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【創作大賞感想】吉穂みらい『眠る女』

 感想記事全体の思惑:セブンソード的な試み

 フォローしている方なので、
 それはタイムラインに連日上がってくる段階から、
 読みたくてしょうがなかったんだが、

 自分の作品を投稿し終えて見直し終えるまでは、
 他者の作品に対し全神経を傾けては臨めないもので。

  初読時:約1時間
  再読時:約1時間半
  密かに続けられていた踊りも眺めながら。

(文字数:約1700文字)



なるべくネタバレせずに話の内容

  睡眠障害により仕事も夫も失いそうな女性が、
  一転、冬眠状態に陥り、
  夫は家を出て行ったまま、
  元恋人から救い出されて入院する。

  昏睡中に見る夢や、
  病院内での短時間の覚醒の、
  合間合間に夫の行方は、
  元恋人が探し続けていて報告が入る。

  書き手によって、
  どのような味付けにも出来そうなアウトライン、
  の中でもこれを選びますか。
  正直私は(・□・)素で驚いたな。


重箱の隅をつつくのが大好き

  誤字脱字が見つけ切れた限り一ヶ所だけ。

  以下はかなり意地の悪い追及になります。

  「カオル、と呼び捨てにすることが気になった」
  と地の文で書かれている優佳里のセリフが、
  その地の文の一つ前だけ、
  「カオルさん」になっていて混乱します。

  ユキ、が誰か分かりません。
  重要人物でなければ、
  それほど印象付けなくていいのでは?

  時間感覚が曖昧になっている状況を描いた話なので、
  ここぞ、という一言で、
  主人公ほどの衝撃が得られません。
  もちろん読み進めていけば分かるのですが、
  なにしろ肝心の一言ですので、
  月数、以外の表現があってくれたら、
  読む側としては助かります。

  カオルとヒカルと優佳里、
  のセットくらいは、
  私もやってしまいましたし、
  やりたくなるものだと思いますが、

  兄弟はカタカナ表記でなければいけませんか?
  どうも女性名のような印象が付き纏います。

  また葵、柏木、二宮、浮島、と重ねられると、
  これは原著の内容も絡めて読み解くべきなのか、
  読む側は不安になってしまいます。

  と言うより今現在不安です。
  ぜひともそう読み解いて欲しいのか、
  特に関連付けては考えていないのか、
  どっち(・∀・)なんだい。
  それはまるで高尚な中山きんにくん。


脳内批評家が私をダメ出し

  トータルでは実に読みやすかったです。
  それでいて内容が単純なわけでもない。
  むしろかなりリアルかつシビア。

  そこをスラスラ読ませるのは、
  筆力の成せる業。

  こうした文章を書いてこそ、
  他人様に読まれるのだ伝わるのだぞと、
  脳内批評家がむしろ私の方を、
  激しくダメ出ししてくるけれども、

  私には書けねぇよ。

  書けねぇよ、じゃないんだ。
  謙虚になって真摯に学べ。
  だからお前はいつまでも実績が築けないんだよ。

  とか散々わめき倒して来られようが、
  身の内に呪いと共に染み付いている、
  リズムや文体は致し方ねぇ。

  逆に問うが、
  俺の文章の方がスタンダードになって、
  俺から学べとか言われたらすっげぇ迷惑だろうし、
  俺みたいな文章は俺以外の誰も、
  書けねぇ以前に書きたくもねぇだろうが。

  御無礼。脳内乱闘が過ぎました。 


情念をなめるな

  主人公は懐疑的な雰囲気を残していましたが、
  私には大きく頷けましたな。

  そして彼に大変同情を寄せますな。
  ああどんだけ致したかった事でしょう。
  しかし禁忌だ(T∀T)私は知っている。

  情念をなめてはあきません。


  じゃあ両親はどうして、
  という真摯な疑問は理解しますし、

  ここで引き合いに出すのは、
  少々おかしな話題に思われるかもしれませんが、

  仇討ち、は現代人から少々誤解されていて、

  子供(あるいは目下)に対する、
  仇討ちは出来ない
んですよ。

  それはなぜか、
  をじっくり考えていけば、
  疑問への答えに近付くように思われます。

  葵さんが考えてみたければ、
  ですけれども。


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。

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