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ISVの元現場責任者が考える資格について

会社やプライベートで定期的にこの話が出るので、資格試験についての考え方をまとめてみます。

最近のTwitterを見てても大きく四つに区分されるのかなと思います。

  • 資格も取って業務もバリバリ

  • 資格はないが業務はバリバリ

  • 資格はあるが業務はザンネン

  • 資格もないが業務はザンネン

どの視点で話しているかや、上の人がまわりにどれだけいるかで人が話す内容って変わるのかなと思っています。

今回は各目線や自分の経験を少し書いていくので何か参考になれば幸いです。

経営側の目線

弁護士や司法書士のように資格がなければ働けないというものがITではほとんどないので大局的に見れば資格など不要と判断されることが多いと思います。
審査を受けるための条件であり必要なケースやバックオフィスなどでは必要な資格があったりします。そういったものは会社で支援することがほとんどかと思います。
業務観点ではITの場合にパートナーと円滑に物事を進めるためには必要なケースなどもあったりするので会社として施策をとるケースが多いです。

管理職の目線

私の場合ですがSIerに有資格者の人数求められるし、仕事の質が向上したり、調査工数が減るというのであれば是非頑張ってほしいというスタンスでした。
仕事さぼって勉強するとかはさすがにどうかと思いますが、あちこち壁にあたってパンチドランカー状態になるのであれば、ある程度準備してから望めばいいと思うし、頑張った仕事で得たものを資格という形で証拠を残しておくというのでも取得者個人的にもメリットが強いのでお勧めはしています。

飴と鞭の世界だと思うので、鞭だけでは動かないので資格報奨金制度を何社かで作っていますが、どこの会社でも金額のTOP5に自分が入るので自分のためにやっていると思って突っかかってくるのが一定数いますが、経営側のメリットとか話しても通じない人の場合はお金に関する興味はあるが頭はよくないというフィルターになるので、今後注意すべき人間だということがわかり便利です。

1on1などで資格試験を話してくる若手もおおいですが、何をしたいというのも透けて見えるし、会社内の第三者への再説明が不要になるので、管理者としてはありがたい視点になります。資格とれとれとやっても取らない人間は取らないので、パートナー会社との関係性などを考慮して、後述する某社のように資格しないと出世(プロモーション)させないというのも理解できます。

個人の視点(SIerやコンサル観点)

続いては当事者の視点を書いていこうと思うのですが、自分の現職によって考え方が違うと思うので、ペルソナとしてSES→コンサル→ISVという私の実体験を書いていきます。

SESの時

自社に愛社精神はなく、現場をたらい回しにされるリスクを考えたら大手に勤めて少しの安定といい給料をもらいたいと考えてました。
学歴や職歴は自分で変えようがないので、書類審査で落ちる可能性を減らすために資格を取ろうというマインドでジタバタしはじめたことを覚えてます。

私はITの中でも基幹システム系がメインのキャリアだったのでSAPに集中することを考えてた時期もあったのですが、とある会社で3年ほどキャリアを無駄にしたので、Microsoft技術に骨を埋める覚悟をしました。

とりあえず一番難易度高い試験受かっておけば転職はなんとかなるんじゃね?という考えで試験を選定してMSTEPの試験対策講座を受けたところ、今ほど難易度高くなかったのでサクッと受かりました。(70-346.70-347という試験でAzureADがある程度わかって、1からM365の設計した人なら7割はとれた。)

※結果として外資コンサルに受かりましたが、SES時代にやってた案件で当時のコンサルの方に誘われて現職で働いているので役に立ったようなそうでないような、、、

外資コンサルの時

上記の資格取得してから転職活動をしました。ある程度の役職で入れば話は変わってくるのですが、前職給料が低かったので下から2番目の役職で採用されました。

MSのMVPで尊敬している某氏が1ヶ月前に入社されていたので役職見たところ同じだったので「この会社すげえなぁ!やっていけるか?」と思っていましたが、どう考えても役職の設定ミスというのがオチでした、、、

この会社では下の方の役職ではポジションが上がるための条件としてMCP試験の合格がありました。
理由としては現場や経営目線で言えば若手であれば広い視野を持って現場で学ぶための下準備をする意味と資格ホルダーなので顧客に対してバリューを出しやすいということなのかと思っていました。

当事者目線としては30過ぎて数万人案件とかリードした経験や資格持ってるのに同じ括りにされて、あちらは雑用でこちらはがっつり案件リードしていて、なんで同じ給料なのかわかりませんでしたし、あちらの方が出世が早かったので馬鹿らしくて辞めました。
感情が出るタイプなのでもともと向いていないのはありますが、人に丸投げするのが嫌いな性分なのでとてもウマが合わないチームでしたし、ウマがあった人間はみんなすぐに退職していまは定期的に情報交換してます。

外資ISVの時

M365関連製品である自社製品や付随する役務だけ売っていた会社なのですが、私はM365の導入を丸々受けて自社のベストプラクティスを入れていこうという仕事をやっていました。

クライアントはグローバル企業の日系の大手で、海外の各拠点のIT担当も出てくる仕事だったので、自己紹介のときにキャリアや資格の話をしたのが効果的だったかなと思います。

SIerと仕事をすると会社の調査で資格取得者人数を聞かれますし、案件によっては経歴サマリーまで求められますので、M365は上の資格がありますし
、MS-500/AZ-500あたりも取得していたので、資格を重要視するお客様とはそれなりにやってこれたのかなと思ってます。

さいごに

ここ10年近くはMicrosoft 365の新規導入にかかわることを年に1件以上やっていたのでMS系に限った資格についてSIerやコンサル側の視点で書いてみました。

上に書いたSESの前は情シスやっていたので個人情報保護士とかIPAなんかもとりましたし、その前は駐車監視員とかホームヘルパーとか映像音響処理技術者とか今の仕事と全く関係ないのも取っています。

一般論でいえば社会人としては簿記3級(最低限の数値の知識)とFP3級(お金と人の生活の知識)とITパスポート(PCの知識)ぐらいは理解しろという会社が非常に多かったです。
また秘書検定2級(社会人としての知識)レベルは知っておくと人間として重宝されますのでおススメです。
※そのうちこのあたりも掘り下げて書いてみたいと思います。


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