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とてももったいない2つの時。

3月、そろそろ春休み。持ち込みや賞など投稿に向けて準備をしている方も多いと思うので、「これはもったいない」と思うことが多い件について書いてみます。


以前から続けている「少女まんが勉強会」で、今参加者の方に抽選でステッカーが当たるというプレゼントがあります。

そのステッカーに書かれている言葉が、僕のnoteでも結構人気だったこの記事の言葉。

そう、「長所は決めるもの。」という言葉です。

ちょっと気恥ずかしくもあるのですが、当たった方たちが喜んでくれているので、ほっとしています。

さて。

この記事の中でも書いているのですが、若い編集者に「長所は決めるんだよ」と言うと、結構な確率で「見つからない時はどうするんですか?」と聞かれます。

「そんな簡単に諦めずに、一生懸命探してあげなよ」と、いつも思っていたのですが。

少し前に同じことを聞かれた時に、そう言えばどうしても長所が見つけられないケースもあるなと思い直しました。

いいところを見つけてあげようと思って一生懸命読んでみても、どうしてもいいところが見つけられないもの。それは2つのパターンがあります。その2つのパターンに陥ってしまっていると凄くもったいないので、特に投稿者の方にはこの2つは避けてもらえるといいと思います。


<長所が見つけられないパターン1>

1つ目は、残念なことに「間に合わせました」しか伝わってこないパターン。

持ち込みであれ、投稿であれ、あまりにも無理な目標を設定してしまったためか、完成させることだけで精一杯になってしまってるネームや原稿。

どうしても間に合わずに途中までしか出来なかった、というものならまだ、出来上がってる部分の中に見るべきものがあるのですが、「間に合わせること」だけが最優先されて無理やり完成させられたものだと、「頑張って間に合わせたんだろうな」ということしか分からないものになってしまいます。

せっかくの持ち込みや投稿の機会。あまりにも焦りすぎるような目標は立てず、落ち着いて自分の描きたいものをしっかり描いてほしいです。


<長所が見つけられないパターン2>

2つ目は、あまりにも全てを丁寧に描き過ぎているパターン。

伝わらないところがあったらどうしようと、あまりにも心配になり過ぎているからか、最初から最後までものすごい丁寧に描き過ぎ、全てのシーンを丁寧に説明し過ぎてしまっているもの。

一生懸命なのはとても分かるのですが、全部を丁寧にし過ぎた結果、どのシーンも全部同じテンション、全部同じ分量、全部同じテンポになってしまっているというケースです。

この場合、描いてる人がどこを大事にしているかが全くつかめず、読むのにもかなりエネルギーを使います。

漫画は何を描くか決めることと同じくらい、何を描かないか決めることも重要です。

自分の想定していたページ数を大幅にオーバーしてしまっている場合は、何かしら過剰に丁寧に描き過ぎているのかもしれないと思って見直してみるといいと思います。


持ち込みや投稿は、審査だけするわけではありません。ネームや原稿を通してコミュニケーションを通わせるというのも大事なことです。

慌て過ぎず、心配し過ぎず、自分が何を描きたいのか、何が好きなのかを伝えてください。そうすれば、ちゃんとそれを受け取ってくれる人がいるはずですので。

あなたの「好き」が詰まったネームや原稿を届けましょう。


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鈴木重毅@しーげる

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少女漫画誌「デザート」の編集長を6年務め2019年講談社を退職。漫画家さんのマネジメントを行う株式会社スピカワークス代表。 担当…森下suuさん「ゆびさきと恋々」やまもり三香さん「うるわしの宵の月」。他「僕と君の大切な話」「春待つ僕ら」「好きっていいなよ。」「となりの怪物くん」。