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🇯🇵「自分軸を叩き起こせたら『大切なものは足元にあった!』と気づける。納得感を持って、自分の人生を生きられるようになるんです」

パンダみゆきさん

片づけコーチ歴9年。2015年、整理収納コンサルティング「片づけパンダ」を設立。活動拠点は、山口県宇部市。現在は「人生の片づけコーチ」として、オンラインによる半年間のコミュニティー講座に力を注ぐ。単なるモノの整理を超え、受講生一人ひとりの思考癖や行動習慣の整理からサポートしている。

取材日:2023年6月13日

Q、どんな子ども時代だった?
A、無邪気なふりをしている子どもでした(笑)。小学生になる前から、いつも周りを気にしては「どう楽しませようか」と考えて動いていましたね。エンターテイナー気質で、実は吉本興業に行こうかと思っていたこともありました。

Q、いつどんな時、ビジネスのアイディアを思いついた?
A、当時2歳くらいだった娘を寝かしつけて、夜中に1人でテレビ番組を見ている時。整理収納アドバイザーが特集されていて「私がやるのはこれだ!」とピンときたんです。

実は、20代から10数年は東京でレコーディングエンジニアをしていました。スタジオでアーティストさんと仕事して、終わったら朝まで飲みに行って。まさに男社会だったけど、楽しかった。性に合っていたのかもしれませんね。

その後、転職して結婚、出産。「やりたいことやってきたし、そろそろ家庭に入ってもいいかな」と思って子育て中心の生活に切り替えたんです。でも、心の中ではずっと「私が一生やれることってなんだろう」と、自分らしい生き方、働き方を探していた。

だから、テレビで「これだ!」と感じたと同時に、一気にギアを入れました。整理収納アドバイザーについてリサーチしまくり、プロとして仕事するための資格、「いつ始めるか」というXデーの設定と、夢中になって決めたんです。というか、正直〝降りてきた〟感じでした。

Q、最大の試練だったことは?そこで気づいたことは?
A、一言でいうと「主婦になろうとしたこと」かもしれません(笑)。実は、整理収納アドバイザーで起業した後、大きな病気で入院したことがあったんです。出産以外では人生初の入院でした。ところが、家を離れて病院生活が始まった途端、つきものが取れたように体が軽くなって。そのとき、「私の人生、今のままではいけないんじゃないか」と気付かされたんです。

いわゆる「業界人」として楽しんだ20代。やり切ったつもりで家庭に入ったものの、振り返るとその頃から自分軸がぼやけてしまった。世間の「主婦像」「ママ像」に影響され、自分が着たい服すら分からなくなったり、「女子の集まり」が苦手なのにうまく合わせてみたり(笑)。

当時の私は〝自分迷子〟になっていたのでしょうね。病気になったおかげで「もう無理だな」って自覚できた。その後、価値観のずれを感じていた元夫と離婚。誰にも遠慮なく我が道を生きる覚悟をしたんです。それが、私にとってのリスタートです。

Q、これまでに経験した成功体験や嬉しかったことは?
A、本気で取り組んだ受講生さんの人生が変わっていくこと。すごいですよ。片づけを通して自分軸を取り戻すと、今まで悩みだと思っていたものが悩みじゃなくなる。表情もどんどん明るくなる。

「私変わったかな」って確認する受講生さんに、旦那さんが「本来のお前に戻っただけだろ?」って言ったエピソードもありますが、まさにそれ。片づけのゴールって、本来の自分との一致なんです。

オギャーと生まれて以来、私たちは周りからいろいろな価値観や信念を刷り込まれていますからね。例えば、「人からもらった物は大事にしないといけない」というような教育、社会通念とか。自分の「本音」はシンプルなのに、他人軸の価値観をくっ付けるから迷うし、複雑になる。

自分軸を叩き起こせたら「大切なものは足元にあった!」と気づける。納得感を持って、自分の人生を生きられるようになるんです。

Q、座右の銘やロールモデルは?
A、座右の銘は「適当」ですね。お醤油を適当にかけるとか「感覚で適当にできる」って最強じゃないですか。ゴルフ場の天然芝って四角に切って植栽しますけど、あれ、何のガイドもないのに勘で四角に切るんですって。

レコーディング現場も、ほぼ「テレパシー」で会話してる環境だったなって最近気づきました(笑)。現場はみんな感覚人間。ミュージシャンもプロデューサーもアレンジャーも「もうちょっといい感じにしてみて」「あ、それそれ!」って感じで仕上げていく。

言語化できない世界ってある。私はもともと理論派ですが、その現場で感覚に向き合うスキルが研ぎ澄まされたのかもしれません。

これ、実は片づけと関係がある話題なんですよ。感覚ってふわふわした根拠がないもののように感じるかもしれませんが、深層には必ず「そう感じる理由」があるんです。

片づけで「スッキリした」と感じるのは、自分の深い意識、本来の自分の在り方と一致しているから。だから、素敵なホテルや雑誌を真似て「他人に褒められる状態」を作っても「片づいた」という境地には至れないんです。

自分の感覚を立ち上がらせ、キャッチできること。それをとても大事にしています。

Q、自信をなくしたとき、立ち直る方法は?
A、落ち込むことにも意味があると受け止める。もっといい流れになるために、今は待てと言われているのかなと思って、その時にできることをするか、何もしないか。淡々と過ごして悪あがきをしないかな。

Q、あなたにとって「稼ぐ」ってどういうこと?
A、愛の交換です。

Q、これからの夢は?
A、本を出版したい。世の中の人が片づけの呪縛から解き放たれるよう、片づけの本質を言語化したいんです。私思うんです。世界中から片づけで悩む人が居なくなって、片づけの仕事が必要とされなくなったとき、地球のエネルギーってめちゃくちゃ上がるんだろうなって。「片づけは地球を救う」「世界平和は家庭から」って、マジで思っています。

そして、私の最終的な目標は、居酒屋の呑んべえなおかみ。常連さんにビールをご馳走になりながら、コの字になったカウンターでワイワイしゃべる。そんな場所を作りたいな。

パンダみゆきさんのリンク:
(YouTube)片づけパンダ
(Twitter)パンダみゆき🐼片づけコーチ
(Instagram)片づけパンダ🐼

取材日:2023年6月13日

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