阿季

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阿季

他投稿サイトでファンタジー小説を書いています。 こちらにはnote創作大賞「漫画原作部門」に参加するために登録しました。 文字数の関係で第1話の冒頭、第2話以外は小説版に比べて文章を簡略化しています。 お試しで小説の方も序盤(2万文字程度)を公開中です。※人物画以外AI絵を加工

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  • 短編小説「少女の記憶が飛んで~」まとめ

    投稿済みの記事(話)をまとめています。 少しファンタジーありの現代が舞台で、雑学を交えつつ話が進行していきます。 2万文字強の短編です。 別作品のファンタジー小説「三界の書」の登場キャラが数人脇役で登場してます。(一種のパラレル的な感じ?) 以下あらすじです。 亜希は廊下で見知らぬ少女とぶつかり、その拍子に相手が記憶喪失になってしまう。 居合わせたクラスメイトのスアラと共に亜希はその少女を保健室へと連れて行こうとしたが、途中彼女を知っていると思われる人に会う。 記憶の手がかりが意外に早く見つかりほっとしたのも束の間、少女はその人を見るなり学校の外へと走り出して……!?

  • ファンタジー小説「三界の書」まとめ

    他サイトで掲載している小説をお試しで2万文字程度投稿してます。 以下簡単なあらすじです。(全文は序章の方にあります) <虚無大戦>――― それは神代において封印された虚無神が、魔族によって復活したことで起きた大規模な戦乱。 半年に及ぶ激戦の末、一人の聖女と神具の力で終結した。 それから三年後、聖域から祭器が何者かに盗まれ、ある聖騎士が空から落とされるところから物語は始まる。(?)

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「三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年―」第1話【漫画原作応募用】

■ キャラクター紹介 リル 聖域騎士団に所属する聖騎士であり、聖獣ヴァレルと契約した聖獣騎士でもある。階級は下級聖騎士。 武器は”聖契剣”と呼ばれる片手で持てる銀色の剣。これは聖獣との契約の証で、普段亜空間にしまっていて必要な時に呼び出している。 他に聖術も使えるが、治癒術や転移術は苦手。 明朗快活な性格で所謂弄られキャラ。 祭器追跡任務に就く前は二年程人界に配属されていたため、<虚獣>との戦闘経験・知識もある。 最初はそれで任務に加えられたと思っていたが、リュウキ達と

    • 「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」最終話おまけ

      最終話その2 少女の名前 「…………えーっと、それで名前はなんていうの?」  斜め後ろに立ったルーヴァと自分の声が重なった後、変に数秒間が開いたことは気にせずに亜希はもう一度たずねた。  何か反応しそうになって、でもそれをしたらなぜか負けた気分になりそうな気がしたので我慢して、でもでもやっぱり……などという葛藤がその数秒の間に亜希の中で繰り広げられていたわけでは決してない。ないのだ。  ついでに、スアラがもの言いたげな視線を送ってきていることも意識の外に追いやる。 「わ

      • 「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」最終話

        最終話 まだ知らない事  保護者が立ち直ってきたところで、亜希はそういえばと少女に視線を向ける。 「学園には何しに来てたの?」 「転入手続きだよ。別にわたしがいる必要はないんだけど、暇だったからついてきた!」 「そうだったのね。……あ! そうよ、学年は!?」  相槌を打っていたスアラは急に慌てた様子で問いかけた。 「二年だよ!」 「ん、じゃあ俺たちと同じ学年なんだね」 「よかった年上じゃなくて……タメ口きいてたことになる所だったわ……」  瞬きして少女を見るルーヴァ

        • 「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第9話

          第9話 猫のおじさんと保護者  店員二人は無責任なことを言う空色の髪の青年に憤っていたが、少しして思い直したらしく呆れた顔を彼に向けた。 「というか、何やってるんですか貴方……?」 「そうですよ。一体どういう事ですか?」  彼女たちの反応を見るに、普段は中学生の後を尾行するような怪しい人物ではないという事だろう。 「あー……えっと、それは……」  何か事情があるのか、青年は考え込む素振りを見せた。 「……あ、ああ――――!!!」  ここまで黙っていた少女が青年を

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        「三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年―」第1話【漫画原作応募用】

        • 「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」最終話おまけ

        • 「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」最終話

        • 「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第9話

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        • 短編小説「少女の記憶が飛んで~」まとめ
          11本
        • ファンタジー小説「三界の書」まとめ
          12本

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          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第8話

          第8話 店長VS不審者  亜希と店長たちは商店街を抜けて住宅地の中を歩いていく。昼過ぎということもあり、まだ人の往来はそこそこある。  同じ方向に歩く人もまばらにいる中で、一人、偶然を装いつつ亜希たちの後をつけている者がいた。帽子を目深に被った背の高い男だ。  目的の少女と一緒にいる生徒たちは、T字路で一旦立ち止まると手を振り合った。タピオカ専門店の店長たちも何か話して店員の一人が離れる。  恐らく行き先が違うのだろう。予想通り二手に分かれ歩き始めた。  若草色の髪の少女

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第8話

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第7話

          第7話 黒い粒々が沈んだ飲み物 その2  タピオカミルクティーを購入した四人は、店長たちが出てくるまでタピオカ専門店の向かいにある公園で待つことにした。  ドリンクはルーヴァを除いた三人で分けるが、少女のお腹が空かないように念のため彼女に多めにあげることにする。 「なんかこれストロー太いね?」  ベンチの右端に座った少女が、目を丸くしてタピオカミルクティーの容器に刺さっているストローを見た。 「これでタピオカを吸い上げるからよ。まあ私も初めて見たんだけど」 「私も初め

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第7話

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第6話

          第6話 黒い粒々が沈んだ飲み物 その1  四人が商店街の中を歩いていると、すれ違った若い女性が手に持っている物を見て少女がたずねる。 「ねえ、あの飲み物なーに? 底に黒いのがいっぱい沈んでるよ」 「ああ、タピオカドリンク。あれも最近流行だよね。飲んだことないからよくは知らないけど」 「私もテレビの番組か何かで見たくらいね。確か黒い粒々がそのタピオカっていう食べ物よ。そういえば、この辺にもタピオカドリンクのお店がオープンしてたような……」  やや前を歩く亜希とスアラがそれ

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第6話

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第5話

          第5話 厚みのある円形の黄色いスイーツ  焦げ茶色の床に白い壁の店内は昼時なだけあって混んでいたが、運よく四人掛けのテーブルが空き、亜希たちはあまり待たされることなく席に着くことができた。  茶色の椅子に座った亜希は、赤と白のチェック柄のテーブルクロスに置かれたメニュー板を急いで手に取る。 「何頼む?」 「うーんと……」  亜希とスアラがメニューと睨めっこしていると、向かいの席に座った少女が隣のテーブルに運ばれてきた物を見て言う。 「あ、あれ食べたい」 「ん?」  

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第5話

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第4話

          第4話 食べられそうで食べられない物  亜希とスアラが、少女とつかず離れずの距離を保って移動し続けて数分が経過した。 「……この子『おむすび』って呼ぶのね」 「え、何よ藪から棒に」  徐に喋り出した亜季にスアラが少女に視線を向けたまま突っ込んだ。二人ともどうやらこの状況に慣れてきたらしい。 「スアラはなんて呼ぶ?」 「おにぎりね」  亜希の手に持つ食べ物をちらりと見てスアラは答える。 「ルーヴァはー?」 「おにぎり」  少女の後ろの方からルーヴァが言った。 「

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第4話

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第3話

          第3話 海苔が巻かれた丸くて白い食べ物  亜希とスアラが学園に戻ろうという話で一致したところで、二人の耳に何かの音が聞こえてきた。それは少女のお腹付近から発生したようだ。 「お腹空いた……」  少女はお腹に手を当てて呟くように言った。心なしか最初よりも元気がないように見える。 「ああ、そういえばもうお昼過ぎてるんだった」 「どうする? 食べてから戻る?」 「そうねぇ……」  二人がそんな会話をしていると、少女が覚束ない足取りで歩き始めた。その足は何かに引き寄せられる

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第3話

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第2話

          第2話 少女を追いかけて  二人は自分たちよりはやや華奢な少女の体を起こし、かがんだ亜希が彼女を背負い立ち上がろうとすると、 「……うー……ん……」  その少女から微かに声が聞こえてきた。 「気がついた!?」 「大丈夫!?」  少女の意識が戻ったようなので亜希とスアラは胸を撫で下ろした。  とりあえず保健室に連れて行くかは後にして、一旦亜希は背中から少女を下ろして向き直った。  少女はまだ意識がはっきりしないのか、黄褐色の目をぼーっとさせている。やっぱり心配になって

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第2話

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第1話

           プロローグ 迫り来るモノ  昼過ぎの商店街の一角は異様な空気に包まれていた。  一人の少女が煉瓦造りの洋食店の前、二人の少女がその隣の幟を掲げた和菓子屋の前に立って対峙している。  行き交う人や店員、お客が何事かと怪訝な顔で見たり好奇の目を向けたりしているが、少なくとも和菓子屋の前の二人――若草色の髪の少女と淡い桃色の髪の少女には、そんな事を気にしている余裕は全くなかった。  少しでも他に気を向ければ……僅かにでも気を抜けば、目を半眼にしてまるでゾンビのような足取りで

          「少女の記憶が飛んで戻るまでのお話。」第1話

          【お試し版】三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年― 「第3話 《1》」

          第3話 ソーラス遺跡・後編 《1》ラナイの特技? 「ソーラス遺跡だ」  そう言ったのは、リルたちを転移させた魔族の女ではなく意外にもリュウキだ。 「だね。蔓だか根だかの隙間から見える壁や床は変わってないよ」  オウルも魔族に注意を払いつつ、周囲を確認して同意する。 「おい、どうして俺たちを中に入れた?」  リュウキは魔族の女に向かって訝しげにたずねた。  こっちは魔結界を壊そうとしていたのだから邪魔するはずだ。ところがこの魔族は邪魔するどころか中に入れてくれると

          【お試し版】三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年― 「第3話 《1》」

          【お試し版】三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年― 「第2話 《5》」

          《5》大戦と謎の聖者  リュウキは剣を背負うと、さっさと遺跡の入り口に向かって歩きだした。リルも遅れまいとその後を追うようについていく。 「そういえばさっきの魔族……」  数歩歩いたところではたと思い出し、リルは慌てて周囲を見回した。しかし、先ほどの魔族の姿はどこにもなかった。 「リュウキ君たちが話してる間にどこかに行っちゃったね」  ハリトに気を取られすっかり忘れていたリルに対し、魔族の行動に一応注意を向けていたらしいオウルがそう言った。 「ちょ、気づいてたなら

          【お試し版】三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年― 「第2話 《5》」

          【お試し版】三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年― 「第2話 《4》」

          《4》女魔族現る  木々の向こうに一直線に並ぶ石柱と石畳が見えてきた。その奥には細長い柱に囲まれた石造りの建造物が建っている。  見たところ、外にハリトの姿はない。イルミナによると遺跡の奥に魔気の壁があるということなのでそちらにいるのだろう。  リルたちは入口らしきところから中へ入ろうとするが、そこから誰か出てきた。歳はオウルよりも下、身長はリュウキと同じかやや低いくらいで細身。遺跡調査の一人かと思ったが、学者たちとは身なりが違う気がした。  何より。 「ハリト君!?」

          【お試し版】三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年― 「第2話 《4》」

          【お試し版】三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年― 「第2話 《3》」

          《3》なくなった剣 「ハリト……? ここにもいないのね」  リルとラナイが雑談しているところへ、辺りを見回しながらイルミナがやってくる。 「あの子どこに行ったのかしら……」  首を傾げる彼女はどこか落ち着かなさげだった。そういえば、とリルは思い出しながら口を開いた。 「ちょっと前にハリト君、リュウキの剣をじーっと見てましたね。その時の表情がすごく真面目な顔だったんで記憶に残ってるんですが」  ちょうどリュウキがイルミナから借りた服に着替えに部屋に入っていた間のこと

          【お試し版】三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年― 「第2話 《3》」