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未来断捨離ジャガイモ【毎週ショートショートnote】

 未来には断捨離されているかもしれない食物、それはジャガイモ。
 そんなはずはない失礼を言うな、と北海道の方々は仰るかもしれない。しかしながらジャガイモの生産量第二位の都道府県をご存知だろうか。長崎県である。私の故郷一族は農家であるが、米は取れにくい火山性の土地で、収益となるのはもっぱらジャガイモと玉ねぎである。
 私は何も地上から一掃された未来をイメージしているわけではなく、ブランド力のある物、強大な物しか生き残れない、といった未来が、勝手に必然であるかのように思い込まされてはいないかと危惧している。
 現に北海道由来のジャガイモ名を皆さんはいくつ思いつけるか。しかも旨そうな感覚まで抱けるだろう。
 一方でデジマ、ニシユタカ、アイユタカなどは聞いた事があるまい。しかしながら学校給食や北海道を銘打たない加工食品に用いられているのは主にそちらの品種であり、普及できただけ良いと言えるが、つまりは安く買い叩かれている。


(408文字)

 ブランドに飛びつくのは仕方がないが、
 それ以外もせめて有難く食してくれ。

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