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美味い丼と不味い丼の決定的違いに気付いてしまった。

今ランチで美味しい丼を食べている。なぜ美味いのか考えていたら、文字にして整理てしたくなったので、些か行儀が悪いのだが、急いで頭の中にある考えてを携帯でメモしている。

世の中には美味しい丼と不味い丼がある

まず先にお伝えしておきたいのだが、ぼくは食の専門家ではない。食に関する仕事などは行っていない。だけど、一応料理は好きで、調理師免許やフードコーディネーターの資格を持っている。

という前置きをして、めちゃくちゃざっくり結論からいうと、丼を成り立たせるために非常に重要な条件は、「アタマ(具材)とお米の組み合わせに調理が加えられ、両者が調和しているかどうか」だと考えている。

もし両者を組み合わせる理由が存在しなければ、主食と主菜のように元々別で存在するものは別で摂るほうが食事全体で見たときにバランスが良いはずである。

しかし、定食で間に合うものをわざわざ丼にするということは、2つを1つにまとめることの必然性・合理性を欠いてはいけない。

先日、不味いステーキ丼を食べた。

そこのステーキ丼は、白米の上にステーキが乗っていて、味付けは肉にだけ施されており、口の中でご飯とお肉をまとめてください、というスタイルであった。食べていて、店側の強引な性格が伝わってきたし、食にこだわりがないスタッフがキッチンに立っているところを想像してしまった。

刺身定食が海鮮丼や寿司になるとき、(客の希望がない限りは)米はすし酢で締められる。天ぷら定食が天丼になるときは、甘塩っぱい丼タレが白米に絡められ、そこに海苔が敷き詰められる。

もしこのステーキのお店が鉄板ではなく丼としてステーキを提供するのであれば、タレをご飯にまでしっかり絡める、あるいはお米はガーリックライスにする、または消費者の想像を超えるなにか別の工夫が必要であった。

適当な調理とまでは言わないまでも、1日3回しかない貴重な食事の機会を無駄にしてしまったと思った。

ローストビーフ丼が流行


次は丼の成功例として1つ紹介する。2016年、飲食業界ではローストビーフ丼が大流行した。一般的にローストビーフには赤身の牛もも肉が使用されるのだが、基本的にその肉質はパサつきやすく、ワインなどのアルコールと合わせて嗜むものであり、ご飯とベストマッチするような料理ではなかった。

しかし、レッドロック*というローストビーフ専門店はその常識を覆した。極限までお肉を薄くスライスしたり、タレやトッピングを充実させることで、ローストビーフとお米を組み合わせる必然性を作り出したのだ。そこにSNS映えのマーケティングを上手く取り入れ、お店は瞬く間に行列を作った。

一方、それを見た競合他社も数多く存在したのだが、もともとローストビーフとお米というアンマッチを組み合わせるのは難しく、そのほとんどは長くは続かなかった。

丼が美味しいお店は当たりかもしれない


ここまでまとめてみて筆者が思ったのは、丼は意外と難しい料理だということだ。大体ハズレだと思った店は、シェフが味音痴か、客よりも店のオペレーションを優先してしまっている。逆を言えば、丼が美味しいお店はある程度食と向き合っているとも捉えられるかもしれない。

味以外にもお店の評価には、接客、店の雰囲気、立地、価格など、たくさんの要素があるが、その店のオーナーや料理長が真摯に食と向き合い、客ファーストを忘れず、研究を重ね、ちゃんと時流を読んでいるということがキチンと伝わってくるお店は、総合的に美味しいと感じるし、何より楽しい。

みなさんが知ってるおすすめの楽しいお店があったら教えて下さい。

*レッドロック ローストビーフ丼とアメリカンビーフのお洒落なお店 

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