見出し画像

詰めすぎ、注意!

自戒の念を込めて言うと、編集会議に出す企画の提案数は部員の中で最も多いし、仕事がたくさんあるのが好きな、典型的な”ワーカホリック”タイプ。そんな私が、自分より「ヤバいな」と思う方が約1名。代表作(※1)があり主役を任されることが多いAさんだが、とにかく仕事を詰め込んでくる。

例えば、ある日の取材はこうだ。                       

12時50分 前の現場終わり。移動徒歩10分                 -----                             13時入り ヘアメイク45分                      13時45分 取材開始(45分間)                    -----                             14時30分 タクシーで約10km先の某テレビ局             14時55分 入り、メイク直し                     15時   本番…こんな感じで続く~

通常、現場と現場の間は、都内で30分の移動で済む場所でも1時間は見る。ところが、1時間どころか10分、そして25分とか、5分単位で刻んでくる。   ネットでタクシーの所要時間を検索して「約25分」と割り出したのだろうが道路事情などで大抵オーバーするものだし、車を降りてから控室に入るまでキー局なら最低10分は見たほうがいい。中が広いのはもちろん、建物の構造が複雑なことが多いからだ。                           

そんな無茶なスケジューリングはこちらも嫌なのだが、マネージャーBさん曰く「本人がアキ(時間)を嫌うので」。結果Aさんの到着遅れは常態化。百歩譲ってスタッフはしょうがない。だが、他のゲストをお待たせしたり、みんなそろっての打ち合わせ(顔合わせ)ができない、なんてことも多発。      

「大丈夫ですよ」と言いながら、切っていく

私はけっこう頭が高い…いや、正直な編集者で通っているので(苦笑)、 遅刻はたとえ出演者でもそこそこ嫌な顔をする。

だが、多くは違う。

本人が「すみません! 遅れました‼」と入っていけば、大抵のスタッフは「あぁ、良かった! 大丈夫ですよ!」と言うだろうし、待たされている人=Cさんも(先輩なら)「おぅ、お疲れ! 相変わらず忙しそうだなぁ」と笑顔を見せるだろう。だが。実際はその悪夢のような待ちの間、スタッフは「大変申し訳ございません!」とCさんやCさんのマネージャーDさんに頭を下げまくってるだろうし、Cさんは顔を出したプロデューサー(※2)のEさんに「なんかさぁ、あいつ勘違いしてないか?」とチクリと刺したりしてる。 

”人気者”の間はいい。だが、人気には必ずピークがある。旬を過ぎたとき、どこまで出続けられるか──主役でなくとも脇を固めたり、最近は企画性の高い作品も多いから、中堅・ベテランでも逆に主人公を演じられたりするが、人間的に好かれてなければ、だんだん使われなくなる技量は関係ない。

新人の頃、若いうちは、仕事はできるだけ数をこなしたほうがいい。それが経験値になるからだ。だが、ある程度まできたら、こなす→積み上げていくにシフトチェンジしなくてはならない

本当に売れ続ける人は、いろいろなアイデアをテンポよく実現していく。 自分も徹夜をするし、大勢を巻き込んでいく。現場の緊張感も総じて高い。だけど、絶対に遅れないし、無理なスケジュールは組ませない

と言いながら私も、「間に合わな~い」なんて言いながら、タクシーのお世話になることが多いですが。反省。

※1…タレント、特に役者の部類は「代表作」が重要。若い頃に1本主役で「これ」という名刺代わりの1作があると、主役を得やすいし、仕事を積み重ねやすい。 ※2…作品全体をマネジメントする「プロデューサー」さんは、だいたい現場にいて、演者の相手をしていることが多い。

#仕事 #長く続ける  #人気者 #スケジュール管理


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?