地域の時計やカレンダーになる

　はじめましての人も、
　前から知ってる方も、
　ごきげんよう。

　偏光です。

　どれほど高い地位を得ている方でも、
　同じような仕事をしている方でも、
　その立場にいるとは限らない。
　
（文字数：約1100文字）

---

　　私は普段、
　　大阪府は河内かわち地域のアパート群の、
　　清掃業務を内職の一つにしている。

　　企業の社屋や、
　　商業施設とはまた違って、
　　そうしたアパート群には一種独特な、
　　「鉄の掟」が存在し、

　　住民の皆様の安息を妨げてはならない。

　　早朝・深夜の作業などもってのほか。
　　住民の大半は出社したであろう時間帯を見計らい、
　　小雨決行、
　　中程度の雨であってもやり始めた以上は続ける。

　　雷が鳴るようならさすがに避難。
　　大雨の場合は同じ週の晴れか曇りの日を狙う事になり、
　　雨風により吹き込み流れ込んだ汚れやゴミも、
　　もちろん掃除対象になる。

　　従って土日祝日に、
　　企業の夏季・年末年始休暇等で、
　　平日の大半が占められるような週は、
　　残念ながら勤務不可となる。

　　時給労働者にとっては、
　　それほど喜ばしい事態でもないが致し方ない。

　　そんな次第で我々が掃除する様は、
　　地域住民の皆様から、
　　「あら。今日は○曜日？」
　　「じゃあ不燃ゴミは明日よね」
　　といった日付確認であったり、

　　「掃除が始まったから病院に行く時間だ」
　　あるいは住民によっては、
　　「掃除が終わるまでは出かけたくないな」
　　といった時間確認にも利用されている。

　　カントみたいでカッコいい、
　　と私は密かに自らを励ます事にしている。

　　そこはまぁある程度ありそうな事だと、
　　大抵の人にも理解されそうな気がするんだが、

　　盆休暇中は掃除が無いよと、
　　話しておいた週明けのゴミ出しの日に、
　　ゴミを集めていた私に気付いて配偶者が、

　　「え。今日ゴミ収集車来るの？」

　　と言ってきたのは、
　　勘弁してくれと。

　　悪気が無い事は分かっている。
　　目くじらを立てる事でもないが、
　　私は役所に雇われているわけでも、
　　ゴミ収集車と連動して働いているわけでもない。

　　ゴミ収集車様がお休みになれるのは、
　　年末・年始の一週間のみだ！

　　そこは時間・曜日感覚を、
　　普段我々の姿で認識していようと、
　　我々が天気等の理由で出られなかった週は、
　　時間・曜日を錯覚し誤認しがちになろうと、

　　各人が頭に心に刻み入れておいてくれないか。
　　頼む。

以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。