見出し画像

リアニメイトで高い勝率を目指して。~16thKMCITを終えて~

あけましておめでとうございます。
関西圏のレガシー大会でリアニメイト系デッキを使用しているさんよーちゅうと申します。
前回の記事が予想より多くの方に見ていただけた事から、再びリアニメイトデッキについての記事を書きたいと思い筆を執りました。
今回は私がプレイするとき・デッキを作成するときに大事にしている点について書いていきつつ、1/7にあったKMCITの感想に加えちょっとしたカード紹介をしていこうと思います。

★大きな更新のご案内
・2023.01.13 19時 無料部分を修正しました(内容:少数アーキタイプ戦だった5回戦も無料範囲に変更)
・2023.01.14 12時 本文の最後に章を追加(内容:「高い勝率を目指して」という大見出しを追記)

自己紹介

KMCプレイヤー紹介から

安定思考のリアニメイトデッキがとても好きな為、「早さこそは命」という方とは相容れない考えかもしれません。
「こんな意見もあるのか〜」と受け止めていただけると有り難いです。

■直近の戦績

12/10 148th KMC (参加者94名)
5-2 (勝率71%)
12/11 Eternal Party 2022 in Osaka (参加者?)
6-1-1 SE1× top8 (勝率75%)
12/18 くじから東大王(参加者25名)
3-0-2 SE1× top8 (勝利75%)
1/7 16th KMCIT (参加者38名)
4-2 (勝利66%)

勝率そこそこなので今のうちにアウトプットしておこうと思います。
勝ち切れてはいませんがカードゲームは運の要素が大きく振れ幅次第です。
一定の勝率があるならそのうち下振れがない日に優勝できるものです。

本記事は基本無料で読めます。
最後に有料部分がございます。
もしこの記事がよかったと思っていただけたならご支援よろしくお願いします。

【リアニメイトデッキの基本方針】

■リアニメイトデッキとは

まずリアニメイトとはどう勝つデッキでしょうか?
箇条書きすると、
①リソースを使って墓地にクリーチャーを落とす。
②墓地からクリーチャーを釣り上げる。
③釣り上げたクリーチャーで戦闘しライフを0にする。

この様になります。

多くの方はこの①と②の動作を「暗黒の儀式」などのマナ加速を使って最速でプレイし、直ぐに勝ちたいと考えます。
しかし実際には③の様に戦闘を介する必要があるためANTやDDFT(ドゥームズデイ)、スパイ、ベルチャーと言ったワンキルデッキの様にコンボが決まった瞬間に勝つことはできません。
概ね大型クリーチャーを釣り上げれば勝ちなので認識として間違っていませんが、苦花さながらの2ターンキルデッキといった具合なのがリアニメイトデッキとなります。

その為、実際にリアニメイトデッキを回すに当たって一番重要な事は負けるまでにより確実に釣り上げる事だと考えています。

どんなマッチアップでも大型クリーチャーを釣り上げれば概ね逆転するのですから、敗着のギリギリ手前まで猶予があるのです。
そこまでに確実にリアニメイト出来るプレイラインを取れる、そんな構成にして勝てるサイドプランを含めた視野で75枚を構築すべきだと考えています。

■最速は正義です!

と、書きましたがメイン戦において、先手でありマナ加速から最速でリアニメイト出来る手札が揃ったのなら、(ハンデスなどで前方確認出来なくても)最速でプレイするのが正解なのは間違いありません。
令和レガシー環境において「意志の力」「否定の力」に「忍耐」というピッチスペルを採用したデッキは環境のシェア率から十分な数います。
しかしこちらが最速のリアニメイトプランを引き込んで相手に妨害があると言うパターンは意外と少ないはずです。
なんならお相手はコンボデッキだったりストンピィデッキの可能性もあります。
必要勝率が高いのだからオールインすべきところです。
先手なら臆せず最速のプレイをしましょう。
ではそうで無い時はどの様な指標を持ってプレイするべきでしょうか?

■リアニメイトデッキのキープ基準

基本的な赤黒リアニメイトデッキは
①に対応した墓地へ送るカードを8枚(「納墓」「信仰無き物あさり」)
②に対応した釣竿カードを8〜12枚(「再活性」「死体発掘」「動く死体」)
を採用しています。
キープorマリガンの選択では、両方ともにあるのならキープです。
しかし実際には都合よく両方あるハンドが配られない事も多く、妥協すべき基準が必要です。

構築段階で①のカードの方が枚数が少なく、クリーチャーを墓地へ送らなければリアニメイト出来ない点から、基本的には①のカードがある手札はキープ基準に加点されると考えれます。
例えば、「信仰無き物あさり」+クリーチャーがあるなら、(②の釣竿がない場合でも)他の補助カード次第でキープ出来ます。

また「暴露」や「思考囲い」があれば自分自身を対象とし、ハンデスをすることで無理矢理クリーチャーを墓地に落とすことも可能です。
これはアドバンテージを大きく失うためバックアップ出来るカード次第になります。
が、一度墓地へ送ってしまえばメインボード戦では殆どのデッキが対処出来ません。
この部分で重要なのは「信仰無き物あさり」以外にもハンデス呪文を引けば①の動作が出来るという点であり、クリーチャーが手札にあることもキープ基準に加点できるという事です。

他にも後手の時はナチュラスディスカード(クリンナップフェイズに手札を捨てる事)によってカードを捨てる事が出来る為、後手の最初だけは追加の判断基準が生まれます。
ただしこのキープは対戦相手が速いコンボデッキだった場合や、ハンデスによってナチュラルディスカードが遅れてしまう場合に裏目となります。
その為マリガン寄りですが釣竿が沢山あり、マナソースが確保できる場合は①の手間が省けるので検討出来ます。

この様に基本的にはリアニメイトする為の下準備が出来るか?がキープ判断の基準となります。

他に妥協案として優秀な「悲嘆」+「再活性」があるパターンもキープの検討が出来ます。
これはあくまで遅滞戦術です。
「悲嘆」を吊り上げて殴り勝てるほど令和のレガシーは甘くありません。
追って大型クリーチャーをリアニメイト可能なカードがある時(キーカードの一部がある時)と、対戦相手のデッキを知っていて有効だと判断できた時にキープしましょう。

■マナ加速やピッチスペルは2回行動の為のカードです

このマリガン基準を見て「暗黒の儀式」や「水蓮の花びら」はキープ基準に関係ないのか?と疑問が湧くと思います。
これらのマナソースはリアニメイトデッキの長所である「軽いスペルで構成されたデッキ」という点を活かした1ターンに複数枚の呪文を唱える手段に用いる補助カードです。
①②の役割を持ったカードに加えて引けていなければならないカードであって必須という訳ではありません。
(ANTやTin Finsなどはストームカウントがコンボに関わる為、ベルチャーやスパイはマナソースがカツカツな為、必要ですがリアニメイトは違います)

これらが重宝されるのはハンデス呪文をプレイしたり、わざと「納墓」等を打ち消させた上で①②の呪文を連続で唱えたい時や、「目くらまし」等のソフトカウンターを避けたい時になります。

加えて「暴露」「悲嘆」も複数回行動の補助カードになります。
ピッチスペルによるハンデスを経て土地のみで①②の連続行動を行う際や、「納墓」を確実に通したいゲーム最序盤にプレイして、リアニメイト呪文が機能する盤面を作り上げるためのカードとなります。

ここまでが大まかなキープ基準の指標です。
しかし、実戦ではさらに追加で考える事があります。

【より多くの情報から考える】

■テーブルトップ特有の雰囲気について

実際の大会ではテーブルトップ特有のデッキがわかった状態での対戦が多くなります。
その結果さらに別のキープ基準に従ったキープと勝つためのプランが必要になってきます。

レガシーでは同じデッキを使い続けるそのデッキのプロフェッショナルが多く、名前や顔だけでデッキがわかることがあります。
また大規模な大会であってもラウンドが進むと自ずと各プレイヤーの使うデッキが目に入り、対戦開始前からデッキがわかっていることがあるはずですし、シングルエリミネーションなどデッキがわかっていて当たり前です。

■リアニメイトから見た注意すべきアーキタイプの分類

そんな時どの様なキープ基準を採るかは対デッキタイプ毎の経験値によって変わります。
大会に出続けなければあまり感覚を得ることは難しいかもしれません。
しかし、事前に備えることは出来るはずです。

考えるべき大まかなタイプ分けは、
①打ち消しがある、非コンボデッキ。
②打ち消しがある、コンボデッキ。
③打ち消しがない、非コンボデッキ。
④打ち消しがない、コンボデッキ。
⑤虚空の杯とヘイトカードデッキ。
⑥カラカスとヘイトカードデッキ。
⑦その他のヘイトカードデッキ。

およそ7区分ぐらいあるかと思います。
各々のアーキタイプに対してリアニメイトが考えるべき事を箇条書きします。

■追加情報によるキープ基準の変化について

例えば①②は青いデッキであり、前者はURデルバーや4Cコントロール。
後者はスニークショー、アルーレンを思い浮かべてください。
これらのデッキは妨害やデッキの中核となるコンボパーツ目掛けてハンデス呪文をプレイしたいマッチアップです。
相手の「意志の力」を使わせるために「納墓」を使うなんてブラフも必要になります。
①に対しては前述のナチュラルディスカードで下準備にリソースを裂かなければすぐにリアニメイトにリーチがかかります。
それぞれ死ぬまでの猶予がバラバラな為、アーキタイプ毎のレンジをしっかりと見定めたキープが出来ればリアニメイト側は勝てるはずです。
(※DDFTだけは少し速すぎるので④に似たキープを考えなければなりません)

③の場合は「エルフの開墾者」や「輪作」から「ボジューカの沼」、「忍耐」のような対策カードに気を配る緑カラーがある一方、
ヘイトベアーのいない部族デッキ(ゴブリン)やバーンなどとても速いクロックを有するデッキタイプがあります。
即死はなかなかしない為、どこで負けるかを理解して確実にリアニメイトするプランの組み立てが必要になります。

一方でリアニメイトやスパイ、ANTにエルフといった④のタイプは敗着の瞬間が早く、速度を意識したキープが必要になります。
前述のキープ基準では必要ないと割愛したマナ加速をしっかり探し、「暴露」を自分に打って最速で釣り上げるルートも検討したキープorマリガンをしなければならないでしょう。
「悲嘆」+「再活性」の2枚ハンデスプランも相手のクリーチャーを奪ったり、遅滞戦術が間に合うと判断すればキープの候補にあがります。

さらに⑤に至っては先手後手でキープ基準は天と地の差が生まれます。
後手では「虚空の杯」を許容出来るハンドを探す必要があるからです。
1マナスペルで多くを構成している都合この部分のキープ判断は致命傷になりかねない為とても重要です。

⑥については流行りのイニシアチブやDnT(デスタク)のような苦手なカードへの立ち回りについての検討が必要なデッキになります。
「グリセルブランド」が無効化される「カラカス」は脅威ですがリソースの回復には必要であることを念頭に置き、ライフと相談しながらプランを組み立てましょう。
また相手側からリアニメイトするプランも有効ですが、この場合は相手側の除去が豊富なことも覚えておかなければいけません。
折角釣り上げても無駄死にされては勝てません。
対戦相手の手札確認がとても重要なマッチアップとも言えます。

⑦については8castの様な打ち消しのある苦手カードてんこ盛りデッキや、メタ外のローグデッキになります。
例えばヘルムヴォイド。
このマッチアップはメイン戦を諦めるレベルですが、ハンデスで相手の墓地にクリーチャーを落として吊り上げて殴り続けたり、「悲嘆」や大型生物を暗黒の儀式を活用して素出しするなど、とにかく小さな勝ちの芽が存在しています。

大まかなタイプ別を見て、前項のキープ基準の下でプレイして問題のないアーキタイプであればその通りで構いません。
しかし、コンボデッキの様なキルレンジの速いデッキに対してはこちらもある程度速さを主体にしなければ負けてしまいます。
また苦手な「虚空の杯」や「カラカス」を考慮したプランを必要とする場合もあります。
タイプ毎にどうすれば負けるまでにリアニメイト出来るかを考え、勝つ為の流れが思い浮かべられるハンドをキープしましょう。

【実戦で意識する事】

では実際にレガシー環境で立ち回るためにはどの様な点に意識を向けてプランを考えるべきでしょうか。
前述のアーキタイプ別の戦略に加えて次のことを意識するといいと思います。

■ライフリソースの重要性

ここではまず、負けるまでに勝つ為の重要なファクターとなる「ライフリソース」について書きます。

殆どのデッキにとってライフはアドバンテージに含まないものと考えられています。
しかしリアニメイトにとってはライフポイントは大きなリソースです。
何故なら「再活性」と「グリセルブランド」という2枚の中核となるカードがこのライフを大きく活用するカードだからです。

古くはターンが経過すると「再活性」が使えなくなるからリアニメイトは早く釣らないとダメ、という考え方がありました。
現在は「悲嘆」を新たに得たことで擬似思考囲いの様に使えますし、クリーチャーの性能が上がった現代戦では相手から奪うことでも活躍します。
また「グリセルブランド」と「残虐の執政官」というライフを回復出来るクリーチャー二種により、一度戦闘すればライフが安全圏に戻りますので以前ほど悪くはありません。
が、それでもライフが一定値を下回ると「再活性」は死に札になります。

「グリセルブランド」も同様で釣り上げたら必ず能力を使う、なんて事をしていたら上手く絆魂を封じられた時にライフが少なすぎてゲームを落とすなんてこともあるでしょう。
対戦相手のデッキタイプを見極め、URデルバーやバーンの様な手札よりライフに余裕があれば勝率の上がる相手には無駄な能力起動を控えたプレイが必要です。

フェアデッキ戦となる場合はこのライフリソースに重きを置いてプレイを心がけます。
どこで「再活性」が使えなくなるか見極める必要があります。
「グリセルブランド」の能力を使用すると除去された時負けないか?などを考えなければいけません。
釣り上げる対象を「残虐の執政官」に切り替えるなど、ライフの切迫具合で勝つ為の大きな舵取りが必要になることを理解してゲームプランを修正しましょう。

■「信仰無き物あさり」等のコストについて

一枚使うと手札を一枚減らす事からクリーチャーを落とせない「信仰無き物あさり」はただのディスアドバンテージカードになります。
しかし手札入れ替えはデッキを回し、勝つ方法をもたらしてくれるとても重要なカードです。
残すカードの枚数が足りない場合を除いて、無意味な温存は避けて積極的にプレイするのが良いでしょう。

このカードの取捨選択はとても難しいです。
例えば土地が2枚でも「暗黒の儀式」+「再活性」とあるときにフラッシュバックで唱えるとデッキトップ次第でそのまま釣り上げる事が可能です。
この様に状況判断が一部運任せではあっても勝ちに導く可能性のある組み合わせがたくさんあります。

「悲嘆」「暴露」「信仰無き物あさり」で捨てたり追放するカードは常にこの後どう引いた時、どの様な最大値が発生するか頭の片隅に置いてプレイしなければいけません。
この部分はレガシー特有の死に覚えです。
捨てるカードが違っていたらどの様な展開になっていたか?
大会での感想戦(振り返り)によって身に付けていく部分かと思いますので、大会で色々なアーキタイプと戦って経験値を稼ぎましょう。
(前述の「暗黒の儀式」+「再活性」はつい最近EWEAsiaでやらかしました。反省)

■サイド戦の危険性を理解する

レガシーのサイドボードを考える時、「墓地対策を何枚にするか?」で悩むのは万国共通ではないでしょうか?
「採用するか?」ではなく「何枚にするか?」で、です。

墓地対策はレガシーのサイドボードに必須であり、リアニメイトはこの必須枠によってほぼ100パーセントサイドカードの対抗策を用意しなければ勝ち残れないデッキとなります。
その為、サイド戦ではメイン戦では気にしていなかったマイナスのプレイをしっかりと念頭に入れたコストの取捨選択が必要になります。

「信仰無き物あさり」からクリーチャーや釣竿を落とす時は「外科的摘出」で対象にされた時にどの様な不都合が発生するのか考える必要があります。
「実物提示教育」や「要塞の計略」と言った手札経由の踏み倒しサブプランを採用する場合はこの部分に特に注意が必要です。

サイド後は釣り上げる対象を取らない「死体発掘」の存在は大きく、墓地にクリーチャーを送る場合は2種類以上の大型クリーチャーを用意したいところです。
この「死体発掘」が対象を取らない事を利用し、墓地対策カードの処理後に「納墓」をプレイすることで新たに落としたカードを釣り上げられるプランを活用しましょう。
これはよく使う小技なので畳み掛ける際はハンデス呪文だけではなく、追加の「納墓」待ちになることも頭の片隅に置いておきましょう。

【一番大切なデッキ構築について】

いよいよここまで書けました。
私がリアニメイトデッキを使う時最も大事だと考える部分。
それこそがサイド込みのデッキ構築になります。

まず前提として「メイン戦はリアニメイトして勝って当たり前」なのです。

前回の記事で2022年はリアニメイトが勝ちにくい環境から勝ちやすい環境へ変遷したことについて触れましたが、通常は実利のない墓地対策カードはメインボードに入りません。
「死儀礼のシャーマン」の様な利害の一致した設置型の妨害がtire1にあるならリアニメイトは好んで選択できませんが、現行環境で総合力の高い継続的な墓地対策カードはメインボードにありません。
設置型のカードとして「エルフの開墾者」や「魂標ランタン」はありますがいずれも使い切りです。(これをエムリーで使い回せ、「虚空の杯」まで採用出来る8castは稀有なデッキでした)

「未認可霊柩車」などの墓地対策をわざわざ採用するとそのアーキタイプ本来のデッキパワーを下げてしまい、リアニメイト以外のアーキタイプ別の勝率に悪影響があるはずです。
その為、殆どの場合は墓地対策をわざわざ採用するという考えには及びません。
(招待制の大会や小さな店舗大会で対戦するプレイヤーが固定されており、デッキがわかる大会を除きます)

その為、基本的にリアニメイト側に極端な事故がなく(トリプルマリガンレベルのもの)勝ち筋を理解したプレイを続けていれば、いずれは落とすカードと釣るカードの多さでリアニメイト呪文は通ります。
フェアデッキ相手ならライフの管理さえ間違えなければ勝てるはずです。
アンフェア戦、「虚空の杯」、「カラカス」を使用するマッチアップで立ち回りが要求されます。
この辺りはプレイ次第で勝率が変動しますが、概ね全てのデッキにメインで勝ちやすいのがリアニメイトデッキになります。
「リアニメイト戦は嫌だ」と多くの方が思われますがそれだけメイン勝率が悪い現れです。

ではマッチ勝率の差はどこに出るのかと言うと、サイドボード後の試合運びとマリガン等の事故率に収束します。
大切なのはサイド込みのデッキ構築で、環境を理解した(問題点に向き合った)事故率の低い75枚を組み上げる事。
そうすればマッチ勝率は高いものになると考えています。

■対策の対策を理解する

「サイド戦はメインボードより多く戦うのだからより重要性が増す」というのは有名な話です。
これはリアニメイトにとってより大きな意味を持ちます。

前述の通り、確実に墓地対策が入ってくるからです。
しかも墓地対策カードは種類が多く、各々のアーキタイプによって採用されるカードが分散しています。
知っていないとこんなカードが入るのかと驚いて、そのままこちらが負けます。
死に覚える最たる部分がこの各アーキタイプ別墓地対策候補になります。

設置型継続追放・妨害カード
「虚空の力線」や「安らかなる眠り」「未認可霊柩車」「墓掘りの檻」など
・設置型使い切り追放カード
「大祖始の遺産」や「魂標ランタン」「悔恨する僧侶」など
・継続的な妨害生物(ヘイトベアー)
「封じ込める僧侶」や「ダウスィーの虚空歩き」などのマナコストなしのカード
「漁る軟泥」や「獅子の飾緒」などのマナコストのいるカード
・マナコストなし墓地追放呪文
「外科的摘出」や「フェアリーの忌み者」「忍耐」
・マナコストあり墓地追放呪文
「輪作」「エルフの開墾者」から「ボジューカの沼」、「自然への回帰」など

このアーキタイプならこの対策が入ってくるだろうという目星を付けてサイドボーディングをしなければいけません。
が、ここは本当に経験値の問題になります。
遊ぶ時期によっての流行もありますし(新弾発売時期は顕著になります)実際に大会に出たり、上手いプレイヤーの対策カードのチョイスを参考にして覚えましょう。

■アグレッシブサイドボードの有用性

もし一本目を最速プランで取り、相手のデッキのアーキタイプが絞り込めない場合はどういったサイドボーディングを取るべきでしょうか?
対策の対策カードを入れたくても何が明確は対策なのかわからない場面です。

そんな時は予めデッキの軸をズラすつもりでサイドボードを組む事で墓地対策をいなす事が可能です。
例えば「実物提示教育」はメインの枠をあまり弄らないままに墓地を経由しない強力な別プランが採用できます。
このようなアグレッシブサイドボーディングは相手がわかっていても強力なサブプランとして有用です。
積極的に採用した方が勝率の改善に役立ちます。

ただし大きなサイドチェンジ前提のスイッチプランはサイドの枠を食い過ぎるためあまりおすすめしません。
赤黒リアニメイトでのヘルムヴォイドコンボなどはオーバーキルです。
多色の利がない黒単リアニメイトでは強そうですね。

■サイドプランの実現のために

サイドプランに3マナ域の呪文を採用するのであればそこまで確実に伸ばせるマナ基盤は必須です。
「実物提示教育」を使用するなら土地の枚数は出来るだけ多めが好ましいと考えます。
またそうする事で「信仰無き物あさり」の様なルーティング呪文で土地を気軽に捨てやすくなりますし、フラッシュバックで唱えやすくなるという利点もあります。
前回の記事で触れた「三なる宝球」に強くなる点もポイントです。
土地が多ければマナフラッドし難くキープ基準が広く取れ、安定感向上に役立つはずです。

逆に速度意識のマッチアップであるならば土地はサイドアウト候補の一枚にもなります。
「不毛の大地」や「目くらまし」「呪文貫き」「狼狽の嵐」の様なソフトカウンターがないマッチアップには土地をサイドアウトする事は有効です。

この様な思考から、サイド後を見据えて土地の枚数を多く取る事は許容されて然るべきだと考えています。

■安定感のあるマナ基盤の作成

「黒単リアニメイトは安定感がある」という話を知人のリアニメイトプレイヤーから聞いて頭に大きな引っ掛かりを覚えた事があります。
本質として、手札入替カード(渦まく知識など)のないデッキには分散が生まれるはずです。
赤黒には黒単にない「信仰無き物あさり」がありこの部分で黒単色より若干安定感は増しているはずなのに、本当にそんなことがあり得るのでしょうか?

答えは黒単特有の強固なマナ基盤にあると考えています。
基本沼で構成されたマナソースは不毛の大地の影響を受けない盤石なもので、2,3枚場に並べれば「目くらまし」を気にせず強力なリアニメイト呪文がしっかり唱えられます。
デュアルランドより安心感があり、土地が攻められてキープ基準が崩壊したという経験が多いからこそ、この部分は赤黒リアニメイトにもフィードバックしなければいけない部分だと思います。
そんな理由で、個人的には基本土地優先のマナ基盤を取り入れています。
(単色か多色、どちらが安定感があるかについては各々の考え方があるので深く言及しません)

■サイド後のリソース節約術(サイドアウトカードの選定)

サイドチェンジやプレイの安定化に繋がる要素として私が取り入れている考え方がリソースの節約です。
リアニメイトはリソースを削って墓地にカードを送るデッキです。
メイン戦では墓地対策をほぼ気にしないため全てがアドバンテージを失わない行動でした。
しかしサイド後はこのリソースを余計に消費するカードが邪魔になる場面がしばしばあります。

まず「信仰無き物あさり」ついて。
「外科的摘出」の様なリソースを帳消しにするカードの存在だけでなく、ミラー戦においてはダブルアクションを取れない最序盤は使うに使えないカードになるはずです。
意外と数枚減らすべきカードと認識しています。
(※これは後述する新しいカードがデッキを回す役割を引き継いでいるからでもあります)

また「納墓」については「魂標ランタン」や「墓掘りの檻」がある場合に使うタイミングを逸します。
この様な対策が入ると予想できるマッチアップのために、設置型墓地対策の対策として「悪ふざけ」を採る事で「納墓」は最悪でも墓地対策一枚を処理できるカードとして価値を保てる様にします。

これら墓地へ送るカード以外の部分では「暗黒の儀式」や「水蓮の花びら」「暴露」に加えて多く採っている大型クリーチャーがデッキ全体のリソースを無駄遣いしているカードになります。
前述の通り土地も枠を無駄遣いしている為、早いコンボ相手にはサイドアウト候補となります。
サイドチェンジの際はこれらのリソースを無駄遣いしているカードから優先的にサイドアウトするかを検討していく様にしています。

【KMCITに持ち込んだデッキについて】

と、ここまで色々書いてきた部分を総合して出来上がったのがこのリストとなります。
今回は参加者固定の招待制大会であるKMCITに向けて調整した形になります。

■各アーキタイプ別の耐性強化

誰がどのデッキを使うか大まかな部分が見えている為、採用の多い苦手カードへの対策は必要でした。
まずクリーチャーの枠について。
「カラカス」を使用するDnTと白単イニシアチブに対して伝説のクリーチャー「グリセルブランド」よりも「残虐の執政官」を優先した形になります。

次に釣竿。
白単イニシアチブやリアニメイトミラーにおいて裏目が大きい「死体発掘」を減らし「動く死体」を多く取った10本体制としました。

次に「実物提示教育」のメイン採用について。
前回の記事の通りサイドボードの枠の兼ね合いもありメインに一部を投入しました。
クリーチャーをキープ基準に加えている為、このカードは見た目以上に強いカードになっています。
後から2枚より3枚にしたほうが引きやすかったと後悔しています。
要調整の枠ですが、メインから抜くことは土地の採用枚数から考えても恐らくありません。

■「ダウスィーの虚空歩き」のアグレッシブサイドボード化

以前より強いカードと認識していた「ダウスィーの虚空歩き」ですが、理解が進むにつれてこのカードが墓地対策ではなくアグレッシブサイドボードであるとの認識に変化していきました。
例えば対URデルバー戦において、虚空歩きが定着すれば出てくる生物を「殺し」や「仕組まれた爆薬」で対処すればこれのクロックだけで勝つ事も可能です。

リアニメイトミラーも発生するとわかっており、複数枚重なった時のクロックの大きさも馬鹿にならない為、今回は墓地対策とは別の枠として4枚採用となりました。

■新カード「苦々しい再会」の採用

思えばエタパ大阪もくじから東大王も対戦相手が分かっているにもかかわらず、肝心なところでURデルバー相手に何も引かず負けてしまいました。
大きな敗因に2マナ域の有用なカードの欠落があり、このところは「トーラックへの賛歌」や「悪意の大梟」を採用したり、青を濃くして「渦まく知識」を採用したりと迷走が続いていました。

色々なカードを模索していた時に、ふとTwitterのMOパンダさんが挙げていたリアニメイトの構築の中に採用されていたこのカードが目に留まりました。

赤の手札入れ替えでありながらアドバンテージを失わない点。
打ち消されても唱えた時の追加コストでない為、リソースを損しない点。
虚空の杯に耐性のある2マナ域である点。
おまけの速攻付与が釣り上げた大型クリーチャーをより驚異的なカードに押し上げる点。
これらは非常に噛み合っており魅力的でした。

ひとまず採用して一人回しをしたところ、この「苦々しい再会」はリアニメイトに足りていなかった2マナ域にしっかりとフィットしました。
さらにサイド後は墓地対策のせいで弱くなる「信仰無き物あさり」とは違いアドバンテージを維持しながら手札の入れ替えが出来る為、安心感が違いました。

おそらく今後の赤黒リアニメイトは「納墓」「信仰無き物あさり」「苦々しい再会」を採用した構築になるでしょう。
それほど劇的なカードです。

★リアニメイトで高い勝率を目指して

ここまで長い記事にお付き合いいただきありがとうございます。
私の考えるリアニメイトのキープ基準、デッキを回す上で気をつけている部分、それらを含めて組み上げた75枚について一通り書けたかと思います。

本記事はタイトルにしている通り「高い勝率」に対する筆者のリアニメイト考察記事になります。

現在流行っている赤黒リアニメイトの構築は、非青デッキの宿命である分散を避ける意味でもメインボードは完成されていると感じています。
しかしどうあっても分散は避けられず、サイドボーディングが難しく、マナフラッドが頻発した為、一定の勝率を求めている私にはあまり馴染みませんでした。
その為、この濃度の濃い構築から、「デッキの安定化を図るにはどれだけ薄めていけるか?」を手探りしていく事になりました。
振り返って言語化したものがこの記事になります。

現在の環境はリアニメイトにとってメイン戦で致命的な妨害がなく、とても勝ちやすい環境です。
そんな中でメイン・サイド共に土地事故が高い構築は勿体ないです。
またサイド戦ではデッキを否定する墓地対策が必ずあり、そこに対する消極的な対策より、強いサブプランが勝率に貢献していると感じます。
ですので高い勝率を目指すにはメインボードの爆発力を残しつつ、これら2点を改善した75枚の構築が必要だと考えました。

本記事で伝えたかった事はこの部分です。
もしこの記事を見て共感していただけたリアニメイト使いの方がおられれば、是非まだ見ぬ最高の75枚を組み上げていただきたいと願っています。

(2023.01.14 12:05更新)



ここからはKMCITの感想となります。
後半部分は有料化しています。
記事の執筆の励みになりますので、もし良かったと思っていただけた方は応援(投げ銭)よろしくお願いします。
それではひとまずこの辺で。
ありがとうございました。


【16th KMCITを振り返る】

KMC。
「関西のレガシー界にはKMCがある」と言われるほど大きな存在の草の根大会になります。
そのシーズン最強プレイヤーを決めようと始まったのが招待制大会のKMCインビテーショナル(略称KMCIT)です。
今回は過去最多の42名が招待されており、通過時点の最多アーキタイプがURデルバーの6名、次点がリアニメイトとエルフで各4名と続きます。
各々が80人規模の大会でTop8に残った強者であり実力のあるプレイヤーが集う大会となります。

■スイスラウンド

当日は参加者38名と招待選手全員ではないもののスイスラウンド6回戦の後、シングルエリミネーション3回戦とまずまずの長丁場となりました。

①アルーレン ○×○(りゅーほう)

東京から帰ってきた関西最強のゼニスアルーレン(緑の太陽の頂点を採用)使いが目の前に立ちはだかります。
このゲームはとにかく「魔の魅惑」をキャストされる前にゲームに勝たなければなりません。

1-1で迎える三本目、こちらはダブルマリガンから。
かなり厳しいながらも納墓がある為、あとは釣竿を引けばリアニメイト出来るハンドをキープします。
この対戦の墓地対策は「忍耐」と「外科的摘出」(加えて「漁る軟泥」)でこれらをハンデスして確実にリアニメイトしたいところです。
ひとまず思考囲いから入り相手の妨害を減らしにかかります。
お互い3枚目の土地を置いたターンにようやく吊り上げを試みますがこれは3マナで唱えられた「忍耐」に阻まれます。
後のなくなってきた返しターン、手札は残虐の執政官と納墓。
相手の忍耐攻撃に耐えて残るライフからできる事を考え、納墓→信仰無き物あさりから釣竿を探すことに決めてターン終了に合わせて納墓キャスト。
これをお相手は4枚の手札から「意志の力」と1枚使って打ち消されます。
いよいよ残る勝ち筋はトップからルーティングor実物提示教育になり、負けたかと思ったトップカードが苦々しい再会。
苦々しい再会から執政官を捨て引いて来たカードは再活性と土地。
わい「再活性キャスト。執政官対象で」
りゅーほう「通ります」
わい「執政官誘発。土地を置いて苦々しい再会で速攻つけてアタック。執政官が誘発」
りゅーほう「( ゚д゚)テフダナクナッタヨ。マケマケ。」
ギャラリーも沸くヒーロードローで逆転win!

このあと喫煙室で「あそこのwillは使わなくて良かった」と散々愚痴られました。


②URデルバー ○×○ (後手)(なこ君)

くじから東大王のSEで負けたリベンジがやっとできる!と意気込んでの対戦です。

一本目は後手。
上手いデルバー使いは納墓だけではなく信仰無き物あさりをしっかり打ち消します。
このマッチもそのレベルであり、まずはしっかりと墓地へ送る為後攻の利ナチュラルディスカードを活用。
その後はソフトカウンターに気を配りながらリアニメイトして一本目を勝ち取ります。

ここからは考えて来たサイドプランの通りに動ける様にサイドチェンジ。
二本目を落としますが三本目を後手としてスタート。
お相手は1マリガンでリソースを失わないまま大型クリーチャーが着地して勝ちました。
(すいません、どう勝ったのかライフメモがない為思い出せません)


③セファリッドブレックファースト ○○

なにこれと思ったらそこのあなた!
晴れる屋さんがとても良い記事を書いてます!
是非読みましょう!

古のコンボが目の前に現れました!
一度聞いたらなかなか忘れないあのデッキ「セファリッドブレックファースト」です。
僕はこのデッキ名がかなり好きです。
しかし困ったことにどう勝つデッキなのかわかっていません。
(何年レガシーやってんの?って言わないでーTT)
毎回対戦後に勝ち方を覚えようと思っては結局調べないズボラな筆者がまた後悔しながら対戦に臨みます。

一本目、こちらが先手で初手は土地2枚に納墓、動く死体、悲嘆、実物提示教育、苦々しい再会。
当然キープしお相手のコーの遊牧民のプレイ後に納墓からグリセルブランドを落とします。
返すターンに黒いカードを引いたので意気揚々と悲嘆をプレイ。すると、
お相手「外科的摘出をグリセルブランドへ」
わい「(・ω・)え?」

何かがおかしい!

これこそが招待制大会特有のメインメタカード投入の脅威です!
さらにこれだけではなく(悲嘆はセファリッドの幻術師を抜きます。脅威は剣を鍬に一枚になります)数ターン後に「大祖始の遺産」が場に置かれます。
こちらはこの墓地対策を躱わすための実物提示教育を手に持ちますが、「陰謀団式療法」によって(フラッシュバック・コストはナルコメーバ)処理されてしまいます。
サブプランを失い、使えない釣り竿ばかりが手札に溜まっていきますが、苦々しい再会を経て唱えた信仰無き物あさりが墓地にクリーチャーを落としたところで大祖始の遺産が起動。
これにより蓋が取れた墓地を経由するタイミングを見計らっていたところ、納墓を引き後は手札の墓地対策とソープロを対処すれば逆転です。
(不自然なタイミングでの大祖始の遺産起動だった為、サージカルを引き込んだと予想していました)
そう考えていた矢先、お相手がフルタップで「アルガイヴの盾、ミュレル」をキャストした為、手札のソープロを気にせずプレイできる最後のタイミングが訪れたました。
ここを逃すと敗着なのは間違いない為、サージカルを無視し2ターンほど温存していた納墓をプレイ。
溜まりに溜まった釣竿から残虐の執政官が無事に降臨します。
執政官は苦々しい再会によって速攻が付き、そのまま場を荒らして勝利をもぎ取りました。
(あとで確認したらセファリッドの幻術師一枚で負けてたので、かなり危ないことしてました。反省)

二本目は詳細を忘れました。
確かお相手は墓地対策しか引かず、こちらは虚空歩きと悲嘆が早期に定着してそのまま殴り続けました。
6点クロックはとても速かったです。


④土地単 ×× (ベース君)
関西どころか日本の土地単マスターが次の対戦相手です。
このマッチも一体何年やってきたのやら。
べーす君「もうTin Finは捨てたん?」
わい「捨ててな、、、いや、無理やわw今は赤黒のが立ち位置が良いねー」
なんて軽口を交わしつつ対戦開始。

一本目
ダブルマリガンし、妥協に妥協した遅いハンドをキープ。
しかしお相手は最初手に「ウルザの物語」と「探検の地図」をプレイ。
トークン生成から「魂標ランタン」(本日二度目の環境メタカード)が間に合いクロックと妨害が定着してしまい何も出来ずに負けてしまいます。

墓地対策はITの嗜み

二本目もマリガンを1回しますが、爆薬で対策ファクトを流せて実物提示教育がある(クリーチャーなし)リアニメイトしないプランをキープします。
こちらはドローゴーからお相手は「踏査」を経由してまたも出てくる「ウルザの物語」。
こちらは引いたハンデスにより手札を確認しますが「輪作」「忍耐」に加えて「活性の力」を持っており墓地メタが多いため釣り上げは困難なハンドと判明します。
その後物語からトークンを2体生成された為、クロックが馬鹿にならず爆薬を切る事になります。
しかし「壌土からの生命」により物語を拾われ再びトークンが生成されてしまうと後がなくなります。
残虐の執政官かセラの使者を引きたいと願いますが願いは叶いませんでした。

今回の敗因は一本目の妥協したキープで、ここでは心を鬼にしてマリガンすべきところだったと思います。
みなさんはしっかりマリガンしましょう!(戒め)


ということで対戦記事は一旦ここまで。
後半は「黒単リアニメイト」(負け)と「白単イニシアチブ」(勝ち)の二戦になります。
少しですが今回戦った6アーキタイプ相手のサイドボーディング時に考えた事を箇条書きにしています。(詳細なin.out.は変化しますので書いていません)

5回戦は力作なので無料範囲を広げます。
(2023.01.13 19:04更新)


⑤黒単リアニメイト ×○×(後手)(オレンジさん)

泉州が誇る黒単リアニメイトマスターであり、地獄世代と呼ばれる筆者と同い年グループの対戦となります。
バブルマッチにおいて恐らく一番当たりたくなかったマッチアップでしょう。
ミラーは先手後手の依存度が高く、さらに初手の強さが勝敗に直結します。
勝敗はコインフリップに等しくこれを覆すには相当なメタゲームを展開しなければいけません。

一本目(後手)
お互いマリガンはかなりしっかりしないと勝てないと認識しています。
そして先手のオレンジをさんはダブルマリガン。
こちらは1マリガン。
しかしオレンジさんは初手から意気揚々と「暗黒の儀式」→「納墓」からイオナを「動く死体」で釣り上げます。
指定は黒。
こうなると普通の赤黒リアニメイトは投了しますが、こちらにはまだ実物提示教育があります。
幸い手札にはルーティングがあり、これを駆使して探しに行きます。
が、結果は引かずに負けてしまいます。
メインの実物提示教育を2枚に減らした事をここで後悔しました。

そして、サイドボーディングとなります。
サイド後のリアニメイト戦はとても難しい立ち回りを要求される試合となります。
なぜか?
それはリアニメイトプレイヤーの墓地対策がみんなバラバラだからです。
(統一感ないのが一番難しいです)
しかし招待制大会であり、対戦相手のオレンジさんはなんだかんだ十年来の仲です。
大方の予想はついています。

「虚空の力線」「ダウスィーの虚空歩き」を各4枚採用し、ヘルムヴォイドコンボを織り込んでくると予想。

実際にオレンジさんが持ち込んだサイドがこれ。

ならあとは事前に対戦した時の入れ替え方を考えてくればいい話です。
今回は弟子であるレイ君もITに参加しており同じデッキが2人もいます。
そりゃ事前に勝ち筋を考えて来ます。

考えとしては、
①自分の墓地はほぼ経由できない。
虚空の力線だけでなく虚空歩きまであるのだからほぼ使えないのは間違いない。
納墓、信仰無き物あさりを減らす。

②釣竿は相手から吊り上げをメインにする。
死体発掘は不要となる。

①を理解して墓地を経由しない勝ち方の確保
実物提示教育を使う。

②のターゲットとしてダウスィーの虚空歩きを標的とする。また、相手の虚空歩きを処理する。
→再活性、動く死体を駆使して積極的に狙う。
→虚空歩きを破壊できる目があるので仕組まれた爆薬を投入する。

③対リアニメイト戦の鉄則
こちらを対象としてハンデスから釣り上げor暗黒の儀式+虚空歩き+思考囲いの危険性を減らす
グリセルブランドを減らす。

いろいろ考えました。
勝ち筋は
●ダウスィーの虚空歩きビート(自分も相手のをリアニメイトするのも可)
●相手墓地からのリアニメイト(相手も警戒しているためマリガンで隠しに行くため、ゲーム開始すぐは望み薄です)
●実物提示教育で場に出す(こちらが後手の時のみクリーチャーの取り扱いに気を配る。先手なら虚空の力線までマリガンしそうなのでクリーチャーを持つリスクは低いと判断)
このあたりを意識してゲームを構築していきます。

二本目(先手)
初手は土地2枚、暗黒の儀式、虚空歩き2枚、思考囲い、動く死体。
オレンジさんはマリガンからゲーム開始時に虚空の力線と置きます。
かなり理想的な展開となりひとまず勝ち筋の一つ相手墓地からの吊り上げを試みるべく暗黒の儀式から思考囲いをプレイ。
余裕を崩さないオレンジさんの手札は沼、沼、Lake of the Dead、暗黒の儀式、納墓。
暗黒の儀式を落として虚空歩き一枚目を投入します。
返すターンは沼go。
もちろんこちらは次のターンに追加の虚空歩きをキャストしてゲームを支配しようとします。
この辺りでようやくオレンジさんも手札が悪いことに焦り出しますがドローソースのない黒単はじりじりとライフを減らします。
結局虚空歩き一枚を骨の破片で対処したのみでライフが尽きるのでした。

三本目(後手)
二本目でこちらがどの様に勝つのか理解したオレンジさんは、三本目では虚空の力線を探さず初手をキープします。
こちらの初手は土地3枚に悲嘆2枚、実物提示教育、外科的摘出。
これは後手としては悪すぎないハンドなのでキープします。
オレンジさんの一手目は思考囲いから外科的摘出を落とします。
すこし匂いますが返しになにも引けていない為、一旦悲嘆をコストに悲嘆をプレイ。
すると手札は再活性2枚、ヘルム、蛮行、骨の破片となります。
釣竿が複数あるパターンも想定していましたが土地がなくて再活性2枚はかなり嫌なパターン。
虚空の力線がなく、虚空歩きはトップしても、もう一枚沼を引く必要があるのでワンチャンこちらが釣り上げルートを取れる可能性があります。
それ込みで骨の破片を抜くか悩みますが、悲嘆が釣られて手札の実物提示教育が抜かれるところまで見えています。
こちらのプランは白紙状態です。
相手だけに納墓を引けた際のルートが残る方が危険と判断しここでは再活性を抜きます。
この選択後悲嘆を取られ2回殴られた返し、ライフ13で納墓と再活性が揃います。
意気揚々とデッキからセラの使者を落としプロテクションソーサリーとしてライフは6
これで間に合ったと一安心していましたが悲嘆は威迫を持っています。

はい、負けです。
いやー久しぶりのポカがここに来ました(てへぺろ
こういう致命傷を経て強くなるので次は絶対やりません!(戒め二回目)
結果論でしたがおそらく最初のハンデスで骨の破片を抜いた上で、我慢に我慢を重ねて最後に釣り上げるカードを執政官にすれば勝てたのでそこを目指すべきでした。
答えルートがあるのだから思いつかないとダメでしたね。
また精進したいと思います。


ということで対戦記事は一旦ここまで。
後半は「白単イニシアチブ」(勝ち)と、少しですが今回戦った6アーキタイプ相手のサイドボーディング時に考えた事を箇条書きにしています。(詳細なin.out.は変化しますので書いていません)

とても長い記事をここまで読んでいただきありがとうございました。
この記事が参考になったと感じていただけたのなら大変うれしいです。
もし気に入っていただけたのなら、投げ銭していただけると執筆の励みになります。
次はもっと短く「リアニメイト先クリーチャーの選定」みたいな記事を書こうかなー、とぼんやり思っています。
その際はまたよろしくお願いいたします。
それではさようなら。


ここから先は

3,187字 / 6画像

¥ 400

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?