🇨🇦🇲🇾「よく『勇気あるね』って言われます。でもね、これは勇気じゃない。覚悟です。人間、覚悟と継続があれば目標叶えられるんです」

Kiyomiさん

カナダのサロンでトップネイリストとして活躍した後、オンラインのネイルスクール「Earth」を設立。元学校教諭のスキルも生かし、現在はネイリスト育成に力を注ぐ。夫と長女の3人家族。2023年5月からマレーシアへ移住。Instagramのインフルエンサー。ネイル講座のYouTubeもスタート。

取材日：2023年4月20日

Q、どんな子ども時代だった？
A、実は、小学校に入ってすぐ不登校になりました。体が小さくて重度の喘息もあったんですけど、学校の先生が毎朝家まで迎えにきてくれて。「今日は正門まで来れたね」「教室に来れたね」って応援し続けてくれた。「親以外に、こんな風に助けてくれる大人がいるんだ」って感動したことが、小学校教諭を目指した原点です。

Q、いつ、どんなとき、ビジネスのアイデアを思いついた？
A、オンラインスクール設立のきっかけは、コロナですね。当時はカナダのサロン勤務だったけど、ロックダウンして3か月間仕事できない時期がありました。そのとき、主人と話し合ったんです。「何があっても娘をしっかり育てられる働き方って何だろう？」って。

それで「オンラインの仕事にシフトしよう」って決めました。銀行員だった夫はフリーランスのファイナンシャルプランナーに転身。私もスクールを始めたという経緯です。

Q、最大の試練だったことは？そこで気づいたことは？
A、小学校教諭だった12年前、授業中に急に声が出なくなったとき。どの病院でも「風邪じゃない？」って内服薬を処方されたけど、ある耳鼻科のドクターが「あー、これ心の病気だよ。精神科に行かなきゃ」って言ったんです。それを聞いた瞬間、「そうか私、心の病気なんだ。そんなに苦しかったんだ」ってハッとして、ブワーーって涙が止まらなかった。

小学生からの夢だった小学校教諭。でも、リアルな生活は毎日朝6時から夜9時までのハードワーク。しかも、モンスターペアレンツ、いじめ問題、教員同士の人間関係もあって、心休まる日はなかったですね。でも、ずっと気づけなかったんです。自分の心がSOS出しているってこと。ドクターのひょうきんな話に思わず笑った瞬間、1か月ぶりに自分の声を聞けたんです。

実は、「土日は絶対仕事するな。趣味を見つけなさい」とドクターに言われて、そのとき母親が持ってきてくれたのがネイルスクールのパンフレットでした。ネイリストになるなんて思いもしなかったけど、気分転換にと思って通い始めました。

ところが、ものすごく良かったんですよ。指先が綺麗になるだけで本当にハッピーで、心穏やかになれた。「土日はネイルに行ける」と思うだけで、学校の仕事も頑張れた。あのときネイルがなかったら、私つぶれてたと思います。「綺麗は心を救う」って身をもって知った体験でした。

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Q、あなたにとって人生の目的とは？
A、一度きりの人生、大切な人たちと心豊かに生きること。

Q、10年前の自分に教えたいことは？
A、当時の自分は学校教諭一筋だったけど、「辞めてもいいんだよ。もっと楽しい世界があるんだよ」って伝えたい。今いる環境が苦しいのであれば、枠から一歩出てみること。勇気いるけど、出てみたら新鮮な生活が始まっていくから。心と体を壊してまでやるべき仕事なんて、ないです。

Q、あなたにとって「稼ぐ」ってどういうこと？
A、4歳の私の娘から80代のお客様まで、女性も男性もネイルを本当に喜んでくださいます。この仕事を通して、綺麗なものに人は価値を感じるんだって確信しました。私はその価値を提供した分、お金をいただいています。「綺麗にしてくれてありがとう」という思いそのものだから、こちらも「ありがとう」という思いになる。なんてWin-Winな仕事だろう！って誇りと喜びを心の底から感じています。

（KiyomiさんYouTubeより）

Q、「凡人だから無理」と思っている人に伝えたいことは？
いやいや、みんな凡人ですよ（笑）。人間って9割が凡人。2％がギフテッドと呼ばれる天才、8％が秀才。ある本にそう書いてあって、「なんだ、みんな凡人じゃん！」って気づきましたね。だから大事なのは「凡人の自分」をどう磨くか。私も、個人で事業始めたり、海外移住したりして、よく「勇気あるね」って言われます。でもね、これは勇気じゃない。覚悟です。人間、覚悟と継続があれば目標叶えられるんです。

海外トップネイリスト　Kiyomi

Q、心の底から信じてることってある？
A、私、弱い自分を変えたくて中学校でソフトボール部に入ったんです。喘息を心配する周囲の猛反対を押し切って！でも、いきなり監督から「お前はバッターボックスに立つだけでいい。体が小さくてストライク入らないから。フォアボールで塁に出ろ」って言われてね。悔しかった。だから、毎日筋トレとランニングしたんです。自分との約束でした。

そうしたら少しずつ筋肉がついて、体も大きくなって、人生激変。自信がついたから生徒会長、ソフトボール部の部長にもなった。しかも、ピッチャー4番のホームランバッターにもなったんです！だから信じてます。「小さな自分との約束」を守って継続すれば、いつか必ず実る。私がそうだったから、みんなできます！！（笑）

（KiyomiさんYouTubeより）

Q、自分の性格で1番好きなところは？
人生に対してポジティブなところ。実は私、4年前に難病の「潰瘍性大腸炎」と告知されたんです。食事制限で大好きなフルーツもたくさんは食べられません。でもそれって悪いことじゃない。おかげで今、ブルーベリー1粒の美味しさをめちゃくちゃ深く味わえるんですよ。本当に感謝です。

（KiyomiさんYouTubeより）

私ってもともと「変えられないことを嘆いてる時間がもったいない」って考えるタイプで。病気を告知された時も、2日間くらいは落ち込んで泣いたけど、えいやっと切り替えましたね。今は「なんとかする方法」を見つけながら、海外生活もビジネスもやりたいようにやってます。とにかく、人生の時間を無駄にしたくない。楽しみたい気持ち満々です！（笑）

Q、大切に持ち続けているものはある？
A、「だるま」です。手に乗るくらいの小さな縁起だるま。不登校になって初めて登校できた日、両親と一緒に目を入れたものです。「学校行けたね、偉かったね」って。もう片方の目も、小学校卒業の時に入れました。みんなに支えられて成長できた証。今でも私のお守りです。

Q、これからの夢は？
A、家族3人英語ができるので、地球のいろいろな場所に住んでみようと思っています。マレーシアの次はフィリピンやバリ島もいいし、数年後はニューヨーク、ヨーロッパにも行きたい。いろいろな国・地域を回って、現地のネイル文化や技術を発信するつもりです。

オンラインスクールも、地球規模の活動イメージで「Earth」って名づけました。私だからこそ提供できるコンテンツをどんどん生み出していこうと思って、ワクワクしています！

Kiyomiさんのリンク：
(Instagram)  海外発トップネイリスト／ネイル講師　Kiki きよみ
(YouTube) 海外トップネイリスト Kiyomi
(公式LINE)  Kiyomi  

取材日：2023年4月20日