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知識や体験が足りないときは、独自の「取材」でコンテンツをつくろう

『痛い失敗体験から学んだ 愛される書籍の成功の秘訣(仮)』、前回は、「見聞きしただけの情報を発信しない」というお話を書きました。

前回の記事はこちら。

 情報を集めてきて切り貼りするのではなく、体験に基づく情報を出すことが信頼につながる。とお伝えしたのですが、今回は、「体験がない場合はどうすればいいのか?」をお話します。

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編集脳アカデミーの藤岡信代です。
電子書籍出版サポートとコンテンツビジネスのコンサルティングを行っています。

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個人のメディアでもぜひ知っておいて欲しい、コンテンツの作り方です。

■体験を「取材」すればコンテンツを創り出せる

 私が長年携わってきた雑誌メディアの強みは、「取材」してコンテンツをつくることができるという点にあると思っています。
 取材をすることで人手も時間もかかり、結果、コストがかかって採算が合わない……ということもありますが(それが今の雑誌の弱みです)、取材をすることで、コンテンツを無限に作り続けられるのです。

 自分には知識も経験もない分野であっても、その分野の専門家の意見を聞くことで、記事(コンテンツ)を生み出すことができます。

  • 取材先を誰にするか?

  • どんなテーマをもってくるか?

  • どんな切り口にするか?

 取材する内容によって、見え方や伝わり方も変わるので、一つ一つが新しいコンテンツになるのです。

 取材は、雑誌に限らず、個人のメディアでもぜひ活用したい手法です。
 自分ではまだ知識も体験も不十分なことは、取材をして発信すればよいのです。

■個人のメディアでおすすめの取材とは?

 取材の基本は、「話を聞く」ことです。

 書籍を読んで内容を要約したり、ウェブ上にある情報を集めてきてまとめたり……といった方法でも、自分以外の人の知識や体験をコンテンツにすることはできます。

 ですが、これはあまりおすすめしません(前回お話した失敗体験は、まさにこの「情報の切り貼り」をやってしまったことでした……)。
 すでにある情報を要約するには、編集する側にも知識と体験の裏付けが必要だからです。よくわかってない人が、それっぽくまとめをつくってしまうと、元のコンテンツの価値を薄めることにもなりかねない。
 それは、いっとき、医療系のまとめ記事が問題視されたことからも、わかりますよね。

 個人のメディアでもおすすめの取材方法は、その分野の専門家にインタビューをすることです。
 インタビューであれば、大事なポイントを直接ご本人に語っていただくことができます。大事な話を引き出すことに力を注げば、良質なコンテンツを作ることができます。

■インタビュー成功のポイント3つ

 とは言え、インタビューなんて生まれて初めて(ドキドキ)という方も多いと思うので、私なりに成功のポイントを3つにまとめてみました。

1つめは、マインドセットです。
 メディアで発信するのであれば、読者がいらっしゃると思います。その「読者の代表として、質問をする」という心構えでいると、読者に喜ばれるインタビューになりやすいです。
 もちろん、ご自身の関心もあると思いますが、「読者が知りたいのは、どんなことかな?」という視点から質問を考えます。
「私が読者だったら……」と想像するのも良いですね。想像には限界がありますから、シンプルに「◯◯さんにインタビューするので、質問を募集します!」と聞いてしまうのも、良い方法です。

 2つめは、取材前の準備です。
 インタビューの前には、お話を伺う方の著書や発信内容に目を通しておき、自分なりにポイントを理解しておきましょう。
 これは私の恥ずかしい失敗体験ですが、相手のことを理解した上で質問しているのか、わからずに質問しているのか、というのは、必ず伝わってしまいます。
 インタビューでの質問は、「知らないから聞く」という質問とは違うのです。答えは理解した上で、読者にもわかりやすく語っていただくための質問というイメージです。

 事前の準備はとても大事ですが、実際のインタビューでは、知らない人に伝える前提で質問をすることも、とてもとても重要です。
 なぜなら、自分が理解している前提で話を進めてしまうと、具体的なことが省略されたり、前提になる部分が端折られたりと、要点だけの話になってしまうことがあるからです。
 ここが、インタビューの難しいところかもしれません。

 自分はすでに知っているポイントでも、知らない人のために、あえて詳しく語ってもらう。基本的なことでも、気持ちよく話していただく。
 腕の見せどころかもしれませんね。

3つめは、インタビュー中の心構えです。
 前のポイントとも重なるのですが、インタビューは、ある程度は予測できる内容で進めることになります。
 けれども、自分が準備した情報の「確認」で終わってしまっては、わざわざインタビューする必要はないわけです。時間をいただく相手の方にも失礼です。

 大事なことは、自分なりに「新しい情報を引き出す」という意識で臨むこと。

  • もう少し詳しく聞きたい

  • こういうケースではどうなるのか

  • 違う視点はあるか

など、自分なりに突っ込みたいところを見つけて、質問をするようにします。インタビューの前には、事前に質問項目をつくりますが、そのときに、突っ込んで聞きたい質問も、考えておくと良いと思います。
 もちろん、インタビュー中に「これは!」と思ったときに、突っ込んで質問することも、とても大事です。


「取材」という手段を手に入れると、発信できるコンテンツは大きく広がります。
 インタビューすること自体が一つの体験になり、自分自身の体験も豊かになります。

 雑誌編集者は、そういう意味でも、雑学・疑似体験の宝庫でした(笑)。私も、今でもインテリアコーディネートの基礎知識が語れるほどです。
 取材をきっかけに、得られた情報を自分でも実践するようになるので、ファッション誌の編集部に配属された女子は、どんどんおしゃれに、きれいになるのも「あるある」でした。
 
 もしいま、読者に伝えたいけど、自分の体験としては不十分……。
 そんなことがあったら、どんどん専門家に取材しましょう!そこから、自分の体験を増やしていけばいいのですから。

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