、「うわ、あの人キモっ」、「あの人より自分は上」などと考えたり、嫌いな相手に「ざまーみろ」とか心の中で思っていたり、こういった他者を見下したり他者の不幸を喜んだりする思考はなるべくならしない方が良いと思います。なぜなら、その相手を判断した言葉で自分を縛ってしまうからです。誰かを見下すということは、他の場面では自分のことを見下すこととリンクしています。
 しかし、自動的に頭に浮かんできた場合どうしたら良いのでしょうか?私は、「あの人のことをキモいと思った自分を許す」、「あの人より私は上と思ったことを許す、大丈夫」と自分に許可を与えたり安心感を与えることが大事だと思っています。これらを他の人に話して共感してもらおうと思う行為はおすすめできませんがね。

4 自己虐待に気がついたが、どのように肯定したら良いかわからない場合は?
「努力できない自分が嫌だ、ダメだ。」「また時間を棒に振ってしまった自分が嫌だ。」「配偶者や子供に優しく出来ない自分が嫌だ。」などと考える人がいるかと思います。
 努力したいという理想を掲げているのに、「努力できない自分もOK」と自分で思えないというのはよくわかります。それはあなたの価値観であるからです。長期的に見れば、この価値観ももう少し柔らかい価値観に変えていく必要があると私は考えていますが、すぐに「変えなきゃ」と思う必要もないかと思います。もう少し「努力できない自分が嫌だ」を分析してみましょう。この努力できないことが「本当はやりたくないこと」であれば、本当に努力する必要があるか考えてみましょう。次に、「努力できないこと」が自分の好きなことである場合、何か「やりたくない理由」がないかを分析してみましょう。例えば、何か勉強している場合、「自分に重圧をかけすぎているのが嫌だ」、「最短で最速で勉強を達成したいという思考により焦りや不安を感じてしまう」、「他にも気になることがある」など。スポーツや運動の場合は「きつい練習をしたくない。ゆっくりしていたい。」、「運動をする環境が息苦しい。」、「あの人がいると落ち着かない」など色々な「やりたくない理由」となる感情があるかと思います。
 こういったやりたくない自分の感情に気がついたら、それを肯定したり許したり、許可してあげましょう。肯定したり、許したり、許可する言葉はあなたがしっくり来る言葉を使えば良いです。「重圧を感じながら勉強するのは嫌なのは当然だ」、「最短で、最速で習得しなきゃいけないとか失敗が許されないようなプレッシャーが嫌だと思うことを許す」、「きつい思いをしたくなくて、ゆっくりしていたいと思う自分は大丈夫」、「あの環境で練習したり、あの苦手な人がいる中で運動するのは嫌だと思うのはOK。通常のことだ。」などとあなたがしっくり来る言葉で自分を肯定してあげてください。
 次に、自分の感情は肯定した上で「辛いのは嫌だけど、練習すると気分がスッキリするし、上手になりたいからやるか」、「練習の前は嫌な気持ちだけど、やり始めると楽しいからやろうか」などと考えるようにしてみてください。
 努力できない自分にダメ出しをしているならば、「出来なかった自分はOK、素敵」であり、むしろ「挑戦しているだけで自分は素晴らしい」ということを考える癖をつけることをお勧めします。それでもなお努力することが楽しい方は「自分はOKで素敵で素晴らしいけど、この分野で努力してみたいから、努力するのが楽しいからやる」と自分の評価と行動を分けて言葉で言い分けるよう心がけてください。何か夢中になれることに出会って、それに没頭したり練習することって本当に楽しいです。それは自分の欲求を叶えてあげること、自分に楽しみを与えていることになるかと思います。

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