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GREATEST HITS


ここ1か月はエアロ漬けでした。

ということで、本日の“こずや”のBGMはエアロスミスの最新ベストアルバム『グレイテスト・ヒッツ』です。

私が購入したのは、3枚組44曲入りのバージョンです。

私が高校生だった頃は、ザ・ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、そしてエアロスミスと…ワルなイメージのブルースが根底にある泥臭いロックバンドに夢中になっていました。

中学3年生の時にエアロスミスにとって初の全米ビルボードアルバムチャートNo.1に輝いた『Get A Grip(1993年作品)』を聴いて衝撃を受けたのが始まりで、それからずっとファンを続けています。

私がロックを聴き始めたのもこの頃なので、私にとってのロックと言えばエアロスミス…というぐらい重要なバンドです。

それから『PUMP(1989年作品)』などゲフィン時代を遡っているうちに、テレビでウッドストックフェスティバル’94のLIVE中継を観たり、ゲフィン時代のベストアルバム『BIG ONES』を買ったりと…より一層エアロスミスに夢中になっていきました。

私が高校3年生になった1997年に『Get A Grip』以来の新作『Nine Lives』が発表されるまでに何とか70年代の作品まで遡り、最後に聴いたのが1973年のデビュー作『AEROSMITH(野獣生誕)』でした。

私にとって初めてのプロのミュージシャンのLIVE体験となったのが、高校卒業祝いに行った1998年3月8日のエアロスミスのナイン・ライヴズ・ツアーです。

場所は東京ドームで、その日のセットリストは忘れもしません…、

01.NINE LIVES
02.LOVE IN AN ELEVATOR
03.FALLING IN LOVE
04.MONKEY ON MY BACK
05.ANGEL
06.LIVIIN’ ON THE EDGE
07.TASTE OF INDIA
08.JANIE’S GOT A GUN
09.RAG DOLL
10.PINK
11.DRAW THE LINE
12.FALLING OFF
13.STOP MESSIN’ AROUND
14.BACK IN THE SADDLE
15.KISS YOUR PAST GOODBYE
16.WALK THIS WAY
17.NOBODY'S FAULT
18.DREAM ON
19.CRYIN'
20.DUDE
21.FULL CIRCLE
22.WHAT IT TAKES
23.SWEET EMOTION~DAZED AND CONFUSED

…でした。

プロはこんなに格好良いのかと感激したものです。

それから半年後に名作曲家のダイアン・ウォレンさんが作った映画『アルマゲドン』の主題歌「ミス・ア・シング」がエアロスミスにとって初の全米ビルボードのシングルチャート1位に輝くという…第2次黄金時代のピーク時でした。

エアロスミスのドラマーはジョーイ・クレイマーさんです。

表向きレッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムさん直系のハードヒッターなのですが、下半身が重量級でハードロックしているのと同時に粘りがあってファンキーなのと、上半身がやけにスウィングしまくっているので…その結果、独特なグルーヴを形成していて、それがエアロスミスを他にはないオリジナルなバンドに仕立て上げています。

そして、今年はエアロスミスデビュー50周年です。

50年経ったのに、現在もオリジナルメンバー5人が在籍していることになっている奇跡的なバンドです。

70年代後半から80年代前半はギタリスト2人が脱退して違うメンバーでやっていた時期もありましたが、それ以外はトム・ハミルトンさん、ブラッド・ウィットフォードさん、ジョー・ペリーさん、ジョーイ・クレイマーさん、そしてスティーヴン・タイラーさんの5人で存続しています。

ただし、ここ5年近くはLIVEでのドラマーがジョーイ・クレイマーさんじゃない場合が多くなっているのが残念です。

もう叩けないのかなぁ…。

私が観た1998年3月8日のLIVEでもどの曲だったかは忘れましたが、半拍遅れになってもジョーイさんは気づかず、周りのメンバーが必死に合わせたり…ということはありました。

プロでもこういうことがあるのか…と思ったものです。

エアロスミスのバンド結成は1971年で、1973年に『AEROSMITH(野獣生誕)』でデビューしたわけですが、ちょっと失礼な気もするこの邦題は間違いなくスティーヴン・タイラーさんの顔を見て閃いたのでしょう…という分析もまた失礼な話です。

しかし、このデビュー作は1973年当時、日本では売れないと判断されてお蔵入りになってしまいました…これもまた失礼な話です。

何とか日本でデビューを果たしたのが1974年で、2ndアルバム『Get Your Wings(飛べ!エアロスミス)』なのですが、この邦題のせいで“こんな音楽では飛べない”みたいな批評をされてしまう始末……本当に失礼な話です。

この後、やっと『野獣生誕』も発表されましたが、なかなか売れず…。

『野獣生誕』なんて、名曲「ドリーム・オン」や「ママ・キン」が収録されているのに…残念な話です。

要するに、バンド結成から4年は苦労期間だったということです。

同時期にデビューしたブルース・スプリングスティーンさんは既にスターの仲間入り間近でしたし、クイーンやKISSは、エアロスミスよりも派手さやインパクトがあって新世代感もあったので、先を行ってました。

でも、エアロスミスは地道に継続したLIVE活動の評価が高く、ジワリジワリとファンを増やしたウォーミングアップの時期になりました。

1975年になると、上記の他のアーティスト達と同じく、エアロスミスも大ブレークします。

1975年の3rdアルバム『Toy’s In The Attic(闇夜のヘヴィロック)』で、前作『飛べ!エアロスミス』からプロデューサーとして参加していたジャック・ダグラスさんとの共同作業によって第1次黄金時代に突入しました。

この当時は今とは違って、デビュー作で華々しく登場するアーティストは少なく、3作目のアルバム辺りで真価を発揮してスターになる…みたいな形が多かったです。

その後『ROCKS』、『Draw The Line』と名盤を毎年のように連発します。

…といったように50年の歴史を書き連ねると大変なことになるのでここまでにしておきます。

直近のアルバムは2012年の『Music From Another Dimension』で、あれから11年も経ちました。

残念なことにこのアルバムは大ヒットはしませんでした。

それも、このアルバムは、その前作『Just Push Play』から同じく11年の期間が空いていました。

エアロスミスのメンバーも70代…シンガーのスティーヴン・タイラーさんは75歳で日本で言う後期高齢者です…後期だなんて普通に考えると失礼な肩書です。

50周年記念にかろうじて発表したのが新曲なしのベストアルバムです。

最近始まった“さよならツアー”もスティーヴン・タイラーさんが血を吐いて延期になってしまいました。

このような状況ですから、エアロスミスもそろそろフィナーレかな…とも思ってしまうわけです。

でも、今回の『グレイテスト・ヒッツ』は、変な新曲を無理して作るより、潔く過去の名曲群でまとめたベストアルバムで良かったのだと思います。

まず、音が凄く良い…そして、改めて1973~77年と1987~1997年のエアロスミスはとんでもなく凄かったと認識させられます。

この時期のレベルの作品を作るのは誰であっても難しいことですし、本人達もそのレベルを超えられなくなったから新作を作らなくなったのだと思います。

これまでどんな苦境に立たされても華々しく乗り越えてきたエアロスミスがどのような結末を迎えるのか…ということも想像しつつ、偉大な歴史を素晴らしい音で振り返ることができる幸せを噛み締めています。

エアロスミスの全盛期を私の場合は第2次ではありましたがリアルタイムで体験できたという幸運に感謝しつつ…あぁ~ステキ♪。

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