何を食べるか(5)? 栄養素
人間の体は食べたものでできています。何を食べるかはとても大切なことなのです。
ピタゴラスの残した言葉に
「あなたのからだを動物の肉で汚染するようなことは慎むことだ。トウモロコシもあるし、りんごもある。りんごはその重さで枝が下がるほどたわわに実をつけている。ぶどうもあるし、木の実や野菜もある。これらのものが私たちの食べ物なのだ。」
というのがあります。
ピタゴラスの教えに従う人々のことは、ピタゴリアンと呼ばれていました。 ピタゴラス、ソクラテス、プラトン、アリストテレスなどもその仲間でした。古代オリンピックのアスリートたちは、果物を主食にして素晴らしい記録を出していました。 「ピタゴリアン」という言葉は、1840年代に、精力的なの意味であるラテン語の「ベジタリアン」という言葉で置き換えられたのです。
このような経緯ですので、今多くの方が使用している「ベジタリアン」という言葉は、ベジタブルからできた言葉でもなく、野菜と穀物を食べる人々ということを意味する言葉でもなかったのです。
ですから「ベジタリアン」とは、むしろ木の実である
果物や野菜を主食にして精力的にエネルギッシュに生きる人々
といった意味の方が本来の意味であると思います。
なぜ、果物と野菜がわたしたちの体に良いのかですが、
・果物と野菜は「体にとって必要な水」を豊富に含んでいる
・果物は消化のためにエネルギーをほとんど使わなくて済む
・果物と野菜は「酵素」を豊富に含んでいる
・果物と野菜はからだに必要な栄養素や生活習慣病にかかりにくくする成分を豊富に含んでいる
の4つをあげてきました。
今回は、4番目の
・果物と野菜はからだに必要な栄養素や生活習慣病にかかりにくくする成分を豊富に含んでいる
について説明します。
果物と野菜には『タンパク質」を構成しているアミノ酸が豊富に含まれています。
いちごには10.2%、オレンジには、7.8%、バナナには、5%も含まれています。
カラダが必要としているタンパク質は、1日約25gと少ないのです。それは、私たちのカラダが自らタンパク質の70%を体内でリサイクルしているからです。
果物、野菜、穀物、豆類などの成長するものはすべてタンパク質を含んでいます。ですから果物を食べていれば、タンパク質不足にはなりません。
果物と野菜は『ビタミン』や『ミネラル』が豊富に含まれています。これらは、酵素と一緒に体の代謝機能をスムースに行うために働いています。
ミネラルは、血液や骨、組織のメンテナンスに必要な栄養を与えてくれます。
私たち霊長類は、体内でビタミンCを合成できません。ですからビタミンCがたくさん含まれる果物を食べる必要があります。
果物や野菜には、体内で作れない必須脂肪酸も含まれています。
がん、脳卒中、心臓病などの生活習慣病をなくすための鍵は、現代人に最も不足している「植物繊維」「抗酸化物質」「ファイトケミカル」の3つを摂ることなのです。
これらの栄養は、動物性食品には含まれていない植物固有の成分です。
『植物繊維』はわたしたちのカラダの内側を掃除してくれる強力な自動掃除機です。体の中の老廃物を排泄し健康で若々しいカラダを維持するとても重要な働きをします。
毎日、加工食品や動物性食品を中心とした食事では、植物繊維をほとんど摂取できません。
果物や野菜を熱を加えないで生で食べれば、植物繊維は、カラダをきれいに掃除してくれます。ところが加熱すると生命力を失ってしまい、腸内をきれいにすることはできません。それどころか腸の中でネバネバしたカスで腸壁につけていくことになってしまいます。
この様なことを長年続けていると、ネバネバした堆積物は発酵してしまいます。便秘、大腸炎、ポリープ、大腸ガンなどを発症してしまいます。
果物や野菜に含まれている『抗酸化物質』と『ファイトケミカル』は、動物性食品には含まれていない成分です。これらは、生活習慣病を予防するのに不可欠な成分です。
これらの成分は、食物が自らを守るための化学物質で、様々な外敵や酸化ダメージを防いでいます。
私たちのカラダはPH7.35〜7.4の弱アルカリ性に保たれています。
カラダが酸性に傾くと、余分な体重、疲れ、アレルギー症状、脱毛、白髪、イライラ、短気、目の隈、顔のシワなどの症状が現れます。そのままにしているとやがて、高血圧、心臓病、糖尿病、がんなどの生活習慣病を発症します。
水分を多く含む食べ物である果物と野菜は、体を弱アルカリ性に保つ素晴らしい食品です。
体を弱アルカリ性に保っていると正常体重、美しい肌、健康、長寿、充実感、やりがいなど素晴らしい恩恵が得られます。
ですから、健康と美のために、果物と野菜の摂取量を食事の70%にしましょう。そして動物性食品はできるだけ控えましょう。生きているカラダは生命力の豊富な食べ物を必要としています。
現在、多くの健康のエキスパートは、従来から言われていた、低脂肪、減塩、お酒を減らすことでは健康にはなれないと、果物と野菜、白く精製されていない穀物、木の実、海藻、豆類、発芽野菜といった植物性食品を中心に摂る食事への転換を強調しています。
まとめると、
『毎日、果物や野菜などの水分を豊富に含んだ食べ物を摂ること』
です。
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