5年ルール
上の絵ですが、動きます。
前回のこちらを踏まえてのお話です
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小規模経営上頼りになったのはこの4つ
①コッコさん&会計士さん
②身近な辛口アドバイザー
③先読みと運
④人脈
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会社をやっているとぶつかるのが
改変期
起業後3年での生存率は約50%、5年での生存率は約40%。起業から10年後の生存率は約26%というのは
この改変期に対応できないがための倒産です。
弊社の売り上げグラフです。ざっとなので正しくはないかもですが。
わかりにくいのですが、ほぼ売り上げが山なりになってます。
2009年ははまあ一旦スタジオ解体した時代なので仕方ないとして
2014年、エロゲの規制が改変されてエロゲ業界全体が弱まった時代
2017年、アプリゲーが好調になり、ゲーム業界全体が売り上げ不調時代
自分たちの努力とは関係なく世情によって売り上げが左右されることがあり、大体5年周期になります。
大切なのは立ち上げ時に掲げた方向性と絶対ずれるということを覚悟しておく
先も書きましたが売り上げの下降は世情と共に必ず来ます。
その時の会社の生き残りに必要なのは
・金を借りれる所を見つけておく。改変期の前と後は売り上げが上がらないことは覚悟して慌てない
・運をしっかり掴むために生かせる技術や知識を都度見つけておく
・他の収入口を確保しておく
です。
①さてコッコさんのお話
200万私と旦那で2年でせっせと働き返し切りました。
これで「日本政策金融公庫」から信用を得られたのです。
以降は連帯保証人になることなく借りれてます。
今年もコロナ禍で正直あまりいい仕事の入りではない上に、正に美術屋から3D美術屋として切り替えた5年ごとの改変期「後」ですので、お借りして乗り切りました。
つまりここで若くして失敗したことが、後々の保証としてつながったわけです。失敗も悪いことばかりではない。
黒字経営で上手くやればよいという話がありますがどんなにうまくいっていても必ず落ちる瞬間というのがあり、落ちる瞬間お金がなければ借りるという選択肢は残しておいた方がいいです。これが不思議なことに回収できる時期というのがあるので。
ああー来たな改変期。と思って一旦借りて落ち着きましょう。
③先読みと運
さて、どうしてもどうにもならないのが運です
2010年スタジオ解体後、もっと効率化できないかと探し回って見つけたのがスケッチアップという3Dソフトです。これで倍の効率化が図れ、他には真似できないスピードを出せるようになりました。
2014年、エロゲの規制が改変されてエロゲ業界全体が弱まった時代にどうしたもんか、と悩んでいたら飛び込んできた仕事がアークシステムワークスさんのBLAZBLUEシリーズの背景の仕事です。そこから流れが良くなっていき、アイディアファクトリーさんや日本一ソフトウェアさんからも頂けるようになり、コンシューマ背景への営業もしやすくなっていきました。
売り上げとしては横ばいですが、明確に下がることはなく、運で乗り切った1例です。
ここでスタッフも増えたので社内にも3Dソフトを覚えてもらう人を作ることにしました。
この辺りで余裕ができてきたので、けいおん!のOPでグルグル回っている3D背景を見た時これは映像の背景にも3Dの時代が来るのではと無理やり旦那さんにMAYAスクールの申し込みをしました(笑)
勿論、ゲームステージ制作とかも狙ってのことですが、劇場映画ではなく「シリーズアニメの手描きの背景が3Dでぐるぐる回ってる」ということが技術の進歩を感じたのですね。
2016年スチームパンクの街を公開してます。
以降ここから映画「えんとつ町のプペル」へとつながっていきます。
2017年、今度はコンシューマゲーム全体の売り上げが下がり、じゃあアプリゲームと思いましたがこれがアプリ制作会社も賢い。クリエイターの抱え込みに入ったのです。外注には仕事が回ってこないし、来ても不定期で少数枚。
これはやばいと頭を抱えてた時、「地下鉄にのるっ」というアニメの仕事が入ってきました。
自分としては久しぶりのアニメ、会社としては初めての仕事でできるかどうかわからなかったのですが仕事をお請けしました。が、作業INが遅れ、
その隙間にヘルプで入ってきたのが「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」です。
ここで美術中久木と外注さんに頑張っていただきつながったのが「モンソニ!」でした。
ここで更にゲームの仕事も減ったこともあったのかな。私の出産と社内整理を機に数人のスタッフが離れていきました。一見ネガティブですがここでアニメに方向転換する流れができてきます。
辞めていったスタッフがアニメ業界の美術会社出身で「アニメの仕事はこりごり」な人ばかりだったのです。自分自身は美術設定出身ですし美術の中久木も入ってきてくれたことでアニメの方に行くことも考えていました。アニメに3Dを生かせる自信もあったのです。
半分ほどのスタッフが辞めていったタイミングでアニメの仕事が入ってきた。しかも希望していたWEBアニメ。今思えば凄いタイミングだと思います。
2018年「モンソニ!」を完遂できたことで1年シリーズの「レイトンミステリー探偵社」のお仕事を頂きまして、そこから弊社の本格的なアニメ参入が始まります。
レイトンを見ていたスタジオ4℃の長谷川アニメプロデューサーからお声がけ頂いて映画「えんとつ町のプペル」のお仕事頂戴し
2020年映画「えんとつ町のプペル」公開
そして2021年3D美術屋として方向転換をすることを決めて、小さい仕事は切ってブラブラと会社の貯金を食いつぶしながら素材屋に力を入れていた所、知り合いからの紹介で3D会社さんから3Dアニメ「テスラノート」のお仕事を頂きました。3Dアニメの本数はそれほど多くない中で頂いたお仕事です。
上記転換期に共通しているのが一生懸命営業したわけではないのに狙ったようにポンポンポンと入ってきたという点です。
縁の不思議なのですが運だけはどうにもならないにしてもここで大事なのは
運を勝ち取る準備
であると思います。
目指していればそれなりにいいタイミングもあると思うのですが準備がされていないといざニンジンをぶら下げられても走れない気づけない。気づいている人もいらっしゃいますでしょうが、希望の仕事が入るの3・4年前から新規の技術や知識を導入しているんです。
コンシューマーゲームが入る3年前に
「スケッチアップ」
アニメの仕事が入る前3年前に
「スケッチアップを使える人員を増やす」
3Dアニメが入る4年前に
「旦那に3Dをやらせる」
という風に流れを見て事前準備をし、技術をWEBに公開してます。逆を言えば新しいことを始める場合、3年は猶予をもって見積もらなければ本来行きたい場所にはたどりつけないことが多いということですね。これも本当に不思議です。
長くなってしまったので、続きは次回
最終回こちら↓
背景素材屋さんやってますよ
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