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女子学生スポーツビジネスNY研修 FutureFrontwomen 企画裏話

こんばんは。Her Pivot プロジェクト ディレクターの梶川です。
先回の黒田さんの素敵なコラムに感化され、番外編として、FutureFrontwomen プログラムの企画裏話を少しお伝えできればと思います。

日程や訪問先等の概要は、先週黒田さんに書いて頂いた通りですが、そもそも、なぜ企画することになったかといいますと、私が米国大使館主宰の女性リーダー育成プログラムの第1期メンターになったことがきっかけでした。

メンタリングプログラム初日にメンティーのあおいさんと

私のメンティー(スポーツビジネス界でのキャリアを目指す都内の大学生)と、半年間のプログラム終了時に、今度はふたりで一緒に「スポーツビジネス界での女性活躍」を未来につなげる新しいプロジェクトを企画したいね、という話になり、最初は妄想として話していたことがいつの間にかこんなオオゴトになって実現していました(笑)。なので今日の最初のテーマは「まず妄想大事」(笑)。

さて、結果として多くの方から評価を頂く形で実施することができた FutureFrontwomenですが、実は企画調整は本当に大変で泣きそうでした。それに、すべてのアイデアが実現したわけではないので、このコラムでは、大変だったことや実現できなかったことも含めて書いてみたいと思います。

担当者にたどり着くまでが大変!

もしかしたら意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、このプログラムにご協力頂くコミットを得ること自体は、実はそれほど難しくありませんでした。まだ日本では十分に認識されていませんが、「女性活躍推進」はNBAのみならず世界スポーツ界では最重要項目で、NBA本部の重鎮とも親しいメンターもサポートしてくださったからです。私が日本人女性初のNBAビジネスインターンだったことも、応援して頂ける理由として機能していたかもしれません。

では何が大変だったかというと、まず各組織の「担当者」にたどり着くことでした。もともと知人がいたNBA本部以外は、ほぼすべて正門から行くしかなくて、代表メールや電話アプローチから始まり、窓口からお忙しい担当者につないで頂くまでが一苦労でした。

中には、留守電を何度も残し、4~5回目くらいにやっと出てもらえて、「あの留守電の件」とご認識頂き訪問が実現した組織もあります。電話でメールアドレスを聞いて、そこから始まりうまくいく、っていうパターンは多かった気がします。(一般的には海外とのやりとりはメールで、私も普段はそうしていますが、いざという時に電話で端的に説明することは重要。)

日程調整も、もちろん大変!

担当者にたどり着いてからの日程調整も、苦労しました。NBA本部訪問が決定してから他にあたったので、話は前向きに検討して頂けることが多かったのですが、先方の訪問受け入れ体制、ご担当者様のスケジュール、さらに有意義な内容にできるか、この3拍子が揃わないと日程に組み入れることはできません。また、マンハッタン(&ブルックリン)は意外と広いので、動きがなるべく効率的になるように組み立てる必要もありました。

また、フライトやホテルの手配も含め、へろへろになりながらの準備だったので(深夜に意識朦朧としてホテルの予約を間違え早割で100万くらい即決済してしまい、速攻電話で泣き落として返金してもらったことも(苦笑))、実は出発までに完璧なアレンジができていたわけでもありませんでした。

NBAストアも訪問

なので、ニューヨークに到着してからも細部のアレンジをしながら日程をこなしていく状態でした。例えば、マンハッタンのナイキストアやブルックリンのバークレイズセンターにあるアディダスショップに関しては、現地で当日ふらりと行って直接交渉しました。偶然、両店ともに女性のマネージャーで、活動趣旨目的を説明すると、即答でご了解頂くことができました(たぶん男性だったとしてもOKして頂けたと思う)。ショップツアーで質問にも答えて頂き、作業現場も見せて頂けたりと充実した内容になりました。

実現できなかったこと

一方、実現できなかったこともあります。NYUのようにお休み中で授業がなくて訪問不可とわかっていたところもあれば、例えば、バークレイズセンターは、現地でも交渉を続けながら結果として訪問は叶いませんでした。まだできたばかりでアリーナツアーが準備中だったり、ご担当者の方は是非ご協力したいとのことでしたがスケジュールの都合がつかず。

また、最終日に組み込んだ米国スポーツビジネス界の有力メディアが主催するカンファレンスには、予算の関係で全員は参加できず、私と代表者のみとなってしまいました。でも、当日会場で米国スポーツビジネス界の女性メンタリングプログラム参加者が大々的に発表されたことを含む重要な情報は共有し、入れなかった参加者も同じ建物で待機していて、終了後にはご尽力頂いた私のメンターとも皆でお会いできてよかったです。個人的には、ユベロス氏のお嬢様に現地でご案内頂いた2004WNBAドラフト時のコミッショナー Val Ackerman 氏(現NCAAの Big East Conferenceコミッショナー)に、12年の時を経て直接御礼を言えたことは感慨深かったです。

Val Ackerman 氏と

スポーツビジネス以外の部分でもいろいろアイデアはありました。国連本部のツアーは、予約空き状況の都合がつかず、あきらめました。また、実は(偶然ですが)9月11日に滞在していたので、ワールドトレードセンター跡地の訪問も考えていましたが、当日は遺族だけの特別なメモリアルイベントがあるとのことで、こちらも断念。

本当はぎゅうぎゅう詰めな日程にできたらよかったのかもしれませんが、実際には、空いた時間は有効活用できたように感じています。

NBA本部訪問前日の週末には、ホテルで私がハーバード大学パブリックスピーキング講座で習ったミニワークを実施し、英語での自己紹介とリーダーとしての立ち居振る舞いを伝授できたし、オフの日にはメトロポリタン美術館にも行って少しリラックスできました。私は昔住んでいたこともありなつかしの場所ですが、ニューヨークといえば世界有数の観光地でもありますから、参加者にも少しは観光も楽しんでもらえたかなと思います。歩いての移動も多かったし。

一番大変だったのは、地下鉄以外の歩けない距離の移動で、ハイヤーを配車するのも何度か直前までかかったりして思ったより苦労しました。あと、食事場所までは全く手が回らず、近所のスーパー等で買ってホテルで食べることも多かったのでその点は申し訳なかったですが、ニューヨーカーの日常に触れる機会が少しでも勉強になっていればと思います。

そして、完璧な準備ができていなくても、8割くらいできていたらまず実践してみてあとは現場でなんとかなる的なことを学んでくれていたら嬉しいです(苦笑)。

滞在期間中の大切なルール

ところで、10日間の滞在期間中、ひとつルールがありました。それは、毎日リーダーを決めて、その人が各訪問地まで先導する、というものでした。私がツアーガイドを免れるためという目的も少しだけありましたが(笑)、見知らぬ地で、緊張の最中にチームを目的地まで誘導するという経験自体に価値があると思ったからです。

企画や日程は、メンティーのあおいさんと自費で現地同行もしてくれたスタッフのアイデアや意見も聞きながら決めていきましたが、結局主催者がすべて決めてしまったので、参加者が何か主体的に関わる体験をしてもらえるしくみにしたいと考えたことがきっかけでした。もちろんフォローはしますが、各訪問地への具体的な行き方は、当日のリーダーがリサーチし、朝のミーティングで他の参加者に伝える、という方式でした。

これからも感謝を伝えていきます

ひとつ、猛省しているのが、せっかく撮影した活動の様子を、映像データが壊れていて見られないことです(これほんと悲しい(涙))。成田からの出発時には不安で一杯だった参加者から、帰国直前JFKでの撮影時には希望と自信に満ち溢れたコメントがたくさん出てきたのは感無量でした。それを満喫したのが世界で私だけというのがなんとも残念です。でも、とくにNBA本部とNBAストアは、イチロー選手の撮影もされたカメラマンの方にご協力頂き、素敵な写真が残っているので、この貴重な機会を創出することにご協力頂いた皆さまへの感謝のしるしとして、今後も発信に努めたいと思います。

最後に、JFKで私が爆睡している間に(笑)、参加者が集まって私に寄せ書きのサンキューカードをつくりプレゼントしてくれたので、掲載しておきたいと思います。今でも部屋に飾っている私の宝物ですが、それぞれの目標やコミットも書いてあるので、参加者本人たちが忘れないように(笑)。そして、同じような志や目標をもつ若い方々にとって、少しでも力になれれば幸いです。

プログラム終了直後の感動が綴られたカード


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