ルサンチマンの「マン」はスーパーマンの「マン」ではない(カタカナ語を覚えるシリーズ)
今回は、複数のカタカナ語を取り上げて、有機的に理解を深める方法について話をしたい。
一応、同様のテーマでは3回目なのだが、過去のを読まなくても問題はない。
とりあえず「意味不明なカタカナは英語に直すと人生捗る」ということを踏まえてもらえれば大丈夫だ。
気になる方は以下のリンクへ。
第1回:シンクタンクの覚え方
第2回:シビリアンコントロールの覚え方
ルサンチマン by ニーチェ
では今回取り上げたいのは、ルサンチマンという言葉である。
これは哲学用語で、あのニーチェが考えた言葉だ。
ただ今回はルサンチマンの意味を解説することが目的ではないので、スルーしてもらって構わない。
とりあえず「やっかみ」と理解しておけば大丈夫。そして哲学的にはもう少し広い範囲の意味で使われているというのも分かっていれば最強だ。
私が伝えたいのは、カタカナの持つイメージについてである。
「ルサンチマン」というカタカナから思い浮かべるのは何だろうか。
多くの場合、スーパーマンやスパイダーマンやアイアンマンを思い浮かべるはずだ。
要は「man」という言葉のイメージに引っ張られてしまうのではないだろうか。
だからルサンチマンもルサンチの部分はどんなスペルかは分からないけど、「ルサンチ・マン(man)」という風に想像してしまうと思う。
だがルサンチマンというのは、
ressentiment
と表記するのである。実はこれ、フランス語なのだ。
なんだよ、英語じゃねーのかよ、フランス語なんて分からねーよって感じるかもしれない。
だが「ressenti」と「ment」に分けることで、何か気付くことはないだろうか。
そう、英語で「ment」がつく単語の存在である。
environment(環境)
development(開発)
agreement(合意)
色々あるはずだ。
他にも「アポを取る」のアポイントメント(appointment)や
某ライザップの「結果にコミットする」のコミットメント(commitment)などもあるだろう。
この「ment」というのは、専門用語的には、接尾辞と呼ばれるらしい。
まあ細かいことはどうでも良くて、
ルサンチマンの「マン」は「メント」なのである。
アンガージュマン by サルトル
そして次に取り上げたいのは、アンガージュマンという言葉だ。
これも哲学用語で、サルトルという人が考えた言葉である。
まあこれも意味を解説することが目的ではないので、とりあえず「主体的にガチで生きる」と思っておけばいい。
先程のようにアンガージュマンの「マン」は、アンパンマンでもウルトラマンでも筋肉マンでもない。
engagement
と書くのである。
フランス語ではあるが、英語のエンゲージメントと同じだ。
そして何よりコイツにも「ment」がついてるのである。
つまりルサンチマンの「マン」はアンパンマンの「マン」ではなくアンガージュマンの「マン」なのである。
言葉って面白い。
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