駄・随筆 第七回目「ギター」


こんにちは。アキヨシです。
2回目はちゃんと私もお題をもらいました。


『ギター』


思い出話になりますが、私がギターをギターだと初めて認識したのは大学生になってからです。

大学入学はじめ、若干仲良くなったけれどまだ距離感のある同級生に連れられ、その友人が最近入部したという食堂の地下にあるサークルの部室に案内してもらいました。

3畳半くらいの狭い部室で、誰でも使えるチューニングのズレたアコギを持ち適当にジャズのコードを鳴らしている先輩、新入生なんて慣れないんだよね緊張すると言いながらソファに案内してくれた先輩、背を向けたままゲームキューブでスマブラをし続けている先輩。


ここで私は人生で初めて、目の前でギターを弾いている人に出会いました。


大学に入った当初、音楽をしてみたいという響きだけかっこいい思いをどこかで持っていましたが、中途半端なピアノの技術しかないため遠慮した気持ちがあり、大きな音楽系のサークルには足を運べませんでした。

「教師になるんだったら、声が小さいし通らないのを直すためにもなんか声を出すサークルもいいなあ」
とも思っていましたが、バンドのボーカルなんて堂々としたことを言えるわけでもなく、恥を晒したくないという変なプライドを捨てきれないまま迎えた4月中旬に、出会った小さなロック研究会というサークル。

ギターを弾いている先輩に合わせて、“あ、それこの曲のコードですか”とメロディを口ずさんだのがきっかけで、「ボーカルやってみたらいいじゃん。」と声をかけてもらえたのは、もしかすると人生が一つ変わる契機だったのかも知れません。

1年生の間は部室に行けば絶対に誰かいて、ひたすらスマブラをしてリンクで無双して、先輩には負けて、それ以外にもギターを触ってみたりそこにあったキーボードを弾いてみたり、記述のレポートを友人と必死に書いてみたり、大量の漫画を読んだり寝てみたり。決して綺麗ではない部室でしたがあのギターから始まった一年間は作ろうと思って作れたわけではない一年間だったと思います。


綺麗にこう書けるのも期間限定で、バンドも出たり入ったりと色々ありましたが、三年生にもなると落ち着いたもので申し訳なかったなあとか、先輩のバンド、また聞きたいなあという思いを張り巡らせています。先輩の楽器の音は、ギターを初め、ドラムもベースもボーカルも上手なだけでなく味のある楽器の音でした。歌わないで詩を朗読している先輩もいました。


私の家には未だに弾けない4万円のギターがあります。
勿体無いですね。
憧れだけでは弾けません。

私を連れて行ってくれた友人はバンドの活動をメインにするために大学を辞めました。私は特に彼らの「レモンド」という曲が好きです。


音を合わせた瞬間の気分の高揚はきっとどんな年齢でも忘れられなくて、だからどんな形でも音楽が流行るのかなと勝手に思っています。これからも友人とやらせてもらっている音楽もお風呂場で大声で歌う音も、適当に弾くピアノも大事にしていきたいです。ではでは



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