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俺ガイルが学園ラノベ与えた本物という拗らせ

学園ラノベで謎部を確立したのはハルヒ(涼宮ハルヒシリーズ:2003年~)なんじゃないかと思いますが、ボッチ主人公を確立したのは俺ガイル(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。:2011年~)なのではないかと思います(ハルヒ以前にも謎部はあったとか俺ガイル以前にもボッチはいたという意見は受け付けます)

↑ 一世を風靡した俺ガイル。総発売部数は1000万部といわれ学園ラノベ界に大きな足跡を残しました。最近は公式解釈に納得いかない人向けの「結」という作者の公式同人誌オルタナティブ?みたいなのも出しててなんかすごいよあと10年ぐらいやりそう。本編は全部アニメになってるから配信サイトで見よう
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫:渡航)


学園ラノベにおける人間関係描写について、昔は別にオタクでもいいじゃん邪魔するなよぐらいのテンションだったと思うんですが、俺ガイル以降この10年でボッチが肯定的に評価されていて、むしろ陽キャ(いわゆるスクールカースト上位のコミュ力高いキラキラした人達のこと指す)ディスというか、陽キャも苦労して大変だよねみたいな風潮すらありますね。

まあもともと作家の人たちが陽キャだったとは思えないですし、そういえば映画監督もオタクばっかりだからアメリカの映画だと陽キャが真っ先に死ぬという心温まる話がありますが、多様性万歳ですね。

ということで俺ガイルですが、「俺は本物が欲しい」という拗らせっぷりがストーリーの根幹ですよね。薄っぺらい偽物の人間関係なんかいらないという陽キャ否定ですが、じゃあボッチは本物なのかというのがもう一つのテーマです。多分。

結局のところ、学園ラノベに書かれているのって人間関係なので、掘り下げると「友達ってどこから」とか「私たち付き合ってるんだよね?」みたいになっちゃいますね。恋愛関係のゲシュタルト崩壊をコミカルに描くとラブコメでシリアスに描くと純愛になるわけですが、これを友達関係にも発展させたのが最近の学園ラノベなんだと思います。

↑ 偽物の交際を通して本物ってなんだっけ系。「友達ってなんだ」とか「付き合うってなんだ」とか。わりと俺ガイル
とってもカワイイ私と付き合ってよ! (角川スニーカー文庫:三上 こた)

↑ 本物なんかいらない系。というか本物とは何か系。ある意味俺ガイル。実はタイムループというか転生系(こちら記事参照)
どうか俺を放っておいてくれ2 なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる (GA文庫:相崎 壁際)

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