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【ラノベ】『無敵な聖女騎士の気ままに辺境開拓1』を読んで


■はじめに

この記事は「HJ文庫公式レビュアープログラム」に基づいて執筆されています。

では、さっそく5月31日発売の新作を見ていきましょう!
今回、読んだのは『無敵な聖女騎士の気ままに辺境開拓1』です。

■作品紹介

 まずあらすじを確認してみましょう。
 文庫本巻末のあらすじでは、以下の通りです。

無茶ぶり辺境任務を圧倒的実力で楽しく解決!

名誉ある聖女騎士となったものの師匠の無茶ぶりで初任務が辺境開拓となった少女ジナイーダ。魔物討伐から結界の維持、村の発展にと新人には不向きな仕事ばかり。しかしジナイーダは修行で身につけた自分の力や知識をやっと発揮できると大はしゃぎで!?
「私、ジナイーダが、村を復興してみせます!」
どんな魔物が現れても聖術と剣技で、人手が足りず荒れた畑にも錬金術の高度な知識でジナイーダは無双していく! 
常識外れな新米聖女騎士による、笑っちゃうほど爽快な農村復興計画開始!

「辺境開拓」「高度な知識で」「無双」と、このあたりのワードからコンセプトはきわめて明快に読み取れます。これらは別段めずらしくもないように見えますが、一点だけ特異な点があります。

この作品は、女性主人公である、ということです。

男性向けライトノベルにおいて女性主人公は稀有で、マンガやアニメのそれとは比ではありません。
後に述べますが、この作品の真髄はこの主人公の少女ジナイーダちゃんに集中しているように思えました。

■本作の魅力

主人公ジナーダちゃんは、明るく前向き天然で〇〇なキャラクターです。
こう続くと、〇〇の部分には「ドジ」とか「おっちょこちょい」と続きそうなものですが、そうではありません。なんと、ここにつづくのは「有能」なんですね。

女社会で、チクチクとした嫌がらせを受けても、それにまったく気づかず自分で問題解決してしまい、むしろ成長の糧としてしまうような豪胆さを持ち合わせた子です。このキャラクター造形は新しいなと思いました。

男性は、ほぼ登場しません。モブに近いキャラはいるのですが、人格を持ったネームドキャラとして物語に関与することはありません。おそらく、こういった作品を好む方には百合の愛好家も多くいると思われるので、そういった点では安心感があるでしょう。

読んでいると、女の子たちがワチャワチャと騒いでいる楽しそうな絵が自然と浮かび上がりました。こういう作品はメディアミックスと相性が良さそうですね。

加え、ファンタジー×辺境という要素は牧歌的で、産業社会に疲れた我々男たちの癒しにはピッタリです。

総じて、まるできらら系のような作品だと思いました。

人生に疲れている人や、女の子同士でキャッキャッと騒いでいるのを観るのが好きな読者にオススメです。

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