中学校へ通わないことを決めた不登校YouTuber「ゆたぼん」についてかつて中高不登校を経験した私が思うこと

不登校Youtuber少年革命家「ゆたぼん」について

皆さんは「ゆたぼん」をご存知だろうか。

オンライン動画共有プラットフォーム「YouTube」に「少年革命家ゆたぼんチャンネル」というチャンネルを持つ所謂「不登校Youtuber(ユーチューバー)」である。

当時通っていた小学校で宿題をしなかったことで担任とトラブルになり学校教育に疑問を感じ、「不登校は不幸じゃない」というメッセージを掲げ様々な動画を自身のチャンネルで発信している。

私(へる)について

私は中学・高校と完全にではないがあまり学校へ行けていない時期があった所謂「不登校」経験者である。

小学生の私は俗に言う「悪ガキ」だった。

両親の期待に応えたかった私は中学入学後、自分を変えようと猛勉強するようになる。

一時は定期考査で学年一桁の順位を取ることもあったが、自分にプレッシャーをかけすぎたのか15でうつ病と診断され処方薬のお世話になり生活も昼夜逆転、成績は見る見るうちに急降下し酷い時は家から通院以外で外に一歩も出られない事もあった。

高校にはなんとか進学するが、第一志望だった進学校には行けるわけもなく自分の中で相当妥協して偏差値的にはかなり低い県立高校へ進学。

紆余曲折の末、なんとか高校は卒業できた。

そんな私からこのゆたぼんの一連の発言を見ていて思うことがあるのでこのnoteを書いているわけだ。

私がゆたぼんを見ていて感じる違和感

このゆたぼんの一連の動画を見ていて感じる違和感がある。

それはかつて私が経験した不登校と彼の置かれている状況は明確に「違う」ということだ。

彼はこの動画で「学校に行かなくなりました」と発言している。

私はそうではない。「学校に行きたかったけど、行けなかった」のである。

自らの意思で学校に通わないことを選択しているゆたぼんと、自分の意に反して学校に通うという選択を諦めた私では問題の方向性がまるで異なるように感じる。

もう一つ、ゆたぼんを見ているとむしろこのような性格の子どもなら学校生活で友達も多く活発でコミュニケーションも得意な方の、俗な表現だが「スクールカースト」的には上位に位置付けられる子どもなのではないかということだ。

世間一般の「不登校児」は果たしてそのような性格の子が多くを占めるのだろうか?

ゆたぼんは自分の意思で「学校に行かない」ことを選択したのだろうか

私はゆたぼんの父親である中村幸也さんの存在が大きいように思う。

中村幸也さんは元暴走族で心理カウンセラーという人物であり、その父親の影響を受けてゆたぼんは学校に通わない選択をしたのではということだ。

ゆたぼんには失礼なことかもしれないが、当時小学生の子どもに一人前の判断能力があるとはとても思えない。

そんな子どもに(これは想像だが)「お前は学校に通わなくていい」みたいな事を言ったら子どもはどうなるか…もう結果は見えている。

なぜ私は義務教育は受けたほうが良いと考えるのか

私は大人になった現在後悔していることがある。

それは学校に通わず義務教育をまともに受けなかったことだ。

中学の二次関数などはまだ良い。

英語を学ばなかったことは本当に後悔している。リアルの生活でもDiscordなどのネット上のサービスを用いて外国人と会話するときなどでも英語を必要と感じるときは非常に多い。

あと、大人になってから小学・中学校の義務教育程度の学習と同じことをやろうとするととても労力を必要とすることもある。

就職に関してもそうだ。

「学歴不問」を謳う職場でも高卒以上の学歴を求めてくるところは多いように感じる。

大人になってから「ちゃんと義務教育や高校を出ていれば良かった…」と後悔しても遅いことのほうが多い。

義務教育は「国・政府・人が子供に受けさせなければならない教育」のことであり、逆に言えばそれだけ大切なことを学ぶ9年間のように思う。

成人してから学ぶ機会を持つことは非常に難しい。そのチャンスを自ら放棄するのはとても勿体無いように私は感じる。

学校で学ぶことは「勉強」だけではない、ということ

なにも学校で学ぶことは勉強だけではない。

例えば、学校は共通の話題や趣味や価値観を持つ友人や恋人を作るきっかけをくれる場所でもあり、部活で汗を流し、一つの目的を持ち努力する必要性を学ぶ場所でもある。

一方で友人や教師とのすれ違い、喧嘩、一見意味のないような校則を守ったりと社会の不条理を学ぶ場所でもあると私は思っている。

もし、自分の意見を肯定してくれる人物ばかりの狭い世界で育ち、大人になったらどういう人間になるだろうか。

私は学校へ行きたかった

私は今でも中学・高校時代の夢をよく見る。

「自らそういう選択をした」のか、親に言われるままに「選択させられている」のか。

そういうことにはこれ以上触れないでおくが、現に中学校には通わないと言っているゆたぼんを見ていると私は少し勿体ないなぁと感じてしまうのである。

少し押し付けがましい文章になってしまったような気もするが、これからも彼や彼の周辺の人物の発言などは気にしていこうと思う。




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