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ペイント大全ショウケース:シャドウ パート1(組み立てとアンダーコート)

よくぞ来た。「黒のペイント法」について取り上げることにした時、すぐに思いついたのは「シャドウ」のショウケースだった。全身が真っ黒のローブ姿だし、その存在自体がミステリアスでかっこいい。マスターズ「黒の布」というのも考えたけど、亡霊的な肌の表現も紹介したいし、様子の違う黒2パターンを紹介しようと思い立ち、今回はシャドウ2体をそれぞれペイントしてみようと思う。つまり今回のショウケースは、2体の同種ミニチュアを順繰りにペイントする方式だ。それぞれ使う色を変えて、2パターン紹介するとしよう。

シャドウを手がけたデザイナーのポール・マラーは、90年代中期のヘヴィメタルチームを代表するペインターの一人で、97年にミニチュアデザイナーに転向。「ヴァンパイア・カウント」「シスター・オヴ・バトル」などのシタデルミニチュアレンジで頭角を現した後、01年に独立してフリーランスのデザイナーになった。

ポールの手がけるミニチュアたちは、「本当に実在しそう」な説得力あふれる造形とこだわりの質感表現が特徴。ハーミットイン商店では、ポール・マラーの傑作モンスターたちを集めてあるぜ。今の所アザーワールドとリーパーのを選りすぐってあるけど、将来もっと増えるかもね。

俺は彼のミニチュアが大好きだけど、彼のペイントや人柄も好きなんだ。俺がイギリスに住んでいた頃、グレイジングで足踏みして悩んでた時期がある。そんな時、同僚であり趣味人仲間でもあったポールが色々相談に乗ってくれたんだよね(その結果行き着いた俺の方法論は、「ベーシック:グレイジング伝説」でシェアしている通りさ)。

シャドウ

「シャドウ」というモンスターは、人の姿をした「影」そのものだ。音はおろか、気配さえも発することなく、黒い霧はやがてローブをまとう人の形を取る。ローブの裾は触手めいて蠢きもだえ、形状すらも安定しない歪んだ手で犠牲者に触れては、その生気を啜り取るのだ。自ら話をすることはなく、自身の意思があるかどうかも分からない。フードの奥には虚無が広がり、通常の武器では傷つけることさえ叶わないとか。

シャドウをアンデッド(不死者)として扱うファンタジー作品は多いけど、「デス・オア・グローリー」の背景世界でもあるハルクウーベンにおいて、シャドウは〈深淵〉の眷属に名前を連ねている(だから商店でも、アンデッドのカテゴリーにシャドウはいない)。もちろんそれは、ハルクウーベンでの話だ。君の世界にいるシャドウはアンデッドかもしれないし、そもそもこのミニチュアにあてる名前自体、「スペクター」とか「ダーク・ファントム」とか、あるいは、強力な魔法を用いる「エルドリッチ・マジスター」とかかもしれない。君の好きなようにやってくれ。

それじゃあ、実際の製作を見ていくとしようか!


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