歴史と文化を6次化しなきゃ!①
皆さんが住んでいる地域には、どんな歴史と文化がありますか?
「歴史と文化が豊富な場所は?」と聞かれれば、多くの人は「京都や奈良」と答えるでしょう。 確かに!
そこには、寺社仏閣、伝統工芸、地域性のある飲食、風習、芸能など、数えたら限りがない程の歴史と文化が詰まっていますね。
ですが、規模の大小、数の多少の差異や、意匠の派手さ、地味さはあるでしょうが、同じような対象が身近な地域にもあるはずですよ。
ただ、多くの人が歴史と文化を「自分の生活圏外」にある「目新しい」ものだと思いがちなだけです。
地域に残る歴史と文化の存在に気付いていない、まだ掘り起こせていない、魅力を引き出せていないだけ、だと思っています。
歴史と文化を取り巻く現状は、
歴史と文化は予算がない。担当人材が少ない、居ない。
それは組織に、
他と比較して歴史と文化はそれ程、重要でなはいという認識があるから。
その原因は、
関係者の理解不足、組織への説明不足が解消されていないから。
だと思います。
住民組織あるいは自治体で、歴史や文化の保護・伝承、活用に充てられる予算と人材には当然、限界があります。
予算や人材を充てられないのは、組織の中で配慮を要する案件になっていない、または優先順位が低いことが、要因です。
担当者は、歴史と文化が持っている能力を説明し、認知してもらえているでしょうか?
「地域住民のアイデンティティ(自己認識)を形成に重要」であるとか「地域経済の起爆剤になりうる」とか…。 歴史と文化に着目することで、それ以外への効果を語ることがKEYになります。 もはや「歴史と文化は、大切だから保存しましょう」では、説得力を持たなくなっています。
予算を確保できない地域では、歴史と文化の継承は難しいのか?
歴史と文化の継承活動に、地域内外の目を引くような施設を新たに整備したり、無理に隣町で流行っている特産物を真似て用意する必要はないと思っています。
まずは地域に残っている、既に失われてしまったけど伝わっている事象を確認しましょう。 時には高齢者からの聞き取り、古文書の解読、埋蔵文化財の発掘が必要になるかもしれませんが、ココが活動の第一歩です。 地域を俯瞰し、何に対しても面白がり、身軽に対応することがポイントです。
そして、対象リストを作ります。言わば「歴史と文化、何でもリスト」です。
そして幾つかの項目を組み合わせて、地域独自のストーリーを書き、発信を始めましょう。発信は、組織の状況に応じて内側、外側どちらからでも構いません。
発信することで、少しでも注目を集めることができれば、いくらかは予算に+αが付き、集客について検討できる段階へ進めるでしょう。
今まで隠れていた、地域独自のストーリーとそれを構成する歴史と文化の事象、そして少額でも予算。加えて地域住民と二人三脚で進めれば、活動に幅と深みが出て、必ず地域振興の端緒をつかむことができると思います。
次回は、歴史と文化と6次化の関係について書きます。
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