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ペイント大全ショウケース:ログテ・オーク パート3(地面、緑の布、ゲートル、革)

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イントロダクション

よくぞ来た。『ペイント大全ショウケース』は俺がどうミニチュアを塗り込んで仕上げていくかを余すところなく解説するシリーズだ。組み立てやベースデコレート、そしてペイントを進め完成させるまでの全ステージをじっくりと解説していく。

今回俺が選んだ題材は、デイヴィッド・ソダキストの手がけた「ログテ・オーク」のレンジから、「ログテ・オーク/斧と盾」。

🔎ログテ・オーク
▶︎
パート1(組み立て、ベースデコレート、アンダーコート)
▶︎パート2(ベースコート、生命感のある肌、歯と口)

今回は、地面を進め、緑色の布と革部分、手足の爪を仕上げるぜ。さっそく行ってみよう!



地面のペイント

俺は今回、ベースの景色は「乾燥した南方の大地」イメージで仕上げたいと考えている。ジメジメと苔が生えていたり、水辺でもなく、寒いわけでもない。どちらかというと日差しが強く暑い場所…だが砂漠や荒野というわけでもなく、乾燥に強い草があちこちに生えている感じだ。ハルクウーベンに存在するシュトラウス連邦の環境を、ログテ・オークのベースで表現するのが今回のテーマだ。

草の表現は後々することにして、まずは地面をペイントしていこう。


ベースコート(薄めのフラットペイントを重ねる)

まずは地面に基本となる色(ベースカラー)をフラットペイントするが、地面にはサンドを用いたので、当然ながら不規則で細かな凹凸が入り組んでいる状態だ。ここを普通にフラットペイントすると、奥まった部分にカラーが入り込まない。

平らでなく細かな凹凸が多いということは、それだけ“表面積が広い”ということも意味する。つまり、通常のフラットペイントだと、塗り上げるまでかなりの時間がかかるということだ。

だからサンドで作った地面のフラットペイントでは、いつもより薄めたカラーを、筆で凹部に流し込むような気持ちでペイントするのがいい

実際にやってみよう。今回地面のベースコートに選んだのは529【ベージュブラウン】。赤みと黄色みが強い、暗くくすんだオレンジ系の茶色だ。完成時にはこの赤みはほとんど残らないけど、ベースコートに赤みをさすことでそのニュアンスだけがほのかに残り、肌に加えた青みが引き立つんだ。隠し味ってやつだね。

普段のフラットペイントよりも多めに水を加え、パレットが3割透けるくらいまで薄める。こいつを大きめの筆(俺の場合は使い古したウィンザー&ニュートン3番)に含ませ、地面全体に流し込むような感覚で塗り広げていく。

細かく不規則な凹凸があるので、ペイント中にカラーが泡立つこともある。こんな時は優しく息を吹きかけるか、筆先でなぞって泡を弾けさせよう。そのまま乾かすと泡の形に塗りムラができちゃうからね。シェイディングの時と同じ要領だ。


地面全体(岩の部分も含む)をフラットペイントしたところ。かなり薄めているので、1回だと色ムラが出るはずだ。慌てずそのまま乾かし、乾いた後に最初と同じ薄さにしたカラーを塗り重ねる上写真では3回重ねたところ。

厚塗りせずに薄塗りで重ねた方が綺麗に仕上がるし、凹凸を埋めることもない。もし1回だけでムラなく発色した場合は、塗料が濃すぎるし、厚塗りしすぎている。表面が荒れるモトだぜ。

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▶︎
フラットペイント&筆洗い伝説
▶︎シェイディング伝説


ハイライト(ウェットブラシ&ドライブラシ)

ここからは段階的により明るい色を重ねてハイライトをかけていく。使うテクニックはウェットブラシドライブラシ。どちらもボロ筆(またはドライブラシ用の筆)を使い、筆につけたカラーをほとんど落として優しく磨くように凸部にだけ色を載せるものだ。

両者の違いは筆に残すカラーの量。ドライブラシはほぼ筆にカラーが残っていない状態で、ウェットブラシは少し残しぎみでやる。

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▶︎
ドライブラシ伝説

1段目のハイライトはウェットブラシだ。224【ホーストーン:ベイ】を原液のまま筆に取り、キッチンタオルの凹部にカラーが乗らなくなるくらいまで拭き取る

ウェットブラシやドライブラシのように原液を使う時も、カラーは必ず一度パレットに出して筆でこねること。それをやることでカラーのなじみが良くなるからね。

地面全体(岩の部分も含む)をホーストーン:ベイでウェットブラシしたところ。凹部にはベージュブラウンが残りつつ、全体が一気に明るくなったね。ドライブラシではなくウェットブラシなのは、ベースコートを凹部に残しつつ、カラーをより手早くかつハッキリと発色させるためだ。


次は130【ビリオスブラウン】原液のまま筆になじませ、キッチンタオル上でカラーがほとんど落ちるまで筆をカサカサやる。キッチンタオルのエンボス凸部にギリギリ色が載るくらいまでカラーを落とすのが大切だ。

多くの人がやりがちなのが、ドライブラシなのにウェットブラシくらいの落とし方で済ませてしまうこと。そうすると筆目が出やすくなり、凸部に載るカラーの量も過剰になる…つまり、ドライブラシ本来の仕上がりが出せなくなるから気をつけてね。


ビリオスブラウンでのドライブラシを終えたところ。1回ドライブラシをしたら乾かし、再度同じカラーで、最初より少し軽めにドライブラシをする。こうすることで、2回目の方がよりビリオスブラウンが発色し、スムーズなグラデーションがかかるよ。透過力に優れたコートデアームズならではの芸当だ。

んん? もし足にはみ出たらどうするって? 後でリタッチすればいいだけさ。


次のハイライトは、130【ビリオスブラウン】と236【ホーストーン:グレイ】を5:5の割合で混ぜたもの。水で薄めなくていい。同じくキッチンタオル上でカラーをほとんど落としたら、2段目のハイライトを全部塗りつぶさないよう、さらに軽めにドライブラシしてくれ。

ドライブラシを終えたところ。赤みがだいぶ落ち着いてきたね。ハイライトに灰色を加えているのでくすみが出るんだ。


仕上げのハイライトは、236【ホーストーン:グレイ】と130【ビリオスブラウン】を8:2の割合で混ぜたもの。3段目のハイライトを全部塗りつぶさないよう、さらに軽めにドライブラシしてくれ。

ドライブラシを終えたところ。「あれ?ちょっと明るくなりすぎたかな?」くらいでちょうどいいよ。この後色味を暗くするからね。


シェイド(シェイディング)

では、地面に陰影をつけつつ、全体の色味を暗くしよう。シェイディングでやるのが最適だ。

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▶︎
シェイディング伝説


177【シェイド:ダークブラウン】と234【ダークアース】を6:4の割合で混ぜ、水でシャバシャバに薄める。余分をキッチンタオルに吸わせて筆先を尖らせたら、地面全体をまんべんなくシェイディングしよう。

1回で済ませるのではなく、その都度乾かしながら3回ほど重ねる。全体にまんべんなく重ねるんじゃなく、所々重ねる感じで陰影に変化をつけるといいよ。

シェイディングを終えたところ。ハイライトがグッと落ち着き、ベースコートの赤みを残しつつも自然な地面色になったね。

重ねる回数を変えることで、陰影の強さに変化を出したこともポイント。実際の地面は、俺たちが思い込んでいるよりもかなり複雑な勾配でできている。場所ごとに陰影に強弱をつけることで、より自然な仕上がりになるよ。

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