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「星の王子さま」は不滅のエトワール

本の表紙は色褪せても、内容は何時でも色めきだっている。

「星の王子さま」は名前を聞いたことはあるけど内容は知らなかった本。

読んでからずっとこの本をことあるごとに思い出して、

王子さまと砂漠を過ごした「ぼく」はどんなことを感じながら

王子さまと話していたんだろうと思いを馳せる。

この本は飛行士でありながら作家のサン=テグジュペリの

自身の墜落事故が元になったとされている。

この本で書かれた中で名言となった

「大切なものは目に見えない」という言葉がある。

これは故郷に残したバラを恋しく思う王子さまに狐が伝えた言葉だ。

この意味は多くの解説やサイトで説明されていると思う。

名言に隠れた作品の内容

この名言だけでなく、内容にも注目したい。

りんごの木の下で王子さまは狐と出会う。

仲良くなろうと持ちかける狐は自分と仲良くなると

王子さまは「ほかの十万の男の子と、べつに変わりない男の子」から

この世でたったひとりのひと」になると説いた。

さらに狐は金色の美しい髪をみると王子さまを思い出し、麦を吹く風の音も

うれしくなるだろう、とこれから仲良くなれたときの嬉しさを話す。

これは人と人が仲良くなれば本人のことが見えていなくても、

関わる何かを見つければ本人のことを感じて嬉しくなるということである。

それはお互いに仲良くなるという関係を持ったからである。

「他の人ではなく、この人」という「この人らしさ」をみつけたときに

人は仲良くなるのではないか。

のちに狐と王子さまは仲良くなり、狐は「麦畑の色があるからね」と

「金色の美しい髪」という王子さまらしさを見つけ、

王子さまも他の狐とは違う出会った狐のことを友達だと思い、

バラの庭に咲いている花たちを見て故郷にいたバラの花とは違うと言った。

そのあと狐のもとに戻った王子さまは狐に

「大切なものは目に見えない」と教えられた。

名言ばかり先走りして内容のことを触れられるタイミングは

なかなかないと感じる。しかしここではそれを伝えたい。

人付き合いの中で「この人らしさ」を見つけた人とは仲良くなり、

他の人と築けない関係がその人とできる。

しかしそれは目に見る事はできない。それを大事にする必要があるのだ。

とサンテックスは伝えたいのではないか。

現代において希薄になりがちな人とのつながりを確かめる本なのでは。

と感じる。この本のなかでなにが大切なものにされているのか、

また見返したい。


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